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第1章
サブストーリー ~天使の日常~
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私はフィオナ=ルーシェ。
魔法学園に通う一年生。
誰かを救える魔法使いになりたくてこの魔法学園へやってきました。
……私は幼い頃の記憶があまりありません。
正確には今の義両親のところで住むことになる以前までの記憶が。
ぽっかりと抜け落ちるようになくなっているのです。
義両親は優しい人達です。ですが、記憶について聞くと、忘れるほど辛い記憶なのだ、そっとしておきなさい。そう言って詳しくは教えてくれませんでした。
ただ、私達の生まれ育った家は不幸な事故があり、昔から関わりがあった今の義両親が引き取ったとのこと。
小さい頃はそれで納得していたけれど、大きくなってからはもう少し知りたくて調べてみたことがあります。
とはいっても、あまり詳しいことは分からず。昔の事件をまとめた書類に、はぐれ魔術師が私たちの家へ押入り、屋敷の人たち全員を惨殺したとの記録が残っているだけでした。
恐らくそれが真実でしょう。ですが、私は違和感を覚えました。きっとその場に私はいたはずです。唯一の生き残りなのだから。では、事実は一体どうなのだろうか?
謎は深まるばかりです。
それはさておき、私一人が生き残った経緯に一人の魔法使いが私を助けてくれたことが大きな要因です。
その方はクレアメンスさん。初老のおじいちゃんなんですが、とっても魔法に詳しいすごい人なんです。大賢老と呼ばれているそうです。
何を隠そう、この学園に私を推薦し、学費面でも援助してくれている大恩人。
誰かを傷つける魔法使いもいれば、救う魔法使いもいる。
私はクレアメンスさんみたいになりたくて今日も魔法の勉強に勤しんでいます。
「おはよう! シェリア」
学校へ行く途中にシェリアの後ろ姿を見かけ、その背中に声をかけます。
「おはよう、フィオナ。今日も可愛いわね。」
「な、何を言ってるのよ。シェリアったら。」
彼女はシェリア。私のこの学園初めてのお友達。銀色の髪と赤い目が特徴なとっても美人な女の子。
クールな見た目と言動で誤解されがちだけど、とっても優しい女の子です。シェリアは私のことを
かわいい
天使みたい
などというけど、シェリアだってとても綺麗で美人だわ。
そうね、例えるなら……。
色とりどりの花が咲く中、一本だけ立っているアシリエの木。私の故郷でしか見られない珍しい樹木。赤い花が年中咲いていて妖しくも美しい不思議な木。
「おはよう、フィオナ。シェリア。」
「おはようございます。スウォン先輩。」
「……おはようございます。」
彼はスウォン先輩。この学園の生徒会長も務める成績優秀なとてもすごい先輩。
最初は怖い先輩だな、と思っていたのだけど彼なりの思いや考えを話すうちに仲良くなりました。今では、とっても尊敬しています。
……内緒だけど、私は先輩に片思いをしています。彼の優しさに触れるうちに彼のことを好きになっていました。でも、私には高望み、分不相応。だからこうして近くで見ているだけで幸せなんです。
ふと、スウォン先輩と目が合いました。
ニコッと笑いかけてくれる先輩。ああ、幸せだなあ。
「女友達同士で仲良く登校してるのを割り込んでくるなんて、会長さんはデリカシーがないんですね。」
「ふん、同性だけで集まるのは結構だが、そのような固まった価値観ではそれ以上の向上は阻まれるな。シェリア。」
ひゅおおおおおお
そんな効果音が聞こえてきそう……。
何だか、シェリアとスウォン先輩は最近とても仲が悪くなったような気がします。何故でしょうか。
二人ともとても実力者なので見ていて迫力があります。この二人ならきっとお付き合いされても釣り合うんだろうな……。
「お二人とも、二人並んでいるととてもお似合いですね。」
「はぁっ?!」
「は?」
二人は同時に返事をしてこっちを見ました。息もぴったりです。
「フィオナ、残念だけど、それだけはないわ。」
「お前のその天然は愛らしいが、たまに憎らしくもなるよ……。」
二人ともやれやれといった風にため息をつきます。何かおかしなことを言ってしまったのでしょうか?
そのあと、色々説明されましたが、結局意味がよく分からず、そのまま私達は各々自分のクラスへと行きました。
「さて、皆さん。いよいよ明日から中間試験が始まるよ。明日は筆記試験だけど、明後日は実技で校庭に集合だから注意するようにしてね。」
キリト先生が明日からの試験について説明して下さっています。
なるべく、いい点数を取って立派な魔法使いにならなくては。
この学校は試験の結果次第で特待生として学費免除の特典がある。入学試験では特待生は逃してしまったけれど、クレアメンスさんのためにも少しでも負担を減らしたい。頑張らなきゃ!
結果、筆記試験の出来はなかなか上々。
あとは実技テストだけです。ですが、問題は実技試験。
私は魔法が苦手なのでした。
魔法使いにあるまじき弱点です……。
魔力テストでは好反応が出るのに、実際に使うとなると何故か発動できません。きっと、私の修行が足りないんだ。そう思って日夜練習しましたが、一向に成果が出ませんでした。
ですか、そんな私に青天の霹靂。
シェリアちゃんがアドバイスをくれたんです。
自分で魔法を発動できないなら、誰かの魔法を増幅してはどうかと。
実際に試すとかなりな効果が出ました。スウォン先輩と特に相性がいいらしく、最近はもっぱら先輩と練習することが多くなりました。
明日は先輩の魔力のサポートを全面的にしていこうと思います!
