上 下
15 / 84

《15》無言は肯定(4)※

しおりを挟む

「声可愛い」

 ぶわっと体温が上昇したのを感じた。
 可愛いなんて言われ慣れていなくて、どうしていいかわからず、はくはくと口を開閉する。

「もっと聞きたい」

 いつの間にか下着が足首に絡まっていて、大きく開脚されていた。
 瑛美の中に侵入していた指の本数が増やされ、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が響く。

「恥ずかし……やめ……」
「俺がやめると思う?」
「うぅ……あっ、」

 忙しなく掻き回される手を止めようと腕を伸ばすが、あっけなく捕まって頭上に縫いつけられてしまった。瑛美の好いところを探る大和の手が気持ちよくて、どんどん蜜をこぼしてしまう。

「気持ちいい?」
「ぅ、んっ」
「良かった」

 そう言って嬉々として頬をほころばせる大和を見て、キュンと胸が鳴る。

「一回イっとこうな」
「え、あっ、あぁっ!」

 なかを擦る指が瑛美の好いポイントを的確に攻める。
 下半身に顔を寄せた大和は、躊躇なく芯を持った花芽を舌でざらりと舐め嬲った。

「ひぃ、あっ、あ……!」

 大きい何かが襲ってくる。それに抗おうとしても逃げられない。
 雷に打たれたような電気が脳髄を打ち、瞼の裏にチカチカと星が瞬いた。

「すごい濡れ濡れ。やらし」

 手首まで垂れた愛液を舐めとりながら、サイドテーブルから取り出した小袋を破る。

 蜜口に熱くて硬いものがあてがわれている。それがなにか脳が理解する前に、ずぶりと中に挿入された。

「あ、んん!」
「瑛美、可愛い」

 くびれのある先端部分を抵抗なく呑み込むと、浅く出し入れされる。少し入っただけで圧迫感を感じるのは瑛美が狭いせいなのか、大和が立派なせいなのかはわからない。

「や、ま……っ、とま、て……!」
「なんで?」
「こわい、」
「何が怖いんだ?」

 無理に押し進めず、動きを止めた大和はよしよしと瑛美の頬を撫でた。

 大和と体を繋げているということに、嫌悪感はない。けれど男女の営みは一度しか経験がなく、それもただただ苦行のように痛い思い出しかなかった。
温かな優しい手に促されて、心の内を吐き出す。

「おかしいの。へん、なの。自分のからだじゃない、みたい……」
「……それ、おかしくしてってこと?」
「ちが……!」
「違わない」
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

子供を産めない妻はいらないようです

恋愛 / 完結 24h.ポイント:8,356pt お気に入り:276

【完結】出戻り令嬢の奮闘と一途な再婚

恋愛 / 完結 24h.ポイント:809pt お気に入り:147

異世界でおまけの兄さん自立を目指す

BL / 連載中 24h.ポイント:11,601pt お気に入り:12,477

聖女の姉ですが、宰相閣下は無能な妹より私がお好きなようですよ?

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:32,141pt お気に入り:11,562

浮気の認識の違いが結婚式当日に判明しました。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,160pt お気に入り:1,219

巣ごもりオメガは後宮にひそむ

BL / 完結 24h.ポイント:6,669pt お気に入り:1,589

なりゆきの同居人

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:81

素材採取家の異世界旅行記

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,718pt お気に入り:32,981

処理中です...