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《43》ほんの少しの自信(3)大和視点
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「俺の彼女になって」
金曜日の夜だけで良いから、恋人関係のほうが着付け技術も上達する……なんて適当なことを言ってでも、どうしても瑛美を恋人にしたくて、少々強引に瑛美を頷かせた。
しかし瑛美は頑なに胸を見せることを嫌がり、「私なんて……」と繰り返し自分を卑下するようなことばかりを口にする。
(こんなに可愛くて愛おしいのに……)
言葉で説き伏せたところで、きっと瑛美は納得しないだろう。だから無理に説得するでもなく、ただ丁寧に愛して何度も可愛いと囁き続けた。
そうした行為が実を結んだのか、瑛美が少しずつ大和へ心を開いてきてくれている。
「私、自分に自信がないんです。見た目もそうですし、中身……性格とかメンタルとかも、全部。だけど大和が私のこと、たくさん……あ、あいして、くれたらっ。自信がつく、かもっ……」
そう言われて愛さない男がいるわけない。
甘い果実のような唇に覆いかぶさり、瑛美の身体の隅々まで舐め味わう。
もうどちらが深い情に飢えているのかわからなくなるほど、夢中になった。
同じ時間を過ごし、触れ合う回数が増えても未だに瑛美はどこか遠慮している節があった。
瑛美なりに思うことがあるのだろう。いきなり会社の上司が習い事の講師として現れて、そのうえ恋人となった。急展開に持ち込んだ自覚はあったので、無理に距離を縮めるようなことはせず、大和はただ瑛美を抱きしめた。
矢のような速さで繁忙期が終わったと思ったら、もう年の瀬が近づいていた。
毎年恒例のクリスマスパーティーに文太郎と参加して、懇意にしている企業の方々への日頃の感謝を伝える。
それがひと段落して肩の力を抜いたところに、神の遣いのような可憐な女性が現れて、思わず何度も瞬きをした。
古典柄の振袖を身に纏った瑛美は、奥ゆかしく美しかった。
鮮やかな茜色に対比する白い肌。衣紋から除く華奢なうなじ。そして熟れた果実のように美味しそうな唇に触れたくなった。
すぐに部屋へ移動し、振袖を脱がせようとしたところで瑛美に止められる。
「今日は、自分で脱ぎます」
そう言った瑛美は顔を赤くしながらも大和の目の前で一枚一枚衣を取っていく。だんだんと露わになる肌に、下半身が熱くなるのを感じながらベッドへ腰掛ける。
瑛美の一挙手一投足を観察していると、ついにサラシを取った。
あんなに頑なに胸だけは隠していたのは、きっと傷や痣があるからだろうと思っていた。たとえそんなものがあったとしても、瑛美に対する想いは何も変わらない。だから、どんな姿形をしていても愛せる自信があった。
金曜日の夜だけで良いから、恋人関係のほうが着付け技術も上達する……なんて適当なことを言ってでも、どうしても瑛美を恋人にしたくて、少々強引に瑛美を頷かせた。
しかし瑛美は頑なに胸を見せることを嫌がり、「私なんて……」と繰り返し自分を卑下するようなことばかりを口にする。
(こんなに可愛くて愛おしいのに……)
言葉で説き伏せたところで、きっと瑛美は納得しないだろう。だから無理に説得するでもなく、ただ丁寧に愛して何度も可愛いと囁き続けた。
そうした行為が実を結んだのか、瑛美が少しずつ大和へ心を開いてきてくれている。
「私、自分に自信がないんです。見た目もそうですし、中身……性格とかメンタルとかも、全部。だけど大和が私のこと、たくさん……あ、あいして、くれたらっ。自信がつく、かもっ……」
そう言われて愛さない男がいるわけない。
甘い果実のような唇に覆いかぶさり、瑛美の身体の隅々まで舐め味わう。
もうどちらが深い情に飢えているのかわからなくなるほど、夢中になった。
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瑛美なりに思うことがあるのだろう。いきなり会社の上司が習い事の講師として現れて、そのうえ恋人となった。急展開に持ち込んだ自覚はあったので、無理に距離を縮めるようなことはせず、大和はただ瑛美を抱きしめた。
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すぐに部屋へ移動し、振袖を脱がせようとしたところで瑛美に止められる。
「今日は、自分で脱ぎます」
そう言った瑛美は顔を赤くしながらも大和の目の前で一枚一枚衣を取っていく。だんだんと露わになる肌に、下半身が熱くなるのを感じながらベッドへ腰掛ける。
瑛美の一挙手一投足を観察していると、ついにサラシを取った。
あんなに頑なに胸だけは隠していたのは、きっと傷や痣があるからだろうと思っていた。たとえそんなものがあったとしても、瑛美に対する想いは何も変わらない。だから、どんな姿形をしていても愛せる自信があった。
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