自転車に乗った王子様

藤咲未来(ふじさきみらい)

文字の大きさ
1 / 1
自転車に乗った王子様

自転車に乗った王子様

しおりを挟む
 昼休み、同僚の佐和子から「今日時間ある?あるよね、美味しい『焼き鳥屋さん』見つけたから行こう」

 いつもこんな感じで聞いてくる。確かにだいたい予定はない。ましてや、美味しい焼き鳥屋さんと聞いて、行かないはずもない。
私と佐和子は、入社して以来の友達だ。
気があい、よく食べ、よく飲み、よく遊び。お互い遠慮のいらない友達だ。
お互い二十九歳、嫁にも行かず、人生をそれなりに楽しんでいる。

 仕事帰り、さっそく行くことにした。
焼き鳥屋は、会社から歩いて五分ほどのところで、意外に近くだった。
街路樹のケヤキの葉が、綺麗に紅葉していた。
「すっかり秋だね」そんなことを言いながら、歩いていると、「ここだよ」と、佐和子が立ち止まった。
そこには、まだ新しく、ちょっとお洒落な焼き鳥屋があった。

 一歩踏み込むと、焼き鳥の香ばしいにおいでいっぱいだった。
「いらっしゃいませー」「こちらへどうぞ」ほぼ満席で、空いているのはカウンター席だけだ。
数人のスタッフは、明るい笑顔と元気な声で、感じが良かった。
店内は落ち着いた雰囲気で、清潔感がある。

 「あの人が、ここの店の店長だよ」
佐和子に言われて目をやると、カウンターの中の端に、恰幅のいいおじさん?お兄さん?がいた。
流れる汗を首に巻いたタオルで拭きながら、焼き鳥を焼いていた。

 佐和子の「まだ若いらしいよ」は、興味なかった。
「仕事の行き帰りは自転車なんだって。ダイエットかな」それも興味なかった。

 「そうか、麻希は結婚を約束した人がいるんだよね」と、またからかうように言った。

 これは、私が幼稚園のときの話で、佐々木優くんのことだ、名前の通り優しくて大人しい子だった。
私は子供でも、「悪いことは悪い」と、はっきり言う方だった。
優くんが、悪ガキにからかわれていたとき「そんなこと言ったらダメだからね」と、言ったことがあった。
そのとき優くんが「麻希ちゃん、大きくなったら、僕と結婚してくれる?」と言ったことがある。
「うん、いいよ」私もそう答えた。

 この話をしたことがあるので、佐和子は覚えていて、ずーっと言ってくる。
優くんとは中学校まで一緒だった。
その頃も変わらず優しくて、楽しくて、容姿も良くて、人気者だった。

 でも、その後は一度もあったことがない。
私も、まさかその約束をあてにして結婚しない訳ではない。
ただ、縁がなかっただけ。

 「その後、彼から連絡ないの?」佐和子は興味があるらしい。
私が、「あのね、幼稚園のときの話だよ、覚えているはずないよ」
それでも佐和子は「偶然バッタリ、なんてこともあるよ」と、おもしろがっていた。

 佐和子も私も、二十九歳。
「いつか『白馬に乗った王子様』が迎えにくるよ」そう言って、二人で笑ってた。

 次の日、会社に行くと佐和子が慌てたように、「ねえねえ、知ってる?昨日行った焼き鳥屋さん、『あさき』っていうんだって」
そうか、店の名前は聞いてなかった。
「麻希、わからないの?」「『あさき』麻希ってことだよ」
佐和子の話がこじつけ過ぎて、笑ってしまった。
「佐和子、私は、『まき』だよ」
「あの店長は、優くんとは似ても似つかないよ、優くんは私と同級生だよ。二十九歳には見えないよ」と笑った。
じゃあ、また確認に行こう。と、言っていたが、なかなか時間も合わずしばらく行けなかった。

