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しおりを挟む海から街中の事務所に戻り、蓮は五木に軽い説明を受けていた。
「画像は有料配信で、アダルトサイトに投稿される。閲覧数が伸びれば、ボーナスも払えるよ」
「ボーナス、ですか!」
「まぁ、期待半分、くらいの気持ちでいてよ」
「はい……」
ところがそんな蓮の前に、分厚い封筒が差し出された。
「これ。臨時ボーナス!」
「え!?」
驚く蓮に、五木はニヤケ顔だ。
「加賀さんから、君への支度金だって。良いもの食べて、良い服着なさい、ってさ」
「そんな」
僕は、この撮影が終わったら、辞めるつもりでいたのに!
「スタッフにも、それぞれ金一封が贈られてさぁ。まさに金の卵だね、君は!」
大金の入った封筒を手に、蓮は浮かれる五木を見ていた。
(辞めます、なんて言い出しにくいな……)
それに、加賀さん。
優しい人とは思うが、まだ謎めいた人物だ。
(あの人と時々会えるのなら、モデルを続けてもいいかな……)
そんな風に気持ちが傾きかけた時、スタッフの一人がやって来た。
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