頑張るぞ~!
魔法学園に通う一年生。
誰かを救える魔法使いになりたくてこの魔法学園へやってきました。
……私は幼い頃の記憶があまりありません。
正確には今の義両親のところで住むことになる以前までの記憶が。
ぽっかりと抜け落ちるようになくなっているのです。
義両親は優しい人達です。ですが、記憶について聞くと、忘れるほど辛い記憶なのだ、そっとしておきなさい。そう言って詳しくは教えてくれませんでした。
ただ、私達の生まれ育った家は不幸な事故があり、昔から関わりがあった今の義両親が引き取ったとのこと。
小さい頃はそれで納得していたけれど、大きくなってからはもう少し知りたくて調べてみたことがあります。
とはいっても、あまり詳しいことは分からず。昔の事件をまとめた書類に、はぐれ魔術師が私たちの家へ押入り、屋敷の人たち全員を惨殺したとの記録が残っているだけでした。
恐らくそれが真実でしょう。ですが、私は違和感を覚えました。きっとその場に私はいたはずです。唯一の生き残りなのだから。では、事実は一体どうなのだろうか?
謎は深まるばかりです。
それはさておき、私一人が生き残った経緯に一人の魔法使いが私を助けてくれたことが大きな要因です。
その方はクレアメンスさん。初老のおじいちゃんなんですが、とっても魔法に詳しいすごい人なんです。大賢老と呼ばれているそうです。
何を隠そう、この学園に私を推薦し、学費面でも援助してくれている大恩人。
誰かを傷つける魔法使いもいれば、救う魔法使いもいる。
私はクレアメンスさんみたいになりたくて今日も魔法の勉強に勤しんでいます。
「おはよう! シェリア」
学校へ行く途中にシェリアの後ろ姿を見かけ、その背中に声をかけます。
「おはよう、フィオナ。今日も可愛いわね。」
「な、何を言ってるのよ。シェリアったら。」
彼女はシェリア。私のこの学園初めてのお友達。銀色の髪と赤い目が特徴なとっても美人な女の子。
クールな見た目と言動で誤解されがちだけど、とっても優しい女の子です。シェリアは私のことを
かわいい
天使みたい
などというけど、シェリアだってとても綺麗で美人だわ。
そうね、例えるなら……。
色とりどりの花が咲く中、一本だけ立っているアシリエの木。私の故郷でしか見られない珍しい樹木。赤い花が年中咲いていて妖しくも美しい不思議な木。
「おはよう、フィオナ。シェリア。」
「おはようございます。スウォン先輩。」
「……おはようございます。」
彼はスウォン先輩。この学園の生徒会長も務める成績優秀なとてもすごい先輩。
最初は怖い先輩だな、と思っていたのだけど彼なりの思いや考えを話すうちに仲良くなりました。今では、とっても尊敬しています。
……内緒だけど、私は先輩に片思いをしています。彼の優しさに触れるうちに彼のことを好きになっていました。でも、私には高望み、分不相応。だからこうして近くで見ているだけで幸せなんです。
ふと、スウォン先輩と目が合いました。
ニコッと笑いかけてくれる先輩。ああ、幸せだなあ。
「女友達同士で仲良く登校してるのを割り込んでくるなんて、会長さんはデリカシーがないんですね。」
「ふん、同性だけで集まるのは結構だが、そのような固まった価値観ではそれ以上の向上は阻まれるな。シェリア。」
ひゅおおおおおお
そんな効果音が聞こえてきそう……。
何だか、シェリアとスウォン先輩は最近とても仲が悪くなったような気がします。何故でしょうか。
二人ともとても実力者なので見ていて迫力があります。この二人ならきっとお付き合いされても釣り合うんだろうな……。
「お二人とも、二人並んでいるととてもお似合いですね。」
「はぁっ?!」
「は?」
二人は同時に返事をしてこっちを見ました。息もぴったりです。
「フィオナ、残念だけど、それだけはないわ。」
「お前のその天然は愛らしいが、たまに憎らしくもなるよ……。」
二人ともやれやれといった風にため息をつきます。何かおかしなことを言ってしまったのでしょうか?
そのあと、色々説明されましたが、結局意味がよく分からず、そのまま私達は各々自分のクラスへと行きました。
「さて、皆さん。いよいよ明日から中間試験が始まるよ。明日は筆記試験だけど、明後日は実技で校庭に集合だから注意するようにしてね。」
キリト先生が明日からの試験について説明して下さっています。
なるべく、いい点数を取って立派な魔法使いにならなくては。
この学校は試験の結果次第で特待生として学費免除の特典がある。入学試験では特待生は逃してしまったけれど、クレアメンスさんのためにも少しでも負担を減らしたい。頑張らなきゃ!
結果、筆記試験の出来はなかなか上々。
あとは実技テストだけです。ですが、問題は実技試験。
私は魔法が苦手なのでした。
魔法使いにあるまじき弱点です……。
魔力テストでは好反応が出るのに、実際に使うとなると何故か発動できません。きっと、私の修行が足りないんだ。そう思って日夜練習しましたが、一向に成果が出ませんでした。
ですか、そんな私に青天の霹靂。
シェリアちゃんがアドバイスをくれたんです。
自分で魔法を発動できないなら、誰かの魔法を増幅してはどうかと。
実際に試すとかなりな効果が出ました。スウォン先輩と特に相性がいいらしく、最近はもっぱら先輩と練習することが多くなりました。
明日は先輩の魔力のサポートを全面的にしていこうと思います!
頑張るぞ~!
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