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冒険者編
第92話 反転の土魔法 A
────ガキッ!!
敵の攻撃を弾いた俺は、その反動で宙を飛び、相手の腕を伝ってその背に乗った。
敵の死角に入ったと思ったが、ロック・クラブは俺の姿を補足している。
カニの目玉が、こっちを見ていた。
俺の乗る背中の上に、腕を回して器用にはさみで攻撃してくる。
ガッ!! ガッ!! ガキィィイイン!!!!
しばらく、俺とカニとの攻防が続く────
敵の殻が堅い上に、表面を岩でコーディネートしているため、攻撃が通らない。
思い切り火力を上げ、炎で焼いてみようかとも思ったが、魔力の消費が大きくなるし、集中して魔力を込める時間が無い……。
闘気をフルに使えば削ることは可能だが、敵を倒すのに相当消耗するだろう。
この敵との戦いは前哨戦だ。
恐らくモンスターの波の向こうに、もっと強い敵が控えている。
ここで力を使い過ぎると、後で戦えなくなる……。
なるべく力を節約しながら、コイツを倒したい。
……。
…………。
まずはこの岩を、どうにかしないとな──
俺は少し考えて、自分の魔力属性を『土』へと変化させる。
そして、土の魔力を反転させて、魔力属性を『風化』に変える。
敵の攻撃を剣で捌きながら、手の平に魔力を集める。
その手をロック・クラブの背中に当てて、魔力を押し込める。
……。
何も起こらない────
少なくとも、見た目は何も変わらない。
だが俺は、手応えを感じていた。
異空間に剣を仕舞い、槍を取り出す。
そしてその槍を、先ほど魔法をかけた敵の背中に突き刺した。
ズシュゥゥウウウウ!!!!!!!!
硬いはずの敵の岩と殻を破壊し、槍が深々と突き刺さる。
「ぎょごるごげぇぇえええええ!!!!!」
モンスターが、悲鳴を上げた。
実験は上手く行ったようだ。
風化魔法をかければ、敵の強度が下がり、防御が脆くなる。
俺はさらに、奴の身体全体を覆うように、風化魔法を重ね掛けする。
ロック・クラブは痛みで暴れている。
「うおっ!!」
────振り落とされた。
地面に着地した俺は、剣を再び装備する。
敵のハサミを振り回す。
──攻撃が来る。
ガッ!!! ガッ!!!
鋭く巨大な、ハサミによるに連撃────
それを剣で捌く。
俺の剣は敵の表面の岩と殻を削り、内部の肉を抉る。
「────ギグルリュウウウウウウ!!!!!」
ロック・クラブはその痛みで、ヘンテコな叫び声を上げる。
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