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最終話:微睡みの先の重ねる時間は
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“我慢、してるんだ”
きっと私のナカに早く入りたくて苦しいのだろう。
けれどそんな欲望に耐え、少しでも私が辛くないようにと必死に我慢してるのだ。
“ロベルトは、いつもそういう人だったから”
いつだって私を見て、私のためにと考えてくれていて。
胸の奥がふわりと温かく、そしてきゅうっと締め付けられる。
――嫌いじゃない、じゃ、ない。
「もう、挿入していいよ」
「は? まだ……」
戸惑うロベルトの下半身へと手を伸ばすと、固く反り返った彼のモノをそっと蜜口へと誘導する。
くち、と互いが触れた音がしごくりとロベルトの喉が上下した。
「ちょっとくらい、痛くても平気。でも、“大好きな”ロベルトの、早く……欲しいから」
「ッ」
私の言葉に息を呑んだロベルトが、私のナカから指を引き抜く。
「せめてゆっくり、するから」
「うん」
私が小さく頷いたのを合図に、そのまま彼が腰を進めて。
――ぐぷ、と指とは全然違う、どこか弾力があって、けれどずっと熱くて固いモノが私を抉じ開けると、指とは比べ物にならないくらいの圧迫感に襲われる。
けれどピリッとした鋭い痛みに思わずぎゅっと両目を閉じると、すぐに瞼へと彼が口付けを降らせてくれて。
「リネア、悪い、痛いよな?」
向けられるその少し不安気で心配そうな視線が、私も堪らなく『愛おしい』とそう感じた。
「へ、いき……、だから。奥まで……」
乞うようにそう口にすると、更に奥へと挿入される。
彼のモノが突き挿れられる度に私のナカから愛液が溢れ滴った。
「ひゃ、んぁあっ」
最初はズクンとした鈍い痛みだけだったのに、想いが通じているからなのか。
痛みだけでなく疼きが私の奥にあり、そしてそこをロベルトので擦られたくて仕方ない。
“もっと、もっとロベルトを感じたい”
きっとこれが、好きな人を求めるという気持ちなのだろう。
少し進んでは止まり、馴染むのを待ってまた少し進むという行為を繰り返し、そして――
「あ、あぁあ……ッ!」
「っ、リネア、全部入ったぞ」
「……っ、あ、んん、ロベルト、じゃあ……」
彼のその言葉に安堵する。
“あぁ、これでやっと”
「これで、初夜完遂ね?」
「は?」
ピキッという音が聞こえるかと思うほど、ロベルトのこめかみがぴくついて。
「まだまだ、これからだろ……!」
「え、……ひゃ、待って、あぁあっ!?」
ズズ、と腰を引き抜かれたと思えばすぐにまた突き挿れられる。
ナカを抉るように抽挿され、その度に私の口から嬌声が溢れた。
最初は痛くて苦しかったはずの行為も、口よりもずっと気遣いながら馴染むようにゆっくりされたせいで気付けば疼きの先の快感までもを拾っていて。
「あっ、ん、あんっ」
「締めすぎだろ、くそ、きもちい……っ」
私の腰を掴み何度も揺すられ奥を突かれる。
パンパンと肌がぶつりかりあう音が部屋中へ響き、その音すらもが私をどんどん刺激して。
「リネア、リネア……っ」
「ん、キて、も、私……!」
ぐちゅんと最奥を貫かれ、そのままググッと更に奥を抉じ開けるように自らのモノを捩じ込んだロベルトのソレが、私の奥でびゅくりと震える。
じわりとナカで広がるその熱に、彼が私の膣内に劣情を放ったのだと気付いたのだった。
――それからどれくらいの時間がたったのだろう。
「……ん、?」
ふわりと頭を撫でられるような感覚に気付いた私は微睡みながらも少し意識が浮上する。
「起こしたか? すまない」
“ロベルト……?”
返事をしたいが、全身が怠く指一本動かせそうになくて。
「……まだ、寝てるか。はじめてなのに無茶をさせたな」
繰り返し撫でる彼の手のひらが温かくて心地いい。
「彼女が目覚めるのが楽しみだな。まだまだリネアと行きたいところが沢山あるんだ」
“…………え”
「遠駆けもいいな、昔馬に乗せてやったら喜んでいたし」
“ちょっと待って、確かに乗せて貰ったことはあるけどっ”
「そうだ、花畑にも連れて行ってやらねばな。そしてまた花冠を一緒に作りたい、今ならもっとリネアに似合うものが作れるはずだ」
“当時作ってたの、ロベルトだけだったはずだけど!”
穏やかな声色がまるで子守唄のように降り注ぎ、撫でる彼の手が私を微睡みからどんどん深い眠りへと誘うが、ここで眠ってしまっては明日の予定は乗り慣れない馬での遠駆けでお花畑に連れられるというメルヘンな予定が確定してしまう。
“だめ、だめよリネア、ここで寝たら明日もぐうたら出来ないんだからっ”
乗馬というのは全身運動だ。
その先に待つ未来は今以上の疲労と全身を襲う筋肉痛、そこにロベルトの笑顔があったとしても。
「せ……て、……て」
「? 起きたのか、リネア?」
“せめて、せめて予定はっ”
「大丈夫だ、側にいるから安心して眠れ。まだ夜明けは遠いからな」
“一日ひとつずつにしてぇ……ッ!”
