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I think you(何してるの?) 1
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怪我が完治して、人里から帰ってきて七日。
頑張って採取してきた木の実や山菜を両手いっぱいに抱えて巣に戻ってきたラヴィは、それらを保存用の素焼きの壺にしまって満足そうに微笑んだ。
嗅ぎ慣れた土の匂いのする自分の巣に戻ると、なんだかホッとする。
怪我のせいで半月の間も巣を留守にしていたから、蓄えていた食料のうち山菜などの足のはやい食べ物は全部腐っていて食べられなくなっていた。
けれど今は実りの秋の真っ最中。
山の中は熟れた果実の匂いが充満していて、山全体が木の実や果実の宝物庫のようになっている。
今日はラヴィが好物としている栗の実やあけびの実がたくさん採れた。
ひとりでは食べきれないほどの食料を集められたことに幸せを感じながら、ふぅと一息つく。
「えへへ、やっと壺がいっぱいになった」
ラヴィは壺から零れた栗の実を拾いながら、いつも通りの生活に戻れたことを喜んだ。
やっぱり山の生活はいい。
心からそう思う。
狼やイタチに追いかけられる危険はあるけど、それだって人里に下りる危険に比べればたいしたことはない。
「あれは怖かったなぁ……」
ラヴィは人間に襲われた時のことを思い出してぷるりと体を震わせた。
里の人間に傷を負わされたおでこを手で擦ってみる。
あの時は満足に動くこともできないくらいの満身創痍だったけれど、今ではもう僅かな傷痕すらない。
「純血の人間では有り得ない回復力だな。小っこくてもさすがアニオンってことろか」
動けるようになるまで最低一ヶ月はかかるとみていた人間のオスは、たった半月で全快したラヴィの驚異的な回復力を見せつけられて苦笑いしていた。
すっかり元気を取り戻したラヴィは、人間にお礼を言って山に戻り、こうして日常に戻っている。
日常といっても秋は忙しい。
去年の冬は充分な食料を確保してなかったので食料を早々に食べ尽くしてしまい、木の根を囓ってなんとか飢えを凌ぎつつ春を待った。
「今年はそんな失敗をしないようにしないと」
ラヴィは自分に言い聞かせるように独り言を呟くと、満腹するよりもちょっと少ない量の食べ物を抱えて巣の奥に行き、寝床にしている干し草の上に腰を降ろした。
コリコリ……コリコリ……。
干し草の上で膝を抱えながら栗の実を囓ると、栗を食む音がやけに大きく聞こえた。
ラヴィの巣は体の小さなラヴィでも両手を伸ばせば両方の壁に触れられるくらい幅が狭くて長細いトンネル状になっているから音が反響しやすい。
ラヴィが栗を噛みながら顔を上げると、巣の近くまで戻った時にはまだ明るさを残していた西の空はとっくに星空へと模様替えをしていて、脱出用の穴からは空高く登った月が半分だけ顔を覗かせてラヴィに青白い光を注いでいた。
ほんのりとした甘みが出るまで噛んだ生栗を呑み込んで、足元に置いていたリンゴに手を伸ばしたら、腰を降ろしていた干し草がほんの少しの身動ぎでカサリと音を立てた。
その音がなぜかひどく気になった。
体の動きを止めても巣の中には別の音が滑り込んできた。
遠くでホーホーと鳴くフクロウの声。
チロイ、チロイ、鈴虫の音。
山の木々を通り抜ける風の音。
「今日は静かだな……。小っちゃな音なのに大きく聞こえるよ……」
ひとりきりの生活には慣れているはずなのに、今夜はあまりにも静かすぎて、さっきまでの幸せな気分が急速に萎みはじめた。
「ラチアと食事してると、虫の音も、フクロウの声も聞こえないほどだったのに……」
全くの無音よりも、ひかえめに鳴く虫の声が余計に静かさを際立たせてしまう。
自分の他に誰もいない。
ひとりきり。
それをどうしようもないほど強く実感させられる。
虫の声を聞いているのがだんだんと辛くなってきたラヴィは、リンゴに伸ばしかけていた手を引っ込めて、頭の上にある長い耳の根元をぎゅっと押さえつけた。
「ラチア……今頃なにしてるのかな……」
ラヴィはきつく目を閉ざして、怪我を治してくれた人間のオスの顔を脳裏に思い浮かべた。
助けられた当初、ラヴィは人間を警戒してあまり話さなかった。
人間も無理にコミュニケーションをとろうとはしなかった。
必要な治療を施し、食事を用意し、あとはできるだけラヴィが落ち着けるように距離をとってくれていた。
