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UCLAで出会ったら
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UCLAのキャンパスには、アッカーマン・ユニオンという名の建物がある。
スチューデント・ユニオンのことで、たいていどこの大学でも生徒が一日一回は必ず立ち寄る場所でおなじみだ。本屋からレストランそしてキャンディー・ショップまで、ここにはなんでも揃っている。四階建てですごく大きくて、おまけにヘアサロンまであるなんて、まるでショッピングモールのようだ。
特にブックストア辺りで本を物色していると、友人と遭遇することもめずらしくない。ちょうどカフェテリアから階段を降りてくるとすぐ目に飛び込んでくる場所に、本屋の大きなショウウインドウが位置しているからだ。
冬の到来とともにその入り口付近は、クリスマス・カードやギフト用の商品がディスプレイされて賑やかになる。
この日昼食後、キャメロンのルームメイト、ダニエルは、授業で必要な画材を買いに、スチューデント・ユニオンにやってきた。ついでにカードでも物色しようかと並べられた品々を眺める。目に止まったのはアクリルの透明なキューブの上に、さりげなく置かれていた一枚のクリスマス・カード。それはオフホワイトの紙だけでできた、なんの印刷もない、けれど材質だけは存在感のある手触りの、そして開くと手の中に切り絵が飛び出してくる――そんなさりげないシンプルなカードだった。
ぱっと見は帆船かと思われがちな切り絵は、ウォルト・ディズニー・コンサートホールだ。うねった壁の数々が帆のように膨らんで、カードを開くと、ダウンタウンにある有名なコンサートホールがいきなり3Dになって手の中に出現する。
ディズニーといっても、ミッキーマウスのコンサートが行なわれる場所じゃない。その名をいただく理由は、ディズニー夫人、家族、それにディズニー・カンパニーを合わせて一・六億万ドル――建物総工費の半分以上――もの資金の寄付に基づいて建てられたからだ。
ダウンタウンにあるコンサートホールはLAフィルの本拠地で、クラシックを中心に、コンテンポラリーやジャズが演奏されている。設計はフランク・ゲーリー、そして豊田泰久の担当した木製パネルの音響効果は世界最高峰と言われていた。
「うお!」
おさえきれない感動で、思わずカードを手に取ったダニエルは、自分の抱えていた大判のスケッチブックが後ろのディスプレイにぶつかって、別のカードを落としてしまったことに気づかなかった。
「あ?」
ハニーブロンドの女の子が、流れるような滑らかな動作で、それを拾ってそっと棚に戻す。振り向いた彼は、自分がぶつかったせいだと自覚した。
「あ、ごめん気づかなかった。拾ってくれ……たんだよね? ありがと」
「どういたしまして」
そう微笑んだ彼女は、大きな瞳のきらめく女の子だった。
あれっ? なんか……なんか今、聞こえた……ような気がした。
クリスマスの飾りの、キラっと光る音……。オレの目は、アッカーマン・ユニオンを斜めに突っ切る途中、ふとブックストアに引きつけられていった。
――あれ? ダニエルじゃん。
そこにいたのはルームメイトのメガネ男子と、もう一人その向こうに立ってるのは、吹き抜けの天井からこぼれてくるきらめきを全身に受けた……ひと。ってか、女の子。
ん? えっ、お、女の子って? あれは……?
