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しおりを挟むかたん、かたん、とジェットコースターはゆっくり昇って行く。
「あぁ、もうドキドキして死にそう!」
「なぁ、露希。もう、今から降ろしてください、って言ってもダメなのかな?」
頂点へ昇りつめたコースターは、やがて物凄い勢いで下り始めた。
「わぁあああ!」
「……!」
地面へ突き刺さるくらい落ちた後には、捻じれ、また天まで上昇し、回転する。
再び落ちて、急上昇し、ぐるぐる回る。
「わぁあ! すっごい、楽しい! うぁあああ!」
「……!」
「ね! 誠さん、面白いね! ね、誠さん!」
「……!」
やがて嵐のようなコースターはその役目を終えて、静かにターミナルへと戻ってきた。
「あぁ、怖かった! でも、誠さんはすごいね。僕いっぱい悲鳴上げたのに、誠さんは全然声出してなかったもん!」
「……まぁ、大人だからな」
その実、あまりの恐怖に声も出せませんでした、とは口が裂けても言えない誠だ。
「ね、もう一回乗ろうよ!」
「いや、少し休もう。ゴーカートなんかどうだ?」
ふらつく足取りで、誠は露希をジェットコースターから遠ざけた。
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