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第二王子ディーン
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いや、皆そう思ったでしょ?王妃様の強引な言葉には。
たった今、国王陛下が婚約の解消を認める、と言ったって、先に校則違反を犯したのは事実なんだよ?
その時はまだ婚約者だったし今もまだ紙の上では婚約者だよね。
「ふ~ん、兄上はミレーヌよりもその男爵令嬢を選んだんだね。」
唐突にディーンが声を上げた。急に声を掛けられてアルもびっくりしているわ。
「えっ?た、確かに俺はアリスの事を愛している。しん、、、誰よりも深く愛しているしこれからも変わる事は無い。」
驚きながらもキチンと聞かれた事に対して返事をしているアル。今、ちょっと真実の愛って言いそうになって言い直したよね。少しは学習したのかな。
けど、それほどアリスさんを愛しているんだなぁ、と思うと『どこが良いの?』という気持ちと素直に羨ましい気持ちもあるわね。それほどまでに愛されるのなら、きっと幸せな事だと思う。
「そっか、きっと兄上には政略結婚なんて合わなかったんだよ。
まぁ、父上に似て一人の女性を一途に愛するタイプだったんだろうね。
その相手と結ばれるなんて幸せな事だと思うよ。」
屈託なく笑いながら言うディーンに、何故かレティシア様の眉が少し下がっているような気がする。
壇上では王妃様が『いい事言うじゃない?』というような顔をしているけど、さっきの王妃様を見ていたら『この人がお義母様にならなくて良かったぁ~』と思わずにはいられないわね。
「でもさ、国の為、国民の為を思えば、王族の誰かは政略結婚もしなくちゃいけないと思うんだよ。」
少し思案するような素振りを見せながら、少しだけ子どもっぽい言い方で言ったディーンにアルが少し戸惑っている。
「陛下も兄上も政略結婚ではなく愛を取ったんだから、僕ぐらいは政略結婚をしなければね。」
何でもない事のようにあっけらかんと言うディーンは、、、確かに婚約者なんてまだ居なかったわ。
この歳まで婚約者を決めないのは王族だけでなく、貴族でも珍しい方だと思っていたのだけれど。いつかの為に婚約者を決めていなかったのかしら?
どこか憎めないヤンチャな弟分だと思っていたけれど、国の為には色々と考えていたのねぇ。
などと関心していたら、横に居たディーンが急に私の方を向いて私の両手を取った。
「ねっ、ミレーヌ。僕は政略結婚するならミレーヌが良いなっ。
僕たち、ずっと一緒に王宮で勉強を頑張ってきた仲でしょ。
折角、泣くほど王子妃教育を頑張ったんだからさ、このまま辞めちゃうのは勿体無いよ。だから僕の婚約者になってよ。」
ディーンが、、、急に年下ワンコみたいになっているんですけど?
えぇ?普通はここで『ずっと愛してた』とかそういう展開になるんじゃないの?
なのに、そんなに風に屈託なく『政略結婚をしよう!』と言うだなんて、、、。
あまりの事にビックリして言葉が出ないでいると壇上から咳払いが聞こえた。お父様だ。
「ディーン殿下。急な申し出に娘も驚いて声が出ないようです。」
あら、お父様。今回は助け船を出してくれるのね?
確かにその通りなのよ。ビックリしすぎて恥ずかしさすら感じないわよ。
だっていきなり言うのだもの。ねぇ、、、、コレってプロポーズになるの?
プロポーズの言葉が『政略結婚をしよう!』というのはどうなんだろう。
「あ、勿論、女の子の中で一番ミレーヌの事が好きだよ。」
私の気持ちを察したのか、ディーンはそう言ってにこやかに笑った。
昔、どこかで聞いた覚えのある言葉ね。
ねぇ、それって一応、恋愛対象の好きで合ってる?
たった今、国王陛下が婚約の解消を認める、と言ったって、先に校則違反を犯したのは事実なんだよ?
その時はまだ婚約者だったし今もまだ紙の上では婚約者だよね。
「ふ~ん、兄上はミレーヌよりもその男爵令嬢を選んだんだね。」
唐突にディーンが声を上げた。急に声を掛けられてアルもびっくりしているわ。
「えっ?た、確かに俺はアリスの事を愛している。しん、、、誰よりも深く愛しているしこれからも変わる事は無い。」
驚きながらもキチンと聞かれた事に対して返事をしているアル。今、ちょっと真実の愛って言いそうになって言い直したよね。少しは学習したのかな。
けど、それほどアリスさんを愛しているんだなぁ、と思うと『どこが良いの?』という気持ちと素直に羨ましい気持ちもあるわね。それほどまでに愛されるのなら、きっと幸せな事だと思う。
「そっか、きっと兄上には政略結婚なんて合わなかったんだよ。
まぁ、父上に似て一人の女性を一途に愛するタイプだったんだろうね。
その相手と結ばれるなんて幸せな事だと思うよ。」
屈託なく笑いながら言うディーンに、何故かレティシア様の眉が少し下がっているような気がする。
壇上では王妃様が『いい事言うじゃない?』というような顔をしているけど、さっきの王妃様を見ていたら『この人がお義母様にならなくて良かったぁ~』と思わずにはいられないわね。
「でもさ、国の為、国民の為を思えば、王族の誰かは政略結婚もしなくちゃいけないと思うんだよ。」
少し思案するような素振りを見せながら、少しだけ子どもっぽい言い方で言ったディーンにアルが少し戸惑っている。
「陛下も兄上も政略結婚ではなく愛を取ったんだから、僕ぐらいは政略結婚をしなければね。」
何でもない事のようにあっけらかんと言うディーンは、、、確かに婚約者なんてまだ居なかったわ。
この歳まで婚約者を決めないのは王族だけでなく、貴族でも珍しい方だと思っていたのだけれど。いつかの為に婚約者を決めていなかったのかしら?
どこか憎めないヤンチャな弟分だと思っていたけれど、国の為には色々と考えていたのねぇ。
などと関心していたら、横に居たディーンが急に私の方を向いて私の両手を取った。
「ねっ、ミレーヌ。僕は政略結婚するならミレーヌが良いなっ。
僕たち、ずっと一緒に王宮で勉強を頑張ってきた仲でしょ。
折角、泣くほど王子妃教育を頑張ったんだからさ、このまま辞めちゃうのは勿体無いよ。だから僕の婚約者になってよ。」
ディーンが、、、急に年下ワンコみたいになっているんですけど?
えぇ?普通はここで『ずっと愛してた』とかそういう展開になるんじゃないの?
なのに、そんなに風に屈託なく『政略結婚をしよう!』と言うだなんて、、、。
あまりの事にビックリして言葉が出ないでいると壇上から咳払いが聞こえた。お父様だ。
「ディーン殿下。急な申し出に娘も驚いて声が出ないようです。」
あら、お父様。今回は助け船を出してくれるのね?
確かにその通りなのよ。ビックリしすぎて恥ずかしさすら感じないわよ。
だっていきなり言うのだもの。ねぇ、、、、コレってプロポーズになるの?
プロポーズの言葉が『政略結婚をしよう!』というのはどうなんだろう。
「あ、勿論、女の子の中で一番ミレーヌの事が好きだよ。」
私の気持ちを察したのか、ディーンはそう言ってにこやかに笑った。
昔、どこかで聞いた覚えのある言葉ね。
ねぇ、それって一応、恋愛対象の好きで合ってる?
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