「あ、キャメロン!」
ダニエルはオレを見つけて、嬉しそうに手を振っている。
「あ……の、君は……」
オレの言葉が、途切れ途切れになった。だってその女の子は、こっちを見上げると恥ずかしそうに、でもふんわり優しい笑顔を浮かべたから。
「あ、あの、ツリーを届けてくれた……人?」
「し、信じられない。君もここの学生だったんだ?」
「ん、ええ……っと、まだ一年生(フレッシュマン)だけど」
「オレ、キャメロン。二年生(ソフォモア)」
「あ、私シャーリーン」
シャーリーン……、それは古典英語で「輝く明るい草原」という意味の……、なんてきれいな響きの名前。
彼女が手をそっと差し出したんで、オレも軽くそっと握手を返す。
ダニエルはといえば、初対面のはずなのに、そうでもなさそうな雰囲気のオレと彼女を、不思議そうにただ眺め続けてた。そして、突然なにかひらめいたような顔をする。
「あ、じゃ彼女が、クッキーの人?」
彼は肩でオレをこつんと小突いた。
「あんなにおいしいのは、久々の感動だった。ほんとありがとう。こいつ、ルームメイトのダニエルも涙ぐみそうなほど喜んでた」
隣の相棒を親指で差し示しながら、オレは女の子に改めてお礼を言った。
「うん、もうきっと、店でも始められちゃうんじゃないかってくらいうまかった。いやいや、お世辞じゃなくてさ。ごちそうさまでした」
ダニエルはそう言いながら、オレの肩に腕を置いた。
「みんなで食べてもらえた方が嬉しい」
「あれは、きっと特別な、秘密のレシピかなんかだよね?」
「うん。そう……なの」
とまどいを隠すように、シャーリーンが頬を染めてうつむく。
あ、一瞬えくぼができた。
いやちょっと、なんで頬を染めたのかよくわからなかった。あんましオレに都合よく解釈しちゃうのも、どうかと思ったし。……だからその後どう話をつなげたらいいのかわからないでいたんだよね、実は。
あれ? シャーリーンが手にしてるのって……。
「それって、イタリア語の初級クラスでは、どの教授も使ってる教科書?」
今のはシャーリーンに向けて、ダニエルのセリフ。
「ええ、次の学期に、とろうかなと思って」
「へえぇ、そうなんだ。キャメロンも去年とってたよね?」
「あ、うん」
ここでダニエルが、シャーリーンに交渉を仕掛ける。
「一月から始まる学期なんだ。じゃあ今買わなくてもいいよね。キャメロン、お前も同じテキストブック持ってただろ。彼女にあげれば?」
「あ、そだね」
「え、ほんとに、いいの?」
「うん、もちろんだよ!」
ダニエルが、にやっと笑う。
「お前、連絡先教えてもらえよ」
オレがスマホをポケットから引っ張り出すと、彼女もフェイスブック・メッセンジャーのアプリを開ける。
えーと、友達申請……っと、やった! 連絡先ゲット!
「ありがと! イタリア語を専攻してるの?」
「え……と、専攻はミュージック。でもイタリアに行くこともあるし、そしたら必要でしょ?」
「わぁ、そうなんだ。楽器はなに?」
「トランペットとシンセサイザーも少し」
「トランペット? だからクリス・ボーティ知ってたの?」
シャーリーンがにっこり微笑んだ。
「ああ、彼のコンサートも行ったことあるよ」
「わあ、ほんと? あ~もっとお話聞きたいけど……」
シャーリーンは、時間を確認した。
「午後の授業が恥まっちゃう。じゃあまたね、キャメロン」
彼女はとても可愛らしく、きれいな声で笑った。なんて綺麗に笑うんだろう!
