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第1部
#19 ノア・フィリア編
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まただ。また、フィリアを見失ってしまった。
「フィリア……? フィリア! ……どこにいるの」
僕はどうして、いつもこうなんだろう。フィリアに何かあったらと思うと、それだけで僕はひどく焦る。
──側に……置いて……ないのなら。
「……いた!」
フィリアは僕に気がつく様子もなく、グラスを傾けてその液体を眺めている。
「フィリア! 勝手にどっか行かないでよ……」
「あら、そんなに心配しなくても、フィリアはいなくなったりしませんわ」
フィリアはグラスをテーブルに置くと、両手を腰に当てて、僕に満面の笑みを向けた。
──殺せよ、早く。
「そうじゃない! そうじゃなくて……」
僕は彼女を力いっぱいに抱きしめた。きっとフィリアは痛がるだろうけれど。何故だか、そうしたいと思わずにはいられなかった。
「ちょっと……ノア!? やめて下さい、こんな所で……は、恥ずかしい、ですわ……」
「お願いだから、僕の傍にいて。君を守るのが、僕の役目なんだから」
桃色のお団子ヘアが、言わば彼女のトレードマーク。だけれど、今はセミロングの髪を肩まで降ろして、横の髪を後ろで一つに束ねている。
少し大人びた彼女の潤んだ瞳、赤く染まった頬、驚きを隠せない口元。
こんなに綺麗な彼女を見られるのは、これが最後かもしれない。思わず僕は安堵して溜め息を付いた。
「もう……急にどうしたんですの? ノアはフィリアの召使い。ですから、ずっと一緒は当然の義務ですわ」
「……うん、そうだね」
──殺したい……今すぐ……僕が。
「ふふ。さあノア、フィリアに食後の紅茶を注いで下さいまし。一緒に舞踏会を楽しみますわよ!」
「わかった……わかったよ」
「フィリア……? フィリア! ……どこにいるの」
僕はどうして、いつもこうなんだろう。フィリアに何かあったらと思うと、それだけで僕はひどく焦る。
──側に……置いて……ないのなら。
「……いた!」
フィリアは僕に気がつく様子もなく、グラスを傾けてその液体を眺めている。
「フィリア! 勝手にどっか行かないでよ……」
「あら、そんなに心配しなくても、フィリアはいなくなったりしませんわ」
フィリアはグラスをテーブルに置くと、両手を腰に当てて、僕に満面の笑みを向けた。
──殺せよ、早く。
「そうじゃない! そうじゃなくて……」
僕は彼女を力いっぱいに抱きしめた。きっとフィリアは痛がるだろうけれど。何故だか、そうしたいと思わずにはいられなかった。
「ちょっと……ノア!? やめて下さい、こんな所で……は、恥ずかしい、ですわ……」
「お願いだから、僕の傍にいて。君を守るのが、僕の役目なんだから」
桃色のお団子ヘアが、言わば彼女のトレードマーク。だけれど、今はセミロングの髪を肩まで降ろして、横の髪を後ろで一つに束ねている。
少し大人びた彼女の潤んだ瞳、赤く染まった頬、驚きを隠せない口元。
こんなに綺麗な彼女を見られるのは、これが最後かもしれない。思わず僕は安堵して溜め息を付いた。
「もう……急にどうしたんですの? ノアはフィリアの召使い。ですから、ずっと一緒は当然の義務ですわ」
「……うん、そうだね」
──殺したい……今すぐ……僕が。
「ふふ。さあノア、フィリアに食後の紅茶を注いで下さいまし。一緒に舞踏会を楽しみますわよ!」
「わかった……わかったよ」
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