 この日、ちょっと嫌なことがあり、佐和子を誘ったが、佐和子は時間が取れず、一人で、「あさき」へ行った。
美味しかったのも、もちろんだが、女性が一人でも居心地良さそうに感じた。
カウンターで一人、ビールとネギマとつくねを注文した。

 「お待たせしましたぁ」と、あの恰幅のいい店長が運んできた。
「今日はお一人ですか?」と聞かれ、思わず「私ですか?」と聞いた。
前回、佐和子と来てから、もう一か月ぐらいになる。それも一回だけ。
店長は「綺麗な人は覚えているんですよ」と、判で押したような、お世辞を言った。
「…」こんなとき佐和子なら上手く返す。
「あっ!」急に店長の大きな声に驚いていると、「麻希ちゃん!麻希ちゃんだよね」
それでも、私がキョトンとしてると「僕だよ。佐々木優だよ」
「内田麻希ちゃんだよね」
それでもまだ信じられなかった。私の知っている佐々木優くんではなかった。
人間は驚きすぎると言葉が出なくなる。
私が黙っていると、「良かったよ。やっと会えたね」そう言ってニコニコする店長。
私は心の中で、何かの間違いだよ、優くんの面影はどこにもない。
でも、前で話している、友達の名前も、懐かしい昔話も全部わかる。
なぜか、いたたまれなくなった。
「ごめんなさい…私、ちょつと用事を思い出して…」支払いを終えて店から出た。

 すると、そこで佐和子に会った。
「あれ、もう帰るの?用事終わらせて急いできたのに…」
佐和子の言葉を聞きながら、よくぞ来てくれた。そんな思いで佐和子の腕を組んで、次の店に行った。

 私の話を聞きながら「えーっ。本当にそうだったの?すごいね、やったじゃん。あゝ、麻希もついに結婚かぁ」と、佐和子が言った。
黙ったままの私を除き込んで、「何がそんなに嫌なの?」と、佐和子が聞いてきた。
「何って…」
すると佐和子は、「もう一度お店に行ってみたら?」
「今日は突然すぎたからさ。また行ってみようよ」と静かに言った。
うん、そうする。とも言えず、なんとなくあやふやな返事で、その日は佐和子と別れた。

 あれから一週間、2週間が過ぎた。
私の性格を知っている佐和子は、何も言ってこない。
一度だけ、自転車で走っている店長を見かけた、と言ってきただけ。
昼休み「あのさ…」佐和子に声をかけると、
「いいよ。じゃあ今日、行こう」と、言った。
私「何も言ってないけど」
佐和子「じゃあ何?」
私「…」

 仕事帰り、佐和子と「あさき」へ行った。
大きく深呼吸をして、店に入った。
「いらっしゃいませー」
「どうぞ」案内されたのは、またカウンター席だった。
いつ行っても、だいたい満席だ。
ビールと、盛り合わせを注文した。
ビールが届いても、焼き鳥が届いても、優くんは何も言ってこなかった。
カウンターの奥の端で、焼き鳥を焼いていた。

 私に気づいてないの?
別にいいけど…。
もう、ビールも焼き鳥も終わる。
でも、優くんは何も言ってこない。
「さあ、じゃあ…お会計は…」佐和子が帰る準備を始めた。
えっ?
私、何しにきたの?
もう二度とこない、そんな思いで店を出た。

 佐和子に「この前、私が話したの嘘みたいだよね」と言った。
佐和子は「そんなことないよ、本当だってすぐわかったよ」
「えっ、どうして?」
「店長を見ればわかるよ、麻希が来てるのがわかっていても、全く無反応」
私はなぜか急に腹が立った。
「ひどい話だよね。この前は『やっと会えたね』なんて言って今度は無視だよ」
佐和子が「麻希、この前、話の途中で帰ったんでしょ。だったら麻希の方が先に無視してるよ」「それに、良かったじゃん。麻希は嫌だったんでしょ」
「私、もうここへは来ない」私はハッキリと、言った。
佐和子は笑いながら、「いいと思うよ、麻希の自由だからね」
なんだか釈然としなかった。