「うん、また、シャーリーン」
ダニエルがクリスマスカードと画材を買うんで、シャーリーンに手を振った後、オレはダニエルを追いかけた。
「言ったろ、俺がなんとかしてやるって」
「おお、すっげぇ感謝!」
でもなんか、出会いはただの偶然って感じもちょっと、しないでもないけど。いや、そんなこと言っちゃ失礼だよね。だって本来なら、こいつが魅力を振りまいて、彼女に強い印象を残しちゃうかもしれないところを、あの子がシャーリーンだってすぐに気がついて、オレに花をもたせてくれたんだから。……それに連絡先を聞き出すきっかけ作ってくれたもんね。しかもこいつがカード落とさなきゃ、オレとシャーリーンの出会いもなかったわけだし。
それらをひっくるめて何より一番嬉しかったのは、シャーリーンがオレの専攻がミュージックだって聞いても、がっかりした顔を見せなかったこと。
「サンキュー、ダニエル」
「おう、また後でな、キャメロン」
オレは彼にサムズ・アップを返して、スクール・オブ・ミュージックの建物へと急いだ。
スチューデント・ユニオンのことで、たいていどこの大学でも生徒が一日一回は必ず立ち寄る場所でおなじみだ。本屋からレストランそしてキャンディー・ショップまで、ここにはなんでも揃っている。四階建てですごく大きくて、おまけにヘアサロンまであるなんて、まるでショッピングモールのようだ。
特にブックストア辺りで本を物色していると、友人と遭遇することもめずらしくない。ちょうどカフェテリアから階段を降りてくるとすぐ目に飛び込んでくる場所に、本屋の大きなショウウインドウが位置しているからだ。
冬の到来とともにその入り口付近は、クリスマス・カードやギフト用の商品がディスプレイされて賑やかになる。
この日昼食後、キャメロンのルームメイト、ダニエルは、授業で必要な画材を買いに、スチューデント・ユニオンにやってきた。ついでにカードでも物色しようかと並べられた品々を眺める。目に止まったのはアクリルの透明なキューブの上に、さりげなく置かれていた一枚のクリスマス・カード。それはオフホワイトの紙だけでできた、なんの印刷もない、けれど材質だけは存在感のある手触りの、そして開くと手の中に切り絵が飛び出してくる――そんなさりげないシンプルなカードだった。
ぱっと見は帆船かと思われがちな切り絵は、ウォルト・ディズニー・コンサートホールだ。うねった壁の数々が帆のように膨らんで、カードを開くと、ダウンタウンにある有名なコンサートホールがいきなり3Dになって手の中に出現する。
ディズニーといっても、ミッキーマウスのコンサートが行なわれる場所じゃない。その名をいただく理由は、ディズニー夫人、家族、それにディズニー・カンパニーを合わせて一・六億万ドル――建物総工費の半分以上――もの資金の寄付に基づいて建てられたからだ。
ダウンタウンにあるコンサートホールはLAフィルの本拠地で、クラシックを中心に、コンテンポラリーやジャズが演奏されている。設計はフランク・ゲーリー、そして豊田泰久の担当した木製パネルの音響効果は世界最高峰と言われていた。
「うお!」
おさえきれない感動で、思わずカードを手に取ったダニエルは、自分の抱えていた大判のスケッチブックが後ろのディスプレイにぶつかって、別のカードを落としてしまったことに気づかなかった。
「あ?」
ハニーブロンドの女の子が、流れるような滑らかな動作で、それを拾ってそっと棚に戻す。振り向いた彼は、自分がぶつかったせいだと自覚した。
「あ、ごめん気づかなかった。拾ってくれ……たんだよね? ありがと」
「どういたしまして」
そう微笑んだ彼女は、大きな瞳のきらめく女の子だった。
あれっ? なんか……なんか今、聞こえた……ような気がした。
クリスマスの飾りの、キラっと光る音……。オレの目は、アッカーマン・ユニオンを斜めに突っ切る途中、ふとブックストアに引きつけられていった。
――あれ? ダニエルじゃん。
そこにいたのはルームメイトのメガネ男子と、もう一人その向こうに立ってるのは、吹き抜けの天井からこぼれてくるきらめきを全身に受けた……ひと。ってか、女の子。
ん? えっ、お、女の子って? あれは……?
