8 / 12
初恋の人
しおりを挟む
誓約魔法というよりは宣言に近いお父様の言葉に会場内が騒然となる。
「もしかして今のが誓約魔法だとでも言うのか?」
「まさかっ!ただ偉そうに宣言しただけだろう」
そんな声があちこちから聞こえてくる。半信半疑というよりは全く信じていない事が伺える。
しかし、国王陛下を始め王族の方々と一部の高位貴族たちは顔が強張っている。お父様の希少スキル『誓約魔法』は国へと報告されているが、秘匿扱いにはなっていないのだ。
お父様が所持しているスキルの誓約魔法は、私とは違って幾つかの魔法が使える。
魔道具のように用紙に誓約内容を書けば魔法が掛かり誓約書としての効力を持つ、という魔法だけでなく、お父様の言葉が誓約書として効力を持つ魔法も使える。しかも相手の同意も署名も必要が無い。
そして恐ろしいのが、お父様が誓約を破った時に与えられる罰則を口にしていない事だ。
通常は言葉の誓約であっても破った時の罰則も口にしている。
そうでなければ、お父様にとって都合が良いだけの一方的なモノになってしまうからだ。
けれど罰則を口にしなくても誓約書は完成する。その場合はお父様だけが罰則を知っている事になる。
軽い罰則ならば問題はない。けれどこの場でお父様の言った内容は国で秘匿扱いされる程の重要機密だ。
だからこその誓約魔法だと気付けた人がどれぐらい居ただろう。
その罰則が軽いモノである訳が無い事に気付いた王族の方々や一部の人の表情に気付いていた人が一人でも多ければいい。
人当たりはいいけれど腹黒い部分も持ち合わせているお父様が、罰則の恐ろしさを親切にこの場で説明する事は無いだろうから。
罰則を受けた者は魔法を掛けたお父様にしか罰則を解除する事は出来ない。
腹黒くても残忍な性格では無いお父様が命を脅かす罰則をつける事はないだろうけれど、明日以降、ルーデンブルグ邸へと助けを求める訪問客が押し寄せる事になるだろうと思うと、皆の口が固い様に、と祈るしかない。
「なんだ、ただの脅し文句ではないか。やはり苦し紛れの嘘だったようだな」
ルナティア嬢や後ろの取り巻きたちと笑いながらそう言った殿下を驚きの目で見る王族の方々に同情を禁じ得ない。
彼はお父様のスキルを知らなかったのか。
王族は教育を受ける際に、国に報告されている希少スキルについて学んでいる筈なのだ。
その証拠に殿下の弟妹も驚きの表情を浮かべ兄である殿下を見つめているのに、それすらもレオンハルト殿下は気付いていない。
「レオンハルト殿下、父のスキルは本物です。必ず誓約を守ると心に留め置いて下さいませ」
「下らない戯言はもういい。お前の特殊スキルとやらを早く見せてみろ!
使えるものならばな」
仲間内で笑い合いながら蔑むように私を睨みつける殿下に小さくため息を吐く。
・・・忠告はした。
彼は最後まで自分の間違いに気付けなかったけれど。
それでも、、、初恋の人に会わせてあげる。
私がフッと笑みを漏らすと殿下たちは怪訝な表情や馬鹿にされたと勘違いして顔を真っ赤にしている取り巻きもいる。
そんな事は気にせずに私は魔力を体に張り巡らせて祈るように手を組んだ。そして深く深呼吸をすると口を開いた。
「女神降臨っ!」
一言、たったこの一言が私の特殊スキル『女神降臨』を使う時の言葉だ。
その瞬間、私の手から白い光が溢れて目が眩む程の光が会場を包み込み、そして光は消えた。
「はぁ~い。マリちゃん、呼んだ?」
何とも気の抜ける様な口調で突然、空中に現れた女性はピンクブロンドの髪をフワリ、フワリとさせながらゆっくりと私の目の前に降りてきた。
「ルナリス様、お久しぶりです」
ルナリス様と直接お会いするのは、あの日以来の事で実に十年ぶりの再会だった。
「んもぅっ!違うでしょっ。ルーナでしょ。
いつもルーナって呼んでくれるのにぃ~、マリちゃんたら他人行儀なんだからっ!」
小さな子を叱るようにメッ、と言いながらルナリス様は、私の両手を取ってブンブンと上下に振る。彼女はいつもこのような感じで神様とは思えない態度で私に話し掛けてくる。
けれどこの大勢が見守る中では例え親しい間柄だったとしても、我が国の守護神、女神ルナリス様を愛称呼びで呼ぶなど出来ないわよね。
「えっ!?やだっ、どうして女の人が宙に浮いて出て来たの!?」
状況を察する事の出来ないルナティア嬢の声で、ここがルーデンブルグ邸では無い事を思い出す。
普段は私の部屋で声のみで二人きりで会話をしていたので、今は周囲に人が居る事をウッカリ忘れていたわ。
「ん?あら、レオンじゃない。元気?」
