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第三章
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ザークの返答を待っていたリグには、予想どおりの言葉だったらしい。
ニッと笑うと、
「良いってーの。今までだってシアンがやってきたんだから」
とどこか楽しそうに返すリグ。
「けれど、今回のアジスタは何か違っている様ですから……。シアンも戸惑っている様でしたし」
簡単には頷けないザーク。
「良いってーの。そんなの何が違うかなんて、アジスタ捕まえんとわからんだろ。ただ単に気分のもんだいでしたー、とかかもしれねぇじゃん」
「そのアジスタをどうやって捕まえるんですか?」
なおも食い下がってくるザークに、再び不機嫌になりながら、
「そんなんどーだって良いよ」
とリグはグイッとザークを引き寄せる。
「ちょっ……リグっっ」
ザークの反論の言葉は、リグの唇によって封じ込められ、発することは出来なかった。
「何を考えているんですか?!」
唇が離れた瞬間怒ったようなザークの言葉が飛び出す。
リグはザークの怒りなど、全く気に留めない。離れようと押してくる手を払いのけて、上着の裾からザークの肌へと直に指を這わせる。
「何って、お前の事だろ、ザーク。愛してる。何回言っただろうな、今までに。何十年否、もう何百年かな。言い続けてきただろう。ザーク、愛してる」
確実に、ザークの熱をあおりながら、囁きは耳元に。
「リグ……ん……」
ザークの抵抗は、リグの言葉にか、熱をあおる指先にか、だんだんと弱まって行く。
実際ずっと、何百年もリグとはこんな関係にあったと言っていい。
毎回強引なリグに押し切られての関係……なんて言い訳じみた事を考える。抵抗らしい抵抗をするならば、もっと他にもあるはずなのに、それができていない自分を、ザークは気付いている。
抱かれる事に、愛される事に慣れた身体は、自分の意思などお構いなくに、簡単にあおられて、熱を持っていく。
「ザーク、本当にお前って敏感だよね」
笑いを含むリグの声。
「リグ……っ、ぁ、や、めて……ください」
身体は反応していても、言葉での抵抗を止めないザーク。
「へぇ、今止めて良いの?」
意地悪く言葉を紡ぐリグ。
「ん……ぁ、やぁぁ……」
胸の飾りを弄ばれ、声が跳ね上がるザーク。
それでも嫌だというように、頭を振り、快楽から逃れようとするザーク。
「……ザーク、アイリスの事考えてるのか?」
いきなり不機嫌になり、言葉を投げつけるリグ。
「……」
ザークは何も反応できない。
「姉貴だろ。血が繋がってる」
苛立ったリグの声。
いつの間にか、ザークへの愛撫の指も止まっていた。
「最後の家族なんです。彼女が悲しむ事はしたくない」
押し倒され、体はソファに横たわっていた。体を起こしながら言うザーク。
「うるさい。俺はそんな事考えてやらない」
ザークが体を起こし切る前に、再度ソファへと縫い付けるように押し倒すリグ。
「リグ!!」
抵抗をものともしないリグに、ザークの息は上がっていく。
「ザーク、もうずっと言って来た言葉ばっかだな」
ふっと自嘲気味に笑うリグに、ザークは気付いているのかいないのか……。
瞳には、優しい色が灯っていた。今までザークにさえほとんど見せた事のない灯。
「リグ……?」
そんなリグに気付いてか、ザークの瞳が不安気に揺れる。
「何でもねーよ」
勤めて明るく返し、いつものように、不遜に笑って見せるリグ。
「いーかげん、俺に愛してるって、言ってみない?」
胸の突起に唇を落としながら言うリグ。
「つ、あぁ……い、わないっ」
きっぱりと返してくるザークに、
「意地っ張り」
とどこかリグは楽しげに笑っている。
「でも、ザークは俺の事好きだよな。嫌いだったら、何百年もこういう関係続けてないよなー」
言いながら、ザークの下肢へと手を滑らせるリグ。
「んぁ……やぁぁ――」
リグがもたらす快楽という熱に翻弄されて涙で潤んだザークの瞳を見つめながら、
「図星だろ?」
と問いかける。
欲しいと思ったものは、どんな事をしてでも手に入れてみせる。そんな奴だと知っていた。こんな瞳で自分を見るリグばかりを見てきた気がする。
『愛してる』という囁きに、身動きが出来ないほど縛り付けられている。
だからだろうか、抵抗するのは……。
だからだろうか、愛を返そうとしないのは……。
「あなたが……い、つもっうぁ、ごう……引に……んん」
乱れた息の中で、何かを紡ごうとするザークの言葉をキスでふさぐ。
「良い訳ばっかだよな、いつも。素直に認めれば良いのに。嫌なら俺を突き飛ばしてでも抵抗できるだろう?ま、最も、こうなると無理か。ねェ、ザーク?」
リグの手で、快楽を与えられもうすぐそこまでキている。なのに、中々辿り着けないのも、またリグのせいで……。
