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《14》無言は肯定(3)※
しおりを挟む肌に当たるシーツが冷たくて、高まった体温を程よく冷やしてくれた。
大きなベッドと小さなサイドテーブルがあるだけのシンプルな寝室。グレーで統一された寝具の上に仰向けに寝かされる。
濃厚な口づけで上がった息を整えているうちに、大和も着物を脱いで下着姿になった。
初めて見た大和の肌は傷一つなく綺麗で、彫刻のように縁どられた筋肉の溝が逞しくて、思わずくぎづけになる。
顔の横に手を突き檻のように囲われて、なまめかしい雰囲気に心臓が暴れそうになる。
「補正、取ってもいい?」
「や、胸はいや……」
「わかった」
頑なに交差した腕を、解くようなことはされなかった。それほどまでに、瑛美は胸を見られるのが嫌だった。
瑛美を安心させるためか、一瞬柔らかく微笑むと、顔面にキスの雨を降らす。
それは次第に首筋に移動し、瑛美の肌を味わうように舐めたり甘噛みをした。
お腹の奥に小さな火がともる。大和が瑛美の白い肌を堪能するたびにその炎は大きくなっていった。
腕から足まで隅々までキスされて、呼吸が浅くなる。
「やまと、っ」
「瑛美」
何度も名を呼び合って口づけを交わして。
胸にあったしこりが溶けていくような感覚に酔いしれる。
大和が股の間を撫であげる。くちゅ、と水音がして恥ずかしくて横を向いて目を瞑った。
「可愛い。濡れてる」
耳朶を口に含みながら「可愛い」を連呼されて、目を開けることができない。
下着の上から敏感な部分を指でなぞったり、爪でカリカリと引っ掻かれて勝手に腰が動いてしまう。溢れそうになる嬌声を吞み込むので精一杯だった。
「直接触っていい?」
「…………」
「無言は肯定、だからな」
ショーツの隙間から大和の長い指が侵入してくる。
しとどに濡れたあわいから蜜口の中に入っていく。
「あっ……」
男性らしく節が隆々とした指が、敏感な内壁を擦りあげる。お腹側のある一点をなぞられると、電流を流されたかのような刺激が走った。下半身が小さく跳ねて、閉じていた眼を開くと、ギラリと艶やかに微笑む大和と目が合う。
「声可愛い」
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