神様も場の空気を読むという事はしない、らしい。
ルナティア嬢の声で振り返ったルナリス様は、青い瞳をキラキラさせながらレオンハルト殿下に手を振りながら声を掛けた。
十年振りの再会でも女神ルナリス様にとっては、昨日の事の様に感じているのでしょうね。
「ル、ルーナ、、、、」
どうやらルナリス様を見て、レオンハルト殿下も十年前の記憶が呼び起こされたようだ。
殿下は初恋の人の突然の登場に目はルナリス様に釘付けになっているけれど、初恋の人ルーナが本物の女神様だった事に気づいているのかしら?
「ん、そうだよ~。あの時の串焼は美味しかったよねぇ。またマリちゃんと三人で食べに行きたいね」
・・・それは絶対に遠慮させて頂きますわ。
それにこの歳で、この面子でお忍びで出掛けるのは無理でしょう。八歳の時だって忍べていなかったのに。
ふと気づけば私とレオンハルト殿下とルナティア嬢、そして取り巻き以外のこの場にいる人たちが、ルナリス様に向かって膝を付いて頭を下げていた。勿論、お父様もだ。
「えっ、皆、何で蹲っているのぉ?普段通りにしててよぉ。
じゃないと私、目立っちゃうじゃない。恥ずかしいっ!」
その目立っている人にさっきから『マリちゃん』呼びされている私の方が恥ずかしいと思う。
と言うのは置いておいて、皆が跪いたままでは一緒に立っている私も恥ずかしいので、ルナリス様にお願いして、女神ルナリス様のお言葉として立ちあ上がって貰った。
「マ、マリエッタ!こ、これは一体どういう事なんだ!?」
ルナティア嬢を初恋の人と勘違いしていた殿下は、ご本人登場で流石に直ぐにルナリス様が初恋の人である、と分かったようだけれど、その相手がまさかの女神ルナリス様だった事にやっと気付いたみたい。
ルナリス様からはなんとなく神々しいオーラも出ているのに気付くのが遅すぎじゃない?
ーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
「もしかして今のが誓約魔法だとでも言うのか?」
「まさかっ!ただ偉そうに宣言しただけだろう」
そんな声があちこちから聞こえてくる。半信半疑というよりは全く信じていない事が伺える。
しかし、国王陛下を始め王族の方々と一部の高位貴族たちは顔が強張っている。お父様の希少スキル『誓約魔法』は国へと報告されているが、秘匿扱いにはなっていないのだ。
お父様が所持しているスキルの誓約魔法は、私とは違って幾つかの魔法が使える。
魔道具のように用紙に誓約内容を書けば魔法が掛かり誓約書としての効力を持つ、という魔法だけでなく、お父様の言葉が誓約書として効力を持つ魔法も使える。しかも相手の同意も署名も必要が無い。
そして恐ろしいのが、お父様が誓約を破った時に与えられる罰則を口にしていない事だ。
通常は言葉の誓約であっても破った時の罰則も口にしている。
そうでなければ、お父様にとって都合が良いだけの一方的なモノになってしまうからだ。
けれど罰則を口にしなくても誓約書は完成する。その場合はお父様だけが罰則を知っている事になる。
軽い罰則ならば問題はない。けれどこの場でお父様の言った内容は国で秘匿扱いされる程の重要機密だ。
だからこその誓約魔法だと気付けた人がどれぐらい居ただろう。
その罰則が軽いモノである訳が無い事に気付いた王族の方々や一部の人の表情に気付いていた人が一人でも多ければいい。
人当たりはいいけれど腹黒い部分も持ち合わせているお父様が、罰則の恐ろしさを親切にこの場で説明する事は無いだろうから。
罰則を受けた者は魔法を掛けたお父様にしか罰則を解除する事は出来ない。
腹黒くても残忍な性格では無いお父様が命を脅かす罰則をつける事はないだろうけれど、明日以降、ルーデンブルグ邸へと助けを求める訪問客が押し寄せる事になるだろうと思うと、皆の口が固い様に、と祈るしかない。
「なんだ、ただの脅し文句ではないか。やはり苦し紛れの嘘だったようだな」
ルナティア嬢や後ろの取り巻きたちと笑いながらそう言った殿下を驚きの目で見る王族の方々に同情を禁じ得ない。
彼はお父様のスキルを知らなかったのか。
王族は教育を受ける際に、国に報告されている希少スキルについて学んでいる筈なのだ。
その証拠に殿下の弟妹も驚きの表情を浮かべ兄である殿下を見つめているのに、それすらもレオンハルト殿下は気付いていない。
「レオンハルト殿下、父のスキルは本物です。必ず誓約を守ると心に留め置いて下さいませ」
「下らない戯言はもういい。お前の特殊スキルとやらを早く見せてみろ!
