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しおりを挟む事務所に出向いた二人を見て、マネージャーは顔を曇らせた。
特に、章を見て。
「失礼ですが、志乃くんとはどういったご関係ですか?」
「私は、志乃くんの友人です」
それには、苦笑するマネージャーだ。
「友人、ねぇ」
この仕事を辞めたい、と言ってくるスタッフは、志乃の他にもこれまで何人もいた。
そして、その多くは。
「正直に、志乃くんとデキちゃったんです、と言ったらどうです?」
さすが、この界隈を長年取り仕切って来た男だ。
一目で章を、志乃の恋人だと見抜いてしまった。
「恋人ができたので、もう辞めたい、という子は大勢いますよ」
結論から言えば、とマネージャーは笑みを作った。
「契約途中でも退職することは、可能です」
パッと、志乃の表情が明るくなった。
章も、彼と顔を見合わせ、うなずいた。
だが、マネージャーは、話を続けた。
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