「あぁ、わかってる。わかってるからな」
ちゅ、と額に口付けたロベルトが再び私をぎゅうっと抱き寄せると、安心感に包まれる。
“あぁ、ロベルトの『わかってる』が、どうか私の願いを『わかってる』でありますように”
結局私は彼の温もりに促されるように、頭の奥で必死にそう祈りながら眠りに落ちたのだった――。
きっと私のナカに早く入りたくて苦しいのだろう。
けれどそんな欲望に耐え、少しでも私が辛くないようにと必死に我慢してるのだ。
“ロベルトは、いつもそういう人だったから”
いつだって私を見て、私のためにと考えてくれていて。
胸の奥がふわりと温かく、そしてきゅうっと締め付けられる。
――嫌いじゃない、じゃ、ない。
「もう、挿入していいよ」
「は? まだ……」
戸惑うロベルトの下半身へと手を伸ばすと、固く反り返った彼のモノをそっと蜜口へと誘導する。
くち、と互いが触れた音がしごくりとロベルトの喉が上下した。
「ちょっとくらい、痛くても平気。でも、“大好きな”ロベルトの、早く……欲しいから」
「ッ」
私の言葉に息を呑んだロベルトが、私のナカから指を引き抜く。
「せめてゆっくり、するから」
「うん」
私が小さく頷いたのを合図に、そのまま彼が腰を進めて。
――ぐぷ、と指とは全然違う、どこか弾力があって、けれどずっと熱くて固いモノが私を抉じ開けると、指とは比べ物にならないくらいの圧迫感に襲われる。
けれどピリッとした鋭い痛みに思わずぎゅっと両目を閉じると、すぐに瞼へと彼が口付けを降らせてくれて。
「リネア、悪い、痛いよな?」
向けられるその少し不安気で心配そうな視線が、私も堪らなく『愛おしい』とそう感じた。
「へ、いき……、だから。奥まで……」
乞うようにそう口にすると、更に奥へと挿入される。
彼のモノが突き挿れられる度に私のナカから愛液が溢れ滴った。
「ひゃ、んぁあっ」
最初はズクンとした鈍い痛みだけだったのに、想いが通じているからなのか。
痛みだけでなく疼きが私の奥にあり、そしてそこをロベルトので擦られたくて仕方ない。
“もっと、もっとロベルトを感じたい”
きっとこれが、好きな人を求めるという気持ちなのだろう。
少し進んでは止まり、馴染むのを待ってまた少し進むという行為を繰り返し、そして――
「あ、あぁあ……ッ!」
「っ、リネア、全部入ったぞ」
「……っ、あ、んん、ロベルト、じゃあ……」
彼のその言葉に安堵する。
“あぁ、これでやっと”
「これで、初夜完遂ね?」
「は?」
ピキッという音が聞こえるかと思うほど、ロベルトのこめかみがぴくついて。
「まだまだ、これからだろ……!」
「え、……ひゃ、待って、あぁあっ!?」
ズズ、と腰を引き抜かれたと思えばすぐにまた突き挿れられる。
ナカを抉るように抽挿され、その度に私の口から嬌声が溢れた。
最初は痛くて苦しかったはずの行為も、口よりもずっと気遣いながら馴染むようにゆっくりされたせいで気付けば疼きの先の快感までもを拾っていて。
「あっ、ん、あんっ」
「締めすぎだろ、くそ、きもちい……っ」
私の腰を掴み何度も揺すられ奥を突かれる。
パンパンと肌がぶつりかりあう音が部屋中へ響き、その音すらもが私をどんどん刺激して。
「リネア、リネア……っ」
「ん、キて、も、私……!」
ぐちゅんと最奥を貫かれ、そのままググッと更に奥を抉じ開けるように自らのモノを捩じ込んだロベルトのソレが、私の奥でびゅくりと震える。
じわりとナカで広がるその熱に、彼が私の膣内に劣情を放ったのだと気付いたのだった。
――それからどれくらいの時間がたったのだろう。
「……ん、?」
ふわりと頭を撫でられるような感覚に気付いた私は微睡みながらも少し意識が浮上する。
「起こしたか? すまない」
“ロベルト……?”
返事をしたいが、全身が怠く指一本動かせそうになくて。
「……まだ、寝てるか。はじめてなのに無茶をさせたな」
繰り返し撫でる彼の手のひらが温かくて心地いい。
「彼女が目覚めるのが楽しみだな。まだまだリネアと行きたいところが沢山あるんだ」
“…………え”
「遠駆けもいいな、昔馬に乗せてやったら喜んでいたし」
“ちょっと待って、確かに乗せて貰ったことはあるけどっ”
「そうだ、花畑にも連れて行ってやらねばな。そしてまた花冠を一緒に作りたい、今ならもっとリネアに似合うものが作れるはずだ」
“当時作ってたの、ロベルトだけだったはずだけど!”
穏やかな声色がまるで子守唄のように降り注ぎ、撫でる彼の手が私を微睡みからどんどん深い眠りへと誘うが、ここで眠ってしまっては明日の予定は乗り慣れない馬での遠駆けでお花畑に連れられるというメルヘンな予定が確定してしまう。
“だめ、だめよリネア、ここで寝たら明日もぐうたら出来ないんだからっ”
乗馬というのは全身運動だ。
その先に待つ未来は今以上の疲労と全身を襲う筋肉痛、そこにロベルトの笑顔があったとしても。
「せ……て、……て」
「? 起きたのか、リネア?」
“せめて、せめて予定はっ”
「大丈夫だ、側にいるから安心して眠れ。まだ夜明けは遠いからな」
“一日ひとつずつにしてぇ……ッ!”
「あぁ、わかってる。わかってるからな」
ちゅ、と額に口付けたロベルトが再び私をぎゅうっと抱き寄せると、安心感に包まれる。
“あぁ、ロベルトの『わかってる』が、どうか私の願いを『わかってる』でありますように”
結局私は彼の温もりに促されるように、頭の奥で必死にそう祈りながら眠りに落ちたのだった――。
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