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第2章 入団までの1年間(1)、新たな攻略対象との出会い
36:鍛錬2日目・アルフォンス(アルフレッド)は、迷宮都市が待ち遠しい(3)
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いま思うと、白馬は不思議な馬だった。
オレが準成人(レイ皇国では14歳)になったその日に、ふと仔馬の姿で王城の庭園に現れたのだ。
その日は、オレの誕生日ということもあり、盛大な夜会が催される予定だった。
だから、その日の王城の庭園はいつも以上に、警備が手厚かったにも関わらず・・・
なぜか、そこにいた。
「お前・・・どこから入り込んだんだよ・・・・」
呆れたようにオレが呟くと、白馬はオレにその頭を擦り付けてきて、「ヒヒン」と鳴いた。
その鳴き声は、なぜかオレには<お前じゃないよ、ライゼだよ>と聞こえた気がした。
「ヒヒン」しか言ってねぇのに・・・。でも、まぁそんなこともあるだろうと思った。
異母兄であるレイ皇国の皇王も、自分の愛馬の言葉が分かると言っていたからな・・・。
オレも異母兄と一緒で、<女神カトレアの五人の眷属の末裔だと言われる王族>の一員っちゃ、一員だ。
王族特有の<なんかよく分からん能力>でもあるんだろう。
その時はそう思ったんだ。
それからどこに行くにも、白馬はずっとオレに引っ付いてくるようになった。
普通、馬とはいえ、どこから入ってきたか分からないものを王族の近くに置いたりはできない・・・・はずなのだが、白馬は幸運なことに白い馬だった。
この世界で白い馬は、あまり生まれない。
そのうえ、女神カトレアの眷属たる<五人の魔法騎士>の乗っていた馬は、白い馬だとされていたから「これは吉兆だろう、王族にふさわしい馬だ」と、白馬は周囲から持て囃され、その行為を許されたんだ。
まぁ、様々な国で冒険者をしてきた母に言わせると、レイ皇国は五大国の中では、王族も貴族も、さらには国民性さえも、かなり緩やかな性格をしていると言うから、そのせいもあるのだろう。
・・・・・とにかく、そういった経緯を経て、正式に魔法騎士団に・・・・仔馬の癖にオレの軍馬として、白馬は一緒に入団することとなった。
それから、オレは白馬と一緒に様々な魔獣や山賊などを倒した。
オレも最初から強かったわけじゃない・・・まぁ、他よりは才能があったかもしれないが、今と比べるとてんでダメだった。
だから、入団してから何度も、オレより強い敵と闘う機会はあって・・・・・・そんな時、助けてくれたのは当然のように、相棒の白馬だった。
白馬は、オレより嗅覚がいいところがあるから、強い魔獣がいるときも、オレに気づく前に教えてくれた。
「アル、もうすぐ強いヤツがいるから、気をつけてね!」
・・・・・・と。
何度もその助言に助けられたオレは・・・・・・
だから、覆面の男がオレの背後に現れたときも、白馬が嬉しそうに鳴いたのなら・・・・。
(白馬が喜ぶような奴なら、敵ではないんだろう)
・・・・・・と咄嗟に思っちまった。
そのちょっとした油断。
それで・・・・・あっさりとヤツに・・・覆面の男に斬られちまったのは笑うしかない。
(・・・いてぇな)
・・・久しぶりに感じた強烈な痛みをこらえながら、自分の体が傾くのを眺めた。
いまの一振りでどこかの神経がいかれたのかもしれないくらい、体がピクリとも動かせなかった。
(落馬しても、受け身なんて取れねぇだろうな)
オレは自分の体がずるりと落ちる瞬間、何となく白馬の顔を少し躊躇った後、見つめた・・・・。
白馬は・・・・・・・
呆然としていた・・・・・。
「なぜ、この男がオレを斬るんだ。意味が分からない」
・・・・・・とでもいうような顔だった。
