悪役令嬢は男装して、魔法騎士として生きる。

金田のん

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第3章 入団までの1年間(2)、帝国の陰謀とグラナダ迷宮

47:鍛錬3日目・神殿の朝(1)自信喪失

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ベッドに入って5秒。私の意識はすぐに飛んだ。元々私は寝たくなったら寝る派。つまり眠くならなきゃ起きててずっとゲームすればいいと思うような人間だったのだ。

寝ようと思ったときの私は、かなり寝付きはいい。

そうして睡眠という幸せをかみしめて何時間経っただろうか。たぶん11時間は経っただろう。
ふいに何かに太ももが掴まれた。それと同時に、何かが体全体を覆った感触がした。


(なんだ?急に体が動かしづらく・・・?)


まだ寝たい私は、目を閉じたまま試しに身体強化魔法を使い、思いっきり力を入れて、体を拘束するような<何か>をはねのけようとするが・・・・まったくその<何か>の力は緩まない。

元々レティシアは貴族令嬢だからそこまでの力はないが、それでも身体強化魔法さえ使えば、並みの男以上の力は出る。・・・にも関わらず・・・だ。


(何だ・・・・?)


ずっとオンにしていた気配察知魔法に異常は感じられない。
近くにあるのは寝たときと同じように、アルフレッドの気配・・・あとは少し離れたところにいる同室の<ひげ面男>の気配だけだ。

ついでにいうと、<何か>が体を覆ってから感じられる匂いはなんだか安心する匂いだった。

だから、私は少し思案した後、再度意識を沈めることにしたのである。まだ最高に眠いから。

そうして、身体強化魔法を解き、再び力を抜くと・・・5秒くらいしたら、首筋にぬめっとした感触がした。
身体が思わず、びくりと震える。

続けてお腹に響くような低い声が耳元でした。


「はぁ・・・・・・おい、誘ってんのか・・・・・・?ちゃんと起きろ。寝たまま・・・は趣味じゃねぇんだよ・・・」


耳元に温かい空気がかかり、そのまま耳がぬめっとした感触に覆われる。

「・・・っ・・・?」

(いまのは・・・・アルフレッドの声・・・?ということは、この体を覆う<何か>はアルフレッド・・・・か・・・?

?誘う・・・・一体、なんだ・・・・・・・・・・・?)


ぬめっとした感触が、次第に耳から口元に移動してくる。
私の中の貴族令嬢・レティシアが、最大限の警鐘を鳴らしてくる。

つまり


(きゃあああああああ!)


悲鳴である。私は、いろいろもう観念して、目を開けることにした。面倒くさいがこれでは、安眠できない。

すると目の前にはまだ会って3日しか経っていない見慣れぬ端正な顔があった。

・・・・・・やはり体を覆っていたのはアルフレッドだったらしい。
私は目が合った瞬間、アメジストの瞳は壮絶な色気を発しながら、細められた。


「遅い起床だなぁ?・・・知ってるか?・・・・騎士団では、日の出までに整列していない新人は罰則があるんだぜ・・・?・・・・・・フレド」


そう言いながら、私の頬に指をはわせ、顔を近づけてきた。
私はその<言葉>にパニックになる。

・・・・・・と、同時に私たちにすごい勢いで一人の気配が接近するのに気づく。

・・・この気配は・・・・・・・。


「アル・・・お前・・・・何してんだよ・・・・っ!」


そう言いながら、アルフレッドの肩に触れようとしたのだろうその気配。
しかし、あっけなくアルフレッドに右腕を掴まれ、そのまま腕をひねり上げられた。


グキッ

「いだだだーーーーっ、・・・・・・・放しやがれ!!」


見ると、その気配はやはり<ひげ面の男>だった。両手を骨折中だろうに・・・・・悲惨だ。


「あ?・・・イェルク・・・・?・・・・なんでお前がいんだぁ?・・・というか・・・・・どこだぁ?ここは・・・・」


<ひげ面男>を見つめ、少し驚きで目を見開くアルフレッド。
そして、いま気づいたと言わんばかりに周囲を見渡す。

だが、私はいまだパニック状態だ。
なぜなら・・・・・・・


(まさか・・・本当なのか?ウソだといってくれ・・・。

・・・・・・騎士団が・・・日の出・・・前に起床だなんて・・・・・・・)


魔法騎士になると宣言してから1か月半。初めて私は魔法騎士になれないんじゃないか・・・と自信を失っていた。
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