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第二部 第一一章 脱出行
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庭園の中央にある噴水の辺りにまで駆けだすと、俺の気配を察した魔物たちがこちらに向けて一斉に集まってきていた。
「お前らはこっちに来いっ!」
メリーたちが駆け抜ける時間を稼ぐため、集まってきた魔物たちを引き連れ、脱出用の階段から離れた方へ誘導していった。
冒険者ゾンビ、スケルトンウォーリアー、ワイト、レッサーヴァンパイア、レイス、ヴァンパイアといった魔物たちが俺に群がってきている。
五〇体近い魔物が俺を取り囲み、攻撃する隙を伺っていた。
「くっそ、数が多いな。魔法とか使えたらな……」
「わふうぅ(使えますよ。グレイズさんはなんせ神様候補の超越者ですからね。剣でも魔法でもなんでも人並み以上に使えるようになっていますからねー)」
出口に退避するためにメリーたちのもとにいたはずのハクが俺の隣に来ていた。
「マジで俺は魔法使えるのか?」
「わふ、わふ、わふん。(ええ、使えますよ。それも、無詠唱でイメージするだけで発動するスペシャル仕様の魔法です。ただ、神格がまだ低いから強力な魔法は使えませんけどね。試しにアウリースさんが発生させた火球をイメージしてください)」
「イメージだと。思い浮かべるだけでいいのか?」
ハクに言われるがまま脳内にアウリースが発動させた時にできる火球をイメージしていく。
すると、手のひらにほんのりと温かさを感じた。
見ると、手のひらに脳内でイメージした火球が浮かび上がっているのが見えた。
「おわっ! 火球が」
急に現れた火球に慌ててしまい、手から振り落とそうとすると、ハクが俺の足を引っ張る。
「わふうん! (危ないですから、早く敵に向かって投げてくださいね)」
ハクに言われたように手に現れた火球を敵が密集している場所に向けて全力で投げ捨てる。
ゴウゥという空気を切り裂く音を立てて飛び出していった火球は、魔物が密集した場所に落ちると爆発的な暴風と熱と火柱を発生させ周囲を真っ赤に染め上げていた。
熱と炎を伴った爆風が周囲にいた魔物たちを次々に消し炭にしていく。
身じろぎするような熱風が俺の頬を掠めて通り過ぎていった。
「わふぅううう!! (ヒャッハー! 汚物は消毒だぁーー!! ナイスゥ! グレイズ殿、初魔法の場面しっかりとアクセルリオン神に送らせてもらいましたからね)」
足元でハクが尻尾をパタパタと嬉しそうに振り、煌々と燃える魔物たちを見つめていた。
ちょ、ちょっと待て。明らかに威力がおかしいぞ。五〇体はいた魔物が爆風とその後の火炎で消し炭になっているぞ。
俺は自らが放った魔法の威力に焦っていた。明らかに魔物をオーバーキルした威力を発揮しているのだ。
深層階の魔物が中級魔法一発で消し炭になるわけがない。明らかに通常の魔法とは威力が違い過ぎた。
焼け焦げた魔物の死体が次々に白煙を上げてドロップ品に変化していくのが見て取れた。
「ハク、これは一体。普通の魔法じゃないだろ。これ」
「わふう。(普通の魔法ですよー。ただ、グレイズ殿のステータスが上乗せされて威力が上がっていますからね)」
改めて自分のぶっ放した魔法の威力を確認する。真紅の庭園の半分は吹き飛び原型を留めないほど破壊されているようだ。
下手な場所でぶっ放すと味方ごと巻き込みかねない威力に戦慄を覚えた。
大概、人外だと思っていたが、魔法までも人として規格外の威力をもっていたのだ。
「すげえ音がしたから心配で来てみたら、なんすか! これ全部グレイズさんがやったんすか! マジ、スゲエ! パネェっすよ。グレイズさん」
いつの間にかジェネシスが俺の背後に現れて、惨憺たる状況になっている死の庭園を見て、驚いた声を上げていた。
「あ、いや。うん、まぁ、俺がやったことらしい。事故だ。事故。こうなるとは思わなかったんだぞ」
なんか相手が魔物であったが、やり過ぎた感を感じてしまい、ジェネシスの称賛に対して思わず他人事みたいな返事をしていた。
「わふうう。(神様になる予定なんですから、これくらいは使いこなせないと駄目ですよ)」
「グレイズさん、魔法も使えるんすねっ! マジ、尊敬しますわー。すげえぇ。あっ! でも、この庭園にいた魔物はさっきので消し炭なったんなら、ドロップ品集めましょうぜ。それくらいの時間はあるっすよね」
ジェネシスが俺の倒した魔物たちが変化したドロップ品を集めるため、がれきの山となった着弾地点へ駆けていく。
「おい、ジェネシス。まだ、生き残りが居るかもしれんから一人で行くなっ!」
がれきの山となった死の庭園だが、ダンジョン内は時間経過とともに損傷した箇所も自然に修復していくので、ある程度時間が経てば、この庭園も先ほどのように気味の悪い木々が茂るように修復されるはずであった。