オレは、その顔を見て、「はっ」と鼻で笑った。
ほっとしたんだ。
疑ったわけではないが・・・長年の相棒が、オレを裏切ったわけじゃないと・・・分かったから・・・・な。
そうして、オレは落馬した。
斬る瞬間さえオレに殺意を全く抱いていないそんな斬り方をした、その当事者である覆面の男は・・・・・オレが落馬した瞬間・・・・・・・オレに追撃をかけるでもなく、オレが倒れ行くさまを悲痛な表情で眺めていただけだった。
正直、ヤツの斬り方はなっていなかった。
オレでもロット爺でも・・・なんだったら、あいつ(フレド)でも・・・一斬りさえあれば、油断した相手の命を奪うことなど容易いだろうに・・・・・いまのオレは瀕死だが・・・・死んでないからな。
覆面の男の剣が良いからこそ、オレの身体強化を破り、ここまでの傷を負わせられたんだろう・・・・。
だがまぁ・・・・それでも有象無象と比べると、悪くない太刀筋で、才能を感じさせる逸材であることは間違いなかった。
あいつがこの事態に気づき、覆面の男を追い払ったときも、覆面の男は・・・時空魔法の<詠唱省略>なんて、とんでもない技を使っていたから、もしかしたら、あいつとタメを張れるくらいの実力もあるのかもしれないな・・・。
気配遮断に、それなりの太刀筋・・・・伝説の勇者並みの魔法操作・・・。
だから、こんな状態にもか関わらず・・・・新しい<強いヤツ>の出現に、地面に倒れ伏しながらもオレの胸が、少しだけ躍ってしまったのは仕方がない。
・・・・だけど、覆面の男への感情は・・・・・・
それだけだった。
アイオスに感じたような興味なら、この覆面の男にも向けることはできる・・・・・・
だが、あいつに・・・・フレドにむけるような、感情は全く持てなかったのだ。
オレは、ずっと出会えなかった<強い奴との闘い>のできる存在だと思ったから・・・・。
だから、フレドに執着ともいえる感情を抱いていたのだと思っていた・・・・。
だけど・・・この覆面の男への感情とフレドへの感情への違いに・・・・・気づいちまった。
オレが準成人(レイ皇国では14歳)になったその日に、ふと仔馬の姿で王城の庭園に現れたのだ。
その日は、オレの誕生日ということもあり、盛大な夜会が催される予定だった。
だから、その日の王城の庭園はいつも以上に、警備が手厚かったにも関わらず・・・
なぜか、そこにいた。
「お前・・・どこから入り込んだんだよ・・・・」
呆れたようにオレが呟くと、白馬はオレにその頭を擦り付けてきて、「ヒヒン」と鳴いた。
その鳴き声は、なぜかオレには<お前じゃないよ、ライゼだよ>と聞こえた気がした。
「ヒヒン」しか言ってねぇのに・・・。でも、まぁそんなこともあるだろうと思った。
異母兄であるレイ皇国の皇王も、自分の愛馬の言葉が分かると言っていたからな・・・。
オレも異母兄と一緒で、<女神カトレアの五人の眷属の末裔だと言われる王族>の一員っちゃ、一員だ。
王族特有の<なんかよく分からん能力>でもあるんだろう。
その時はそう思ったんだ。
それからどこに行くにも、白馬はずっとオレに引っ付いてくるようになった。
普通、馬とはいえ、どこから入ってきたか分からないものを王族の近くに置いたりはできない・・・・はずなのだが、白馬は幸運なことに白い馬だった。
この世界で白い馬は、あまり生まれない。
そのうえ、女神カトレアの眷属たる<五人の魔法騎士>の乗っていた馬は、白い馬だとされていたから「これは吉兆だろう、王族にふさわしい馬だ」と、白馬は周囲から持て囃され、その行為を許されたんだ。
まぁ、様々な国で冒険者をしてきた母に言わせると、レイ皇国は五大国の中では、王族も貴族も、さらには国民性さえも、かなり緩やかな性格をしていると言うから、そのせいもあるのだろう。