言外に『欲しい』と言えと言う、リグの言葉に首を振るザーク。
「本当、意地っ張り」
クスクスと笑うリグ。
ニッと笑うと、
「良いってーの。今までだってシアンがやってきたんだから」
とどこか楽しそうに返すリグ。
「けれど、今回のアジスタは何か違っている様ですから……。シアンも戸惑っている様でしたし」
簡単には頷けないザーク。
「良いってーの。そんなの何が違うかなんて、アジスタ捕まえんとわからんだろ。ただ単に気分のもんだいでしたー、とかかもしれねぇじゃん」
「そのアジスタをどうやって捕まえるんですか?」
なおも食い下がってくるザークに、再び不機嫌になりながら、
「そんなんどーだって良いよ」
とリグはグイッとザークを引き寄せる。
「ちょっ……リグっっ」
ザークの反論の言葉は、リグの唇によって封じ込められ、発することは出来なかった。
「何を考えているんですか?!」
唇が離れた瞬間怒ったようなザークの言葉が飛び出す。
リグはザークの怒りなど、全く気に留めない。離れようと押してくる手を払いのけて、上着の裾からザークの肌へと直に指を這わせる。
「何って、お前の事だろ、ザーク。愛してる。何回言っただろうな、今までに。何十年否、もう何百年かな。言い続けてきただろう。ザーク、愛してる」
確実に、ザークの熱をあおりながら、囁きは耳元に。
「リグ……ん……」
ザークの抵抗は、リグの言葉にか、熱をあおる指先にか、だんだんと弱まって行く。
実際ずっと、何百年もリグとはこんな関係にあったと言っていい。
毎回強引なリグに押し切られての関係……なんて言い訳じみた事を考える。抵抗らしい抵抗をするならば、もっと他にもあるはずなのに、それができていない自分を、ザークは気付いている。
抱かれる事に、愛される事に慣れた身体は、自分の意思などお構いなくに、簡単にあおられて、熱を持っていく。
「ザーク、本当にお前って敏感だよね」
笑いを含むリグの声。
「リグ……っ、ぁ、や、めて……ください」
身体は反応していても、言葉での抵抗を止めないザーク。
「へぇ、今止めて良いの?」
意地悪く言葉を紡ぐリグ。
「ん……ぁ、やぁぁ……」
胸の飾りを弄ばれ、声が跳ね上がるザーク。
それでも嫌だというように、頭を振り、快楽から逃れようとするザーク。
「……ザーク、アイリスの事考えてるのか?」
いきなり不機嫌になり、言葉を投げつけるリグ。
「……」
ザークは何も反応できない。
「姉貴だろ。血が繋がってる」
苛立ったリグの声。
いつの間にか、ザークへの愛撫の指も止まっていた。
「最後の家族なんです。彼女が悲しむ事はしたくない」
押し倒され、体はソファに横たわっていた。体を起こしながら言うザーク。
「うるさい。俺はそんな事考えてやらない」
ザークが体を起こし切る前に、再度ソファへと縫い付けるように押し倒すリグ。
「リグ!!」
抵抗をものともしないリグに、ザークの息は上がっていく。
「ザーク、もうずっと言って来た言葉ばっかだな」
ふっと自嘲気味に笑うリグに、ザークは気付いているのかいないのか……。
瞳には、優しい色が灯っていた。今までザークにさえほとんど見せた事のない灯。
「リグ……?」
そんなリグに気付いてか、ザークの瞳が不安気に揺れる。
「何でもねーよ」
勤めて明るく返し、いつものように、不遜に笑って見せるリグ。
「いーかげん、俺に愛してるって、言ってみない?」
胸の突起に唇を落としながら言うリグ。
「つ、あぁ……い、わないっ」
きっぱりと返してくるザークに、
「意地っ張り」
とどこかリグは楽しげに笑っている。
「でも、ザークは俺の事好きだよな。嫌いだったら、何百年もこういう関係続けてないよなー」
言いながら、ザークの下肢へと手を滑らせるリグ。
「んぁ……やぁぁ――」
リグがもたらす快楽という熱に翻弄されて涙で潤んだザークの瞳を見つめながら、
「図星だろ?」
と問いかける。
欲しいと思ったものは、どんな事をしてでも手に入れてみせる。そんな奴だと知っていた。こんな瞳で自分を見るリグばかりを見てきた気がする。
『愛してる』という囁きに、身動きが出来ないほど縛り付けられている。
だからだろうか、抵抗するのは……。
だからだろうか、愛を返そうとしないのは……。
「あなたが……い、つもっうぁ、ごう……引に……んん」
乱れた息の中で、何かを紡ごうとするザークの言葉をキスでふさぐ。
「良い訳ばっかだよな、いつも。素直に認めれば良いのに。嫌なら俺を突き飛ばしてでも抵抗できるだろう?ま、最も、こうなると無理か。ねェ、ザーク?」
リグの手で、快楽を与えられもうすぐそこまでキている。なのに、中々辿り着けないのも、またリグのせいで……。
言外に『欲しい』と言えと言う、リグの言葉に首を振るザーク。
「本当、意地っ張り」
クスクスと笑うリグ。
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