人間のそんな態度にラヴィは少しずつ警戒のレベルを下げた。
それでも「ありがとう……助けてくれて」と自分から話しかけられるようになったのは二日経ってからだった。
人間は「気にすんな」と少しだけ微笑んだ。
その笑顔はとても自然で、純粋で、この人間はいい人間だと判断するには充分だった。
お互いの名前を知ったのはこの後すぐだった。
人間はラチア・グレゴリーだと名乗った。
ラチアは顔立ちがキレイだけれど、基本の表情がむっつりとした不機嫌顔なのでラヴィは最初それが怖かった。
話し方もなんだかぶっきらぼうで、おばあちゃんのような柔らかい口調でもなかった。
でも、ラチアはとても親切な人間だった。
「どうだ、痛みはひいたか?」とか「ラヴィ、肉は食べられるのか?」とか、何かとラヴィを気遣ってくれた。
おばあちゃんはいつもラヴィに対して無制限に優しい人間だったので『もしかして、ラチアもそうなのかな?』とラヴィは思ったのだけれど、ラチアは外見の怜悧さに反して中身はけっこうイタズラ好きの子供だった。
「お肉はおばあちゃんに食べさせて貰ったことがあるよ。イノシシは臭いがきつくてダメだけど、鹿肉なら好きだよ」って答えたら、その日の晩御飯にイノシシ肉の入った温かいシチューを作ってくれた。
……優しいのかイジワルなのか微妙な人間だった。
「イノシシはイヤだって言ったのに! もう! ラチアなんて嫌いだよ!」
「そうか、そうか、俺が嫌いか。じゃあ早く怪我を治して山に帰るんだな。そのためにも肉はたんと食え。ほら、このゴロンとした塊なんてとても体に良さそうだ」
「ヤー! そんなでっかいのはヤー! ラチアのイジワルー!」
あんなふうに言い合いをしながらの食事は初めてだったけれど、悪い気分じゃなかった。
今こうして思い出しているだけでも気持ちがポカポカしてくる。
「ほんと、ラチアはイジワルなんだから。……えへへっ、でも、楽しかったなぁ」
山に帰ってからの二、三日は大好きな栗の実を食べながらラチアと過ごした日々を思い出すのがラヴィにとって至福の時間だった。
ラチアの事を思い出すだけで自然と頬が緩んで、幸せな気分になれた。
でも……なんだか最近おかしい。なんだか変だ。
「あ、まただ……」
ラヴィは耳を塞いでいた手を離して胸を押さえた。
思い出すのが楽しかったはずなのに、今ではラチアの顔を思い出すと胸がきゅんと痛むようになった。
頑張って採取してきた木の実や山菜を両手いっぱいに抱えて巣に戻ってきたラヴィは、それらを保存用の素焼きの壺にしまって満足そうに微笑んだ。
嗅ぎ慣れた土の匂いのする自分の巣に戻ると、なんだかホッとする。
怪我のせいで半月の間も巣を留守にしていたから、蓄えていた食料のうち山菜などの足のはやい食べ物は全部腐っていて食べられなくなっていた。
けれど今は実りの秋の真っ最中。
山の中は熟れた果実の匂いが充満していて、山全体が木の実や果実の宝物庫のようになっている。
今日はラヴィが好物としている栗の実やあけびの実がたくさん採れた。
ひとりでは食べきれないほどの食料を集められたことに幸せを感じながら、ふぅと一息つく。
「えへへ、やっと壺がいっぱいになった」
ラヴィは壺から零れた栗の実を拾いながら、いつも通りの生活に戻れたことを喜んだ。
やっぱり山の生活はいい。
心からそう思う。
狼やイタチに追いかけられる危険はあるけど、それだって人里に下りる危険に比べればたいしたことはない。
「あれは怖かったなぁ……」
ラヴィは人間に襲われた時のことを思い出してぷるりと体を震わせた。
里の人間に傷を負わされたおでこを手で擦ってみる。
あの時は満足に動くこともできないくらいの満身創痍だったけれど、今ではもう僅かな傷痕すらない。
「純血の人間では有り得ない回復力だな。小っこくてもさすがアニオンってことろか」
動けるようになるまで最低一ヶ月はかかるとみていた人間のオスは、たった半月で全快したラヴィの驚異的な回復力を見せつけられて苦笑いしていた。
すっかり元気を取り戻したラヴィは、人間にお礼を言って山に戻り、こうして日常に戻っている。
日常といっても秋は忙しい。
去年の冬は充分な食料を確保してなかったので食料を早々に食べ尽くしてしまい、木の根を囓ってなんとか飢えを凌ぎつつ春を待った。
「今年はそんな失敗をしないようにしないと」
ラヴィは自分に言い聞かせるように独り言を呟くと、満腹するよりもちょっと少ない量の食べ物を抱えて巣の奥に行き、寝床にしている干し草の上に腰を降ろした。
