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《7》私だけを見て※
しおりを挟む「私は石の色なんてどうでも良い……っ。私は魔力とか関係なくギルと最後までしたい……。ギルはいや? 私が白じゃなくて別の色の石だったら……最後まで私を見てくれた……?」
「ニナ…………ごめん、俺が悪かった。だから泣くな」
慰めるように唇で涙を拭い、力強く抱き締める。
「無垢で綺麗なニナを俺が汚してしまうような気がして……怖かった。でももう石なんて見ない。ニナだけを見つめるから」
「ギル……っ」
ニナメルが望む言葉が聞けて、喜んだ素直な身体が隙間なく密着する剛直を淫らに締めつける。
ニナメルは縋るようにギルに乞うた。
「ギル、いっぱいキスして。ギルが欲しい……。石なんか見ないで。私だけを見て……!」
「っ、ニナ……!っ、ぁ、悪い……加減、できない、かも……!」
「んんん……!」
荒々しく唇に噛みつかれ、質量を増した棍棒が容赦なく最奥を叩く。ごりごりと中を穿つたびに膣壁は悦びに震えた。上からも下からも溺れそうなくらい甘美な激流が押し寄せてくる。
唇と唇を押し付けあい、舌を執拗に絡めて、お互いのなにもかもを貪り尽くそうと欲する。口端からはだらしなく二人分の体液が流れ出ていた。
過ぎる快感にビクンビクンと何度も身体が跳ねる。
クラクラとして頭が働かない。ただ目の前の男性が――ギルが欲しい。
ギルの腰に脚を絡めて自ら腰を押しつけ、絶頂の波へ飛び込んだ。
「んんんンーーッ!」
「ン……!」
お腹の奥にギルの熱が注がれていく。お腹の奥の大切な場所が悦ぶように収縮し、そこから全身へ濃い魔力が駆け巡った。
「あっ……ん……」
その心地良い熱さに思わず恍惚とした喘ぎ声が漏れた。
初めての性交。初めての魔力交換。
額の珠の色なんて関係ない。心を許した相手との交わり。
もしかしたら魔力交換はこれで最初で最後かもしれないが、後悔も憂いもなかった。ニナメルは多幸感に満ちていた。
ギルの魔力を全て受け入れる。初めて他人の魔力を受け入れた身体は、温かい水の上を揺蕩っているような心地良さがあった。
まるで海の中に浮かんでいるようだ。
「はぁ……大丈夫か? ニナ? 聞こえるか?」
ギルの声がどんどん遠くへ行ってしまう。抗うこともできず、ゆらゆらとして穏やかな世界へ落ちていった。
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