使えるものならばな」
仲間内で笑い合いながら蔑むように私を睨みつける殿下に小さくため息を吐く。
・・・忠告はした。
彼は最後まで自分の間違いに気付けなかったけれど。
それでも、、、初恋の人に会わせてあげる。
私がフッと笑みを漏らすと殿下たちは怪訝な表情や馬鹿にされたと勘違いして顔を真っ赤にしている取り巻きもいる。
そんな事は気にせずに私は魔力を体に張り巡らせて祈るように手を組んだ。そして深く深呼吸をすると口を開いた。
「女神降臨っ!」
一言、たったこの一言が私の特殊スキル『女神降臨』を使う時の言葉だ。
その瞬間、私の手から白い光が溢れて目が眩む程の光が会場を包み込み、そして光は消えた。
「はぁ~い。マリちゃん、呼んだ?」
何とも気の抜ける様な口調で突然、空中に現れた女性はピンクブロンドの髪をフワリ、フワリとさせながらゆっくりと私の目の前に降りてきた。
「ルナリス様、お久しぶりです」
ルナリス様と直接お会いするのは、あの日以来の事で実に十年ぶりの再会だった。
「んもぅっ!違うでしょっ。ルーナでしょ。
いつもルーナって呼んでくれるのにぃ~、マリちゃんたら他人行儀なんだからっ!」
小さな子を叱るようにメッ、と言いながらルナリス様は、私の両手を取ってブンブンと上下に振る。彼女はいつもこのような感じで神様とは思えない態度で私に話し掛けてくる。
けれどこの大勢が見守る中では例え親しい間柄だったとしても、我が国の守護神、女神ルナリス様を愛称呼びで呼ぶなど出来ないわよね。
「えっ!?やだっ、どうして女の人が宙に浮いて出て来たの!?」
状況を察する事の出来ないルナティア嬢の声で、ここがルーデンブルグ邸では無い事を思い出す。
普段は私の部屋で声のみで二人きりで会話をしていたので、今は周囲に人が居る事をウッカリ忘れていたわ。
「ん?あら、レオンじゃない。元気?」
神様も場の空気を読むという事はしない、らしい。
ルナティア嬢の声で振り返ったルナリス様は、青い瞳をキラキラさせながらレオンハルト殿下に手を振りながら声を掛けた。
十年振りの再会でも女神ルナリス様にとっては、昨日の事の様に感じているのでしょうね。
「ル、ルーナ、、、、」
どうやらルナリス様を見て、レオンハルト殿下も十年前の記憶が呼び起こされたようだ。
殿下は初恋の人の突然の登場に目はルナリス様に釘付けになっているけれど、初恋の人ルーナが本物の女神様だった事に気づいているのかしら?
