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しおりを挟む「しかし、食事を摂らなかったり、睡眠時間を短くしたりすることは、感心できないな。健康を害する」
哲郎は、医師らしい考えを示した。
「そうですな。響也さまが御病気にでもなられれば、本末転倒」
「麻衣さまと過ごすお時間を取り入れたスケジュールを、新しく組んでいただく必要があります」
岩倉も服部も、哲郎の意見には賛成だ。
だがしかし。
「新しいスケジュール、とは言っても。削れるような執務はあられませんぞ」
「一体どうすれば、麻衣さまとの時間を捻出できますやら……」
困ってしまった執事二人に、哲郎が手を挙げた。
「いっそのこと、一年間あのワーカホリックから、仕事を全部取り上げちゃったらどうです?」
まるで簡単に、飄々と吐かれたこの言葉に、岩倉も服部も大声を上げた。
「そんな無茶な! 響也さまのスケジュールは、向こう三年間はぎっしり詰まっておいでです!」
「響也さまの代わりを務められる人材も、おりません!」
わあわあと騒ぐ二人に、哲郎は静かに首を横に振った。
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