2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~

青ムギ

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8話

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「ん…。」

分厚い毛布を被って寝ていたが、あまりの暑さと寝苦しさに目を開けた。時間を確認する為、携帯を取ろうと枕元に手を伸ばしたが見当たらない。

「…リビングかな…?」

昨日は時間も遅かったし携帯をどこへやったのか記憶にない俺は、咳き込むような苦しさと重だるい体を引きずってベッドから起き上がった。

ガチャッ

寝室の扉を開けて廊下へ出ると、チラリと玄関に視線を向けた。鍵は開いたままで靴は俺だけのしか無い。秀次が一晩帰ってきていない事が窺える。

リビングへ行き電気をつけると、壁掛け時計を見た。針はまだ5時前を指していた。俺は額に張っていた冷却シートを新しいのと貼り替え、咳止めの薬を2錠ほど飲んだ。

「………。」

テレビを観ようとソファに座り、電源をつける。朝のテレビ番組はニュースや通販、芸能人達の観光スポット巡り等が放送されていた。俺は、たまたま付けた通販番組をボーッと眺める。商品を紹介する人は中年男性でいて説明が上手い。隣の女の人は表現力を駆使して上手くこちら側の興味を引き立たせ商品を褒める。

ふとテレビ画面からカレンダーに目を通した。

20XX年  11月16日   3年記念日

記念日まであと数日。大切な人と過ごす幸せな時間…そう思っているのは俺だけなのだろうか。

「今日、聞いてみよう……」

秀次が今日家に入れば3年記念日のことを話そうと思った。いて欲しいと切に願う。



軽く昼食のお弁当を作ろうと思い、キッチンへ向かう。冷蔵庫の中身を見ながら何を作ろうかと考える。

「食欲湧かないから、野菜炒めだけでいいかな…。」
一日の殆どを仕事に費やしてしまう為、昼食を抜く事が多々あった俺は野菜を手に取り手際よく包丁で切って炒めていく。弁当を作り終えると、時間も大体いい頃合いだった。朝ご飯は弁当に入らなかった野菜を箸でつまむ。寝間着からスーツに着替え身支度を整える。冷却シートを外し額に手を置くとひんやりとしており熱は下がったなと感じた。

「そういえば…携帯……」
リビングの机にあると思っていた携帯が無く、俺は昨日の記憶を辿りながら探し出す。15分程かけて探し、鞄の中から見つけ出した。一息ついて時計を見てみると会社に行く時間が迫ってきていた。

「もう出ないと遅刻するっ…」
全ての電気を消し、カーテンを開け日差しを入れる。弁当と鞄を手に持ち玄関で靴を履くと慌てて外へ出た。

幸いにも、家から会社までは駅で移動するほどの距離ではないので有難かった。
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