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しおりを挟む「ぼ、僕は、篠原 蓮です。よろしくお願いします」
「年齢は?」
「18歳です。あと半年で、19歳になります」
そう言うと、巴はくすりと笑った。
「精一杯、大人になりたいお年頃だな」
私は36歳だ、と巴は告げた。
36歳。
蓮には、それがひどく大人に感じられた。
(そして、加賀さんはアルファだな。きっと)
全身から発するオーラが、周囲のだれより輝いている。
力強く、圧してくる。
(僕とは、全然違う)
痩せて小さく、貧弱なオメガの僕。
髪はぱさぱさで、爪も薄くて。
だが巴は、そんな蓮に優しい言葉をかけた。
「一目で君が気に入ったよ。とても、魅力的だ」
「み、魅力的……」
そんな風に言ってもらったこと、初めて。
輝いた蓮の瞳に気づいた五木が、明るい声を上げた。
「さあ、撮影を始めよう! ぐずぐずしてると、日が暮れてしまうよ!」
そして、海辺の撮影が始まった。
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