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しおりを挟む半ば朦朧とし始めた心と体を何とか動かし、志乃は章に必死で告げた。
「章さん。章さん、僕……」
「どうしたの?」
章は、ふと不安になった。
志乃の体は、最高に具合が良かった。
あまり夢中にのめり込み過ぎて、彼を傷つけたかもしれない、と。
しかし、志乃は絡め合った指に力をこめ、爪を立てて訴えた。
「気持ち、いぃ。気持ちいいよぅ、章さん……!」
好きな人とのエッチが、こんなに気持ちいいものだなんて、知らなかった。
そう言って、志乃は目尻に涙を握ませながら、腰を波打たせた。
「ね、お願い。一緒に。一緒に、イきたい!」
「うん」
できるかどうかは解らなかったが、章は志乃の動きに併せて腰をやった。
すでに彼は何度も射精し、下半身がぬるぬるになってしまっている。
「は、あぁ! あ、あ、あぁ! く、来る。来ちゃう、章さん、ッん!」
大きく背を反らす志乃の体が、震える。
章もまた、吐精の昂ぶりを覚えた。
「章さん、あぁ! 僕、僕、イッ……! はぁ、あぁああ!」
「志乃くんッ」
志乃が弾けると同時に、章は自分を解放した。
熱い濁流が、志乃の体内へと注ぎ込む。
スキンを着けてはいるが、その薄い膜を響かせて、章の熱は志乃へと渡された。
「……ッ! あぁ、あ。あぁ、うぅあ、は、あぁ、あぁあん!」
両脚を章の腰に絡ませて、志乃は最高のエクスタシーに酔いしれた。
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