「わふうぅ。(あっ、グレイズ殿、待ってください。あたしも行きます)」
俺はジェネシスとドロップ品を集めるため魔物たちが散華した場所へと向かうことにした。
「お前らはこっちに来いっ!」
メリーたちが駆け抜ける時間を稼ぐため、集まってきた魔物たちを引き連れ、脱出用の階段から離れた方へ誘導していった。
冒険者ゾンビ、スケルトンウォーリアー、ワイト、レッサーヴァンパイア、レイス、ヴァンパイアといった魔物たちが俺に群がってきている。
五〇体近い魔物が俺を取り囲み、攻撃する隙を伺っていた。
「くっそ、数が多いな。魔法とか使えたらな……」
「わふうぅ(使えますよ。グレイズさんはなんせ神様候補の超越者ですからね。剣でも魔法でもなんでも人並み以上に使えるようになっていますからねー)」
出口に退避するためにメリーたちのもとにいたはずのハクが俺の隣に来ていた。
「マジで俺は魔法使えるのか?」
「わふ、わふ、わふん。(ええ、使えますよ。それも、無詠唱でイメージするだけで発動するスペシャル仕様の魔法です。ただ、神格がまだ低いから強力な魔法は使えませんけどね。試しにアウリースさんが発生させた火球をイメージしてください)」
「イメージだと。思い浮かべるだけでいいのか?」
ハクに言われるがまま脳内にアウリースが発動させた時にできる火球をイメージしていく。
すると、手のひらにほんのりと温かさを感じた。
見ると、手のひらに脳内でイメージした火球が浮かび上がっているのが見えた。
「おわっ! 火球が」
急に現れた火球に慌ててしまい、手から振り落とそうとすると、ハクが俺の足を引っ張る。
「わふうん! (危ないですから、早く敵に向かって投げてくださいね)」
ハクに言われたように手に現れた火球を敵が密集している場所に向けて全力で投げ捨てる。
ゴウゥという空気を切り裂く音を立てて飛び出していった火球は、魔物が密集した場所に落ちると爆発的な暴風と熱と火柱を発生させ周囲を真っ赤に染め上げていた。
熱と炎を伴った爆風が周囲にいた魔物たちを次々に消し炭にしていく。
身じろぎするような熱風が俺の頬を掠めて通り過ぎていった。
「わふぅううう!! (ヒャッハー! 汚物は消毒だぁーー!! ナイスゥ! グレイズ殿、初魔法の場面しっかりとアクセルリオン神に送らせてもらいましたからね)」
足元でハクが尻尾をパタパタと嬉しそうに振り、煌々と燃える魔物たちを見つめていた。
ちょ、ちょっと待て。明らかに威力がおかしいぞ。五〇体はいた魔物が爆風とその後の火炎で消し炭になっているぞ。
俺は自らが放った魔法の威力に焦っていた。明らかに魔物をオーバーキルした威力を発揮しているのだ。
深層階の魔物が中級魔法一発で消し炭になるわけがない。明らかに通常の魔法とは威力が違い過ぎた。
焼け焦げた魔物の死体が次々に白煙を上げてドロップ品に変化していくのが見て取れた。
「ハク、これは一体。普通の魔法じゃないだろ。これ」
「わふう。(普通の魔法ですよー。ただ、グレイズ殿のステータスが上乗せされて威力が上がっていますからね)」
改めて自分のぶっ放した魔法の威力を確認する。真紅の庭園の半分は吹き飛び原型を留めないほど破壊されているようだ。
下手な場所でぶっ放すと味方ごと巻き込みかねない威力に戦慄を覚えた。
大概、人外だと思っていたが、魔法までも人として規格外の威力をもっていたのだ。
「すげえ音がしたから心配で来てみたら、なんすか! これ全部グレイズさんがやったんすか! マジ、スゲエ! パネェっすよ。グレイズさん」
いつの間にかジェネシスが俺の背後に現れて、惨憺たる状況になっている死の庭園を見て、驚いた声を上げていた。
「あ、いや。うん、まぁ、俺がやったことらしい。事故だ。事故。こうなるとは思わなかったんだぞ」
なんか相手が魔物であったが、やり過ぎた感を感じてしまい、ジェネシスの称賛に対して思わず他人事みたいな返事をしていた。
「わふうう。(神様になる予定なんですから、これくらいは使いこなせないと駄目ですよ)」
「グレイズさん、魔法も使えるんすねっ! マジ、尊敬しますわー。すげえぇ。あっ! でも、この庭園にいた魔物はさっきので消し炭なったんなら、ドロップ品集めましょうぜ。それくらいの時間はあるっすよね」
ジェネシスが俺の倒した魔物たちが変化したドロップ品を集めるため、がれきの山となった着弾地点へ駆けていく。
「おい、ジェネシス。まだ、生き残りが居るかもしれんから一人で行くなっ!」
がれきの山となった死の庭園だが、ダンジョン内は時間経過とともに損傷した箇所も自然に修復していくので、ある程度時間が経てば、この庭園も先ほどのように気味の悪い木々が茂るように修復されるはずであった。
「わふうぅ。(あっ、グレイズ殿、待ってください。あたしも行きます)」
俺はジェネシスとドロップ品を集めるため魔物たちが散華した場所へと向かうことにした。
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