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元カノ襲来
やっぱり、夏川先輩と付き合う価値はない
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彼女らと別れてすぐ、私は夏川先輩の所に行った。
放課後の部活中だった夏川先輩を呼び出してもらって、待っている間、あいつと浮気していたかもしれないと疑ってしまった女子マネージャーが私を胡散臭そうに見てきた。
夏川先輩は部員に指示を出して、呼び出した私のところに来てくれたが、機嫌はよろしくない。
飄々としていて、魅了するような表情ばかり浮かべて、どんなことを言っても友好的な雰囲気を崩さなかった夏川先輩が別人のように刺々しい。
テニス馬鹿はテニス以外に煩わされるのが本当に嫌いなようだ。
さっさと要件を告げて、永久におさらばしたい。
できれば、明日の昼から来なくなってくれればいいけど・・・。
と、思いつつ、元カノに関する苦情だけは告げることにする。
ついでに、この苦情でいなくなってくれたら万々歳だ。
「夏川先輩の彼女だって愛海って子が、私に別れろって一緒にいた友達に言わせてきましたよ」
私が苦情を申し立てると、夏川先輩の雰囲気の刺々しさが消える。
いつもよりは温度が低い、あまり話さないクラスメイトとの会話のような雰囲気だ。
「愛海? 小鳥遊になら、『振られるのは慣れているから。俺よりもかまってくれる奴が良かったんだろ? それなら、話はこれで終わりじゃないか』って言ったよ。実際、僕を悪者にしたほうがウケはいいからね。――浮気しておいて、自分が浮気されるのは嫌だって、どう言う神経しているんだろうね? 本当に理解できないよ。僕や実花ちゃんは理解できなくていいと思うよ、その思考は。理解したいとも思わないし」
とっくに別れは告げてたんだ。
それなのに、浮気した元カノは別れたって事実を受け入れずに私を牽制しに来たらしい。
てっきり、有耶無耶だったから文句言われたんじゃないかと、夏川先輩を疑ってしまった。
疑って、ごめん。
夏川先輩はおかしな人だ(話が通じない)けど、そこら辺はしっかりけじめをつけているんだね。
浮気した元カノの心理を理解したくないと言う夏川先輩の意見には同感。
「そうですね」
「でも、これでわかったでしょ? 僕と付き合っていないから、こういう風に付け込まれるんだ。春原にも、小鳥遊にも」
「いやいやいや。それは違うでしょ」
夏川先輩の浮気した元カノがおかしかっただけで、あいつは巻き込まれただけだってわかっただけでも良かったし。
どこが付け込まれたって言うのかわからない。
あいつは今のところ、元カレのカテゴリで昼食が一緒なのを足掻いているけど、それだけだし。
浮気した元カノに至っては呼び出されて話しただけだよ?
「気が変わったら、いつでも言ってね。実花ちゃん」
いつものように捉えどころのない調子で言うと、夏川先輩は小さく手を振って部員たちのところに戻って行った。
浮気した元カノから受けた私の被害や、これから私が一人で下校することは気にならないらしい。
やっぱり、夏川先輩と付き合う価値はない。
放課後の部活中だった夏川先輩を呼び出してもらって、待っている間、あいつと浮気していたかもしれないと疑ってしまった女子マネージャーが私を胡散臭そうに見てきた。
夏川先輩は部員に指示を出して、呼び出した私のところに来てくれたが、機嫌はよろしくない。
飄々としていて、魅了するような表情ばかり浮かべて、どんなことを言っても友好的な雰囲気を崩さなかった夏川先輩が別人のように刺々しい。
テニス馬鹿はテニス以外に煩わされるのが本当に嫌いなようだ。
さっさと要件を告げて、永久におさらばしたい。
できれば、明日の昼から来なくなってくれればいいけど・・・。
と、思いつつ、元カノに関する苦情だけは告げることにする。
ついでに、この苦情でいなくなってくれたら万々歳だ。
「夏川先輩の彼女だって愛海って子が、私に別れろって一緒にいた友達に言わせてきましたよ」
私が苦情を申し立てると、夏川先輩の雰囲気の刺々しさが消える。
いつもよりは温度が低い、あまり話さないクラスメイトとの会話のような雰囲気だ。
「愛海? 小鳥遊になら、『振られるのは慣れているから。俺よりもかまってくれる奴が良かったんだろ? それなら、話はこれで終わりじゃないか』って言ったよ。実際、僕を悪者にしたほうがウケはいいからね。――浮気しておいて、自分が浮気されるのは嫌だって、どう言う神経しているんだろうね? 本当に理解できないよ。僕や実花ちゃんは理解できなくていいと思うよ、その思考は。理解したいとも思わないし」
とっくに別れは告げてたんだ。
それなのに、浮気した元カノは別れたって事実を受け入れずに私を牽制しに来たらしい。
てっきり、有耶無耶だったから文句言われたんじゃないかと、夏川先輩を疑ってしまった。
疑って、ごめん。
夏川先輩はおかしな人だ(話が通じない)けど、そこら辺はしっかりけじめをつけているんだね。
浮気した元カノの心理を理解したくないと言う夏川先輩の意見には同感。
「そうですね」
「でも、これでわかったでしょ? 僕と付き合っていないから、こういう風に付け込まれるんだ。春原にも、小鳥遊にも」
「いやいやいや。それは違うでしょ」
夏川先輩の浮気した元カノがおかしかっただけで、あいつは巻き込まれただけだってわかっただけでも良かったし。
どこが付け込まれたって言うのかわからない。
あいつは今のところ、元カレのカテゴリで昼食が一緒なのを足掻いているけど、それだけだし。
浮気した元カノに至っては呼び出されて話しただけだよ?
「気が変わったら、いつでも言ってね。実花ちゃん」
いつものように捉えどころのない調子で言うと、夏川先輩は小さく手を振って部員たちのところに戻って行った。
浮気した元カノから受けた私の被害や、これから私が一人で下校することは気にならないらしい。
やっぱり、夏川先輩と付き合う価値はない。
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