私は推しに恋してる ～元・組長アルファ×薄幸オメガ少年 彼を推しているのは私一人でないことは解っているんだが～

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　舞台挨拶と共に映画は封切られ、蓮は大勢の人間の目に触れることとなった。
　もちろん、初めは有名俳優の尾崎を観に、映画館へ足を運ぶ者もいた。
　しかし、蓮の初々しい輝きは、多くの観衆を魅了した。
　映画評論家の声も、好意的だ。

『尾崎と篠原の共演は、心地よいハーモニーを奏でているようだ』

　辛口で有名なライターも、このように好感をもって綴ってくれた。
　この国の美しい自然や、四季。
　それらをバックに、監督・五木は細やかな人の心を表現していた。
　その中で動く蓮は、たちまちのうちに多数の人間の推しになった。

「篠原 蓮、いいよね」
「映画、2回も観ちゃったよ」
「ドラマとか、出ないのかなぁ」

　彼の今後を、楽しみに待つ人間も多くいた。