 その日以来、あの店には行かなくなった。
昼休み佐和子が数人の女子社員と話しているのが聞こえた。
「あの焼き鳥屋さん、美味しかったです」
「店長も楽しくて、お財布にも優しい!もう常連です」楽しそうな会話が聞こえる。
佐和子が教えたんだ、佐和子も行っているのかな…。
そんなことを考えながら、社食で、一人座ってた。
 
私に気がついた佐和子が、私の傍に来た。
そして、隣の椅子に座った。

 「麻希、私には麻希が知ってる優くんは、わからないけどね、『あさき』の店長が、人気があるのはわかるよ」
「麻希にわからないんだったら、麻希は店長の外見しか見えてないんだよ」
佐和子に言われて、そうかもしれない。でも、それとこれとは別だと思っていた。

 その後も「あさき」には行かなくなった。
一か月ぐらいした頃、佐和子と「あさき」の話をしていた女子社員の一人が、結婚すると、楽しそうに話していた。
「きっかけは焼き鳥屋さんで、焼き鳥婚です」と嬉しそうに笑ってた。
私は、一人心の中で、えっ、結婚、優くんと?良かったじゃん…。と、つぶやいた。

 昼休み、久しぶりに佐和子が「今日、『あさき』行こうよ」
佐和子の言葉に、私は動揺してしまった。
「予定ある?」聞かれ、「何もないよ、いいね、久しぶりに行ってみようか」
佐和子は鋭いから、私の動揺を見抜いたかも知れない。
でも、平然を装った。

 仕事が終わるまで、中学生の頃までの優くんのこと、「あさき」オーナーのことを考えていた。
似ても似つかない、と思っていた。
でも、今思うと「麻希ちゃん」と呼ばれた瞬間、懐かしさがあったのは事実だ。
太って、雰囲気は違うけど、あの優しい優くんだった気がする。
店の名前の「あさき」は「麻希(マキ)」からなのかな…?
「やっと会えたね」どう言う意味だったの?
今更考えても仕方のないことを、考えていた。
もう…優くんは結婚が決まったんだ。「おめでとう」って言ってあげよう。

 「おつかれ、行こうか」佐和子が声をかけてきた。
「おつかれ、うん、行こう」
久しぶりの気がする。
店の前の街路樹のケヤキの枯れ葉が、ほぼ落ちてしまい寒さを誘った。
「あさき」の店の前にきたとき、わからないけど、大丈夫、大丈夫、と自分を励ましていた。

 「いらっしゃいませ」気持ちのいい声が懐かしく感じた。
佐和子が突然「店長」と言って優くんに手を振った。
「ああ、さわちゃん」と、優くんが手を振り返した。
あっけに取られる私を見て、「あれからも時々来てたの、美味しいからね。麻希はもう行かない、って言ってたから誘わなかったけどね」

 佐和子は、メニュー表を見ながら、
「店長、いい人だよ。この店は美味しいのも事実だけど、『ほとんどのお客さんが店長に会いに来ているんです』ってスタッフの子が言ってたよ」
私は、なぜ来たのか…後悔していた。

 一言「結婚おめでとう」、そう言って帰ろう。そう思い優くんの方を見ると、優くんの前のカウンター席にいたのは「焼き鳥婚です」と、喜んでいた彼女だった。
優くんと、笑って話していた。
少しだけ時間が止まった。
「いらっしゃいませ」の声がして、背の高い仕事帰りの、サラリーマン風の人が入ってきた。

 そして、その彼女の隣に座った。
佐和子が「あの人が結婚相手みたいだね。ここで知り合った。って言ってたからね」
佐和子の言葉に「えっ?優くんと結婚するんじゃないないの?」
佐和子は「知らない、彼女そんなこと言ってた?」
「いや、そうじゃないけど…違うの?」
すると後ろで、「お先失礼します」と微笑んで、彼女が彼と帰って行った。

 「どういうこと?」私は佐和子を