・・・・・とにかく、そういった経緯を経て、正式に魔法騎士団に・・・・仔馬の癖にオレの軍馬として、白馬は一緒に入団することとなった。
それから、オレは白馬と一緒に様々な魔獣や山賊などを倒した。
オレも最初から強かったわけじゃない・・・まぁ、他よりは才能があったかもしれないが、今と比べるとてんでダメだった。
だから、入団してから何度も、オレより強い敵と闘う機会はあって・・・・・・そんな時、助けてくれたのは当然のように、相棒の白馬だった。
白馬は、オレより嗅覚がいいところがあるから、強い魔獣がいるときも、オレに気づく前に教えてくれた。
「アル、もうすぐ強いヤツがいるから、気をつけてね!」
・・・・・・と。
何度もその助言に助けられたオレは・・・・・・
だから、覆面の男がオレの背後に現れたときも、白馬が嬉しそうに鳴いたのなら・・・・。
(白馬が喜ぶような奴なら、敵ではないんだろう)
・・・・・・と咄嗟に思っちまった。
そのちょっとした油断。
それで・・・・・あっさりとヤツに・・・覆面の男に斬られちまったのは笑うしかない。
(・・・いてぇな)
・・・久しぶりに感じた強烈な痛みをこらえながら、自分の体が傾くのを眺めた。
いまの一振りでどこかの神経がいかれたのかもしれないくらい、体がピクリとも動かせなかった。
(落馬しても、受け身なんて取れねぇだろうな)
オレは自分の体がずるりと落ちる瞬間、何となく白馬の顔を少し躊躇った後、見つめた・・・・。
白馬は・・・・・・・
呆然としていた・・・・・。
「なぜ、この男がオレを斬るんだ。意味が分からない」
・・・・・・とでもいうような顔だった。
オレは、その顔を見て、「はっ」と鼻で笑った。
ほっとしたんだ。
疑ったわけではないが・・・長年の相棒が、オレを裏切ったわけじゃないと・・・分かったから・・・・な。
そうして、オレは落馬した。
斬る瞬間さえオレに殺意を全く抱いていないそんな斬り方をした、その当事者である覆面の男は・・・・・オレが落馬した瞬間・・・・・・・オレに追撃をかけるでもなく、オレが倒れ行くさまを悲痛な表情で眺めていただけだった。
正直、ヤツの斬り方はなっていなかった。
オレでもロット爺でも・・・なんだったら、あいつ(フレド)でも・・・一斬りさえあれば、油断した相手の命を奪うことなど容易いだろうに・・・・・いまのオレは瀕死だが・・・・死んでないからな。
覆面の男の剣が良いからこそ、オレの身体強化を破り、ここまでの傷を負わせられたんだろう・・・・。
だがまぁ・・・・それでも有象無象と比べると、悪くない太刀筋で、才能を感じさせる逸材であることは間違いなかった。
あいつがこの事態に気づき、覆面の男を追い払ったときも、覆面の男は・・・時空魔法の<詠唱省略>なんて、とんでもない技を使っていたから、もしかしたら、あいつとタメを張れるくらいの実力もあるのかもしれないな・・・。
気配遮断に、それなりの太刀筋・・・・伝説の勇者並みの魔法操作・・・。
だから、こんな状態にもか関わらず・・・・新しい<強いヤツ>の出現に、地面に倒れ伏しながらもオレの胸が、少しだけ躍ってしまったのは仕方がない。
・・・・だけど、覆面の男への感情は・・・・・・
それだけだった。
アイオスに感じたような興味なら、この覆面の男にも向けることはできる・・・・・・
だが、あいつに・・・・フレドにむけるような、感情は全く持てなかったのだ。
オレは、ずっと出会えなかった<強い奴との闘い>のできる存在だと思ったから・・・・。
だから、フレドに執着ともいえる感情を抱いていたのだと思っていた・・・・。
だけど・・・この覆面の男への感情とフレドへの感情への違いに・・・・・気づいちまった。
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