コリコリ……コリコリ……。
干し草の上で膝を抱えながら栗の実を囓ると、栗を食む音がやけに大きく聞こえた。
ラヴィの巣は体の小さなラヴィでも両手を伸ばせば両方の壁に触れられるくらい幅が狭くて長細いトンネル状になっているから音が反響しやすい。
ラヴィが栗を噛みながら顔を上げると、巣の近くまで戻った時にはまだ明るさを残していた西の空はとっくに星空へと模様替えをしていて、脱出用の穴からは空高く登った月が半分だけ顔を覗かせてラヴィに青白い光を注いでいた。
ほんのりとした甘みが出るまで噛んだ生栗を呑み込んで、足元に置いていたリンゴに手を伸ばしたら、腰を降ろしていた干し草がほんの少しの身動ぎでカサリと音を立てた。
その音がなぜかひどく気になった。
体の動きを止めても巣の中には別の音が滑り込んできた。
遠くでホーホーと鳴くフクロウの声。
チロイ、チロイ、鈴虫の音。
山の木々を通り抜ける風の音。
「今日は静かだな……。小っちゃな音なのに大きく聞こえるよ……」
ひとりきりの生活には慣れているはずなのに、今夜はあまりにも静かすぎて、さっきまでの幸せな気分が急速に萎みはじめた。
「ラチアと食事してると、虫の音も、フクロウの声も聞こえないほどだったのに……」
全くの無音よりも、ひかえめに鳴く虫の声が余計に静かさを際立たせてしまう。
自分の他に誰もいない。
ひとりきり。
それをどうしようもないほど強く実感させられる。
虫の声を聞いているのがだんだんと辛くなってきたラヴィは、リンゴに伸ばしかけていた手を引っ込めて、頭の上にある長い耳の根元をぎゅっと押さえつけた。
「ラチア……今頃なにしてるのかな……」
ラヴィはきつく目を閉ざして、怪我を治してくれた人間のオスの顔を脳裏に思い浮かべた。
助けられた当初、ラヴィは人間を警戒してあまり話さなかった。
人間も無理にコミュニケーションをとろうとはしなかった。
必要な治療を施し、食事を用意し、あとはできるだけラヴィが落ち着けるように距離をとってくれていた。
人間のそんな態度にラヴィは少しずつ警戒のレベルを下げた。
それでも「ありがとう……助けてくれて」と自分から話しかけられるようになったのは二日経ってからだった。
人間は「気にすんな」と少しだけ微笑んだ。
その笑顔はとても自然で、純粋で、この人間はいい人間だと判断するには充分だった。
お互いの名前を知ったのはこの後すぐだった。
人間はラチア・グレゴリーだと名乗った。
ラチアは顔立ちがキレイだけれど、基本の表情がむっつりとした不機嫌顔なのでラヴィは最初それが怖かった。
話し方もなんだかぶっきらぼうで、おばあちゃんのような柔らかい口調でもなかった。
でも、ラチアはとても親切な人間だった。
「どうだ、痛みはひいたか?」とか「ラヴィ、肉は食べられるのか?」とか、何かとラヴィを気遣ってくれた。
おばあちゃんはいつもラヴィに対して無制限に優しい人間だったので『もしかして、ラチアもそうなのかな?』とラヴィは思ったのだけれど、ラチアは外見の怜悧さに反して中身はけっこうイタズラ好きの子供だった。
「お肉はおばあちゃんに食べさせて貰ったことがあるよ。イノシシは臭いがきつくてダメだけど、鹿肉なら好きだよ」って答えたら、その日の晩御飯にイノシシ肉の入った温かいシチューを作ってくれた。
……優しいのかイジワルなのか微妙な人間だった。
「イノシシはイヤだって言ったのに! もう! ラチアなんて嫌いだよ!」
「そうか、そうか、俺が嫌いか。じゃあ早く怪我を治して山に帰るんだな。そのためにも肉はたんと食え。ほら、このゴロンとした塊なんてとても体に良さそうだ」
「ヤー! そんなでっかいのはヤー! ラチアのイジワルー!」
あんなふうに言い合いをしながらの食事は初めてだったけれど、悪い気分じゃなかった。
今こうして思い出しているだけでも気持ちがポカポカしてくる。
「ほんと、ラチアはイジワルなんだから。……えへへっ、でも、楽しかったなぁ」
山に帰ってからの二、三日は大好きな栗の実を食べながらラチアと過ごした日々を思い出すのがラヴィにとって至福の時間だった。
ラチアの事を思い出すだけで自然と頬が緩んで、幸せな気分になれた。
でも……なんだか最近おかしい。なんだか変だ。
「あ、まただ……」
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