「あ、キャメロン!」
ダニエルはオレを見つけて、嬉しそうに手を振っている。
「あ……の、君は……」
オレの言葉が、途切れ途切れになった。だってその女の子は、こっちを見上げると恥ずかしそうに、でもふんわり優しい笑顔を浮かべたから。
「あ、あの、ツリーを届けてくれた……人?」
「し、信じられない。君もここの学生だったんだ?」
「ん、ええ……っと、まだ一年生(フレッシュマン)だけど」
「オレ、キャメロン。二年生(ソフォモア)」
「あ、私シャーリーン」
シャーリーン……、それは古典英語で「輝く明るい草原」という意味の……、なんてきれいな響きの名前。
彼女が手をそっと差し出したんで、オレも軽くそっと握手を返す。
ダニエルはといえば、初対面のはずなのに、そうでもなさそうな雰囲気のオレと彼女を、不思議そうにただ眺め続けてた。そして、突然なにかひらめいたような顔をする。
「あ、じゃ彼女が、クッキーの人?」
彼は肩でオレをこつんと小突いた。
「あんなにおいしいのは、久々の感動だった。ほんとありがとう。こいつ、ルームメイトのダニエルも涙ぐみそうなほど喜んでた」
隣の相棒を親指で差し示しながら、オレは女の子に改めてお礼を言った。
「うん、もうきっと、店でも始められちゃうんじゃないかってくらいうまかった。いやいや、お世辞じゃなくてさ。ごちそうさまでした」
ダニエルはそう言いながら、オレの肩に腕を置いた。
「みんなで食べてもらえた方が嬉しい」
「あれは、きっと特別な、秘密のレシピかなんかだよね?」
「うん。そう……なの」
とまどいを隠すように、シャーリーンが頬を染めてうつむく。
あ、一瞬えくぼができた。
いやちょっと、なんで頬を染めたのかよくわからなかった。あんましオレに都合よく解釈しちゃうのも、どうかと思ったし。……だからその後どう話をつなげたらいいのかわからないでいたんだよね、実は。
あれ? シャーリーンが手にしてるのって……。
「それって、イタリア語の初級クラスでは、どの教授も使ってる教科書?」
今のはシャーリーンに向けて、ダニエルのセリフ。
「ええ、次の学期に、とろうかなと思って」
「へえぇ、そうなんだ。キャメロンも去年とってたよね?」
「あ、うん」
ここでダニエルが、シャーリーンに交渉を仕掛ける。
「一月から始まる学期なんだ。じゃあ今買わなくてもいいよね。キャメロン、お前も同じテキストブック持ってただろ。彼女にあげれば?」
「あ、そだね」
「え、ほんとに、いいの?」
「うん、もちろんだよ!」
ダニエルが、にやっと笑う。
「お前、連絡先教えてもらえよ」
オレがスマホをポケットから引っ張り出すと、彼女もフェイスブック・メッセンジャーのアプリを開ける。
えーと、友達申請……っと、やった! 連絡先ゲット!
「ありがと! イタリア語を専攻してるの?」
「え……と、専攻はミュージック。でもイタリアに行くこともあるし、そしたら必要でしょ?」
「わぁ、そうなんだ。楽器はなに?」
「トランペットとシンセサイザーも少し」
「トランペット? だからクリス・ボーティ知ってたの?」
シャーリーンがにっこり微笑んだ。
「ああ、彼のコンサートも行ったことあるよ」
「わあ、ほんと? あ~もっとお話聞きたいけど……」
シャーリーンは、時間を確認した。
「午後の授業が恥まっちゃう。じゃあまたね、キャメロン」
彼女はとても可愛らしく、きれいな声で笑った。なんて綺麗に笑うんだろう!
「うん、また、シャーリーン」
ダニエルがクリスマスカードと画材を買うんで、シャーリーンに手を振った後、オレはダニエルを追いかけた。
「言ったろ、俺がなんとかしてやるって」
「おお、すっげぇ感謝!」
でもなんか、出会いはただの偶然って感じもちょっと、しないでもないけど。いや、そんなこと言っちゃ失礼だよね。だって本来なら、こいつが魅力を振りまいて、彼女に強い印象を残しちゃうかもしれないところを、あの子がシャーリーンだってすぐに気がついて、オレに花をもたせてくれたんだから。……それに連絡先を聞き出すきっかけ作ってくれたもんね。しかもこいつがカード落とさなきゃ、オレとシャーリーンの出会いもなかったわけだし。
それらをひっくるめて何より一番嬉しかったのは、シャーリーンがオレの専攻がミュージックだって聞いても、がっかりした顔を見せなかったこと。
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