「ん、そうだよ~。あの時の串焼は美味しかったよねぇ。またマリちゃんと三人で食べに行きたいね」
・・・それは絶対に遠慮させて頂きますわ。
それにこの歳で、この面子でお忍びで出掛けるのは無理でしょう。八歳の時だって忍べていなかったのに。
ふと気づけば私とレオンハルト殿下とルナティア嬢、そして取り巻き以外のこの場にいる人たちが、ルナリス様に向かって膝を付いて頭を下げていた。勿論、お父様もだ。
「えっ、皆、何で蹲っているのぉ?普段通りにしててよぉ。
じゃないと私、目立っちゃうじゃない。恥ずかしいっ!」
その目立っている人にさっきから『マリちゃん』呼びされている私の方が恥ずかしいと思う。
と言うのは置いておいて、皆が跪いたままでは一緒に立っている私も恥ずかしいので、ルナリス様にお願いして、女神ルナリス様のお言葉として立ちあ上がって貰った。
「マ、マリエッタ!こ、これは一体どういう事なんだ!?」
ルナティア嬢を初恋の人と勘違いしていた殿下は、ご本人登場で流石に直ぐにルナリス様が初恋の人である、と分かったようだけれど、その相手がまさかの女神ルナリス様だった事にやっと気付いたみたい。
ルナリス様からはなんとなく神々しいオーラも出ているのに気付くのが遅すぎじゃない?
ーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
300
あなたにおすすめの小説
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
婚約破棄されたので、隠していた力を解放します
ミィタソ
恋愛
「――よって、私は君との婚約を破棄する」
豪華なシャンデリアが輝く舞踏会の会場。その中心で、王太子アレクシスが高らかに宣言した。
周囲の貴族たちは一斉にどよめき、私の顔を覗き込んでくる。興味津々な顔、驚きを隠せない顔、そして――あからさまに嘲笑する顔。
私は、この状況をただ静かに見つめていた。
「……そうですか」
あまりにも予想通りすぎて、拍子抜けするくらいだ。
婚約破棄、大いに結構。
慰謝料でも請求してやりますか。
私には隠された力がある。
これからは自由に生きるとしよう。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。
下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。
豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。
拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
【完結】数十分後に婚約破棄&冤罪を食らうっぽいので、野次馬と手を組んでみた
月白ヤトヒコ
ファンタジー
「レシウス伯爵令嬢ディアンヌ! 今ここで、貴様との婚約を破棄するっ!?」
高らかに宣言する声が、辺りに響き渡った。
この婚約破棄は数十分前に知ったこと。
きっと、『衆人環視の前で婚約破棄する俺、かっこいい!』とでも思っているんでしょうね。キモっ!
「婚約破棄、了承致しました。つきましては、理由をお伺いしても?」
だからわたくしは、すぐそこで知り合った野次馬と手を組むことにした。
「ふっ、知れたこと! 貴様は、わたしの愛するこの可憐な」
「よっ、まさかの自分からの不貞の告白!」
「憎いねこの色男!」
ドヤ顔して、なんぞ花畑なことを言い掛けた言葉が、飛んで来た核心的な野次に遮られる。
「婚約者を蔑ろにして育てた不誠実な真実の愛!」
「女泣かせたぁこのことだね!」
「そして、婚約者がいる男に擦り寄るか弱い女!」
「か弱いだぁ? 図太ぇ神経した厚顔女の間違いじゃぁねぇのかい!」
さあ、存分に野次ってもらうから覚悟して頂きますわ。
設定はふわっと。
『腐ったお姉様。伏してお願い奉りやがるから、是非とも助けろくださいっ!?』と、ちょっと繋りあり。『腐ったお姉様~』を読んでなくても大丈夫です。
金喰い虫ですって!? 婚約破棄&追放された用済み聖女は、実は妖精の愛し子でした ~田舎に帰って妖精さんたちと幸せに暮らします~
アトハ
ファンタジー
「貴様はもう用済みだ。『聖女』などという迷信に踊らされて大損だった。どこへでも行くが良い」
突然の宣告で、国外追放。国のため、必死で毎日祈りを捧げたのに、その仕打ちはあんまりでではありませんか!
魔法技術が進んだ今、妖精への祈りという不確かな力を行使する聖女は国にとっての『金喰い虫』とのことですが。
「これから大災厄が来るのにね~」
「ばかな国だね~。自ら聖女様を手放そうなんて~」
妖精の声が聞こえる私は、知っています。
この国には、間もなく前代未聞の災厄が訪れるということを。
もう国のことなんて知りません。
追放したのはそっちです!
故郷に戻ってゆっくりさせてもらいますからね!
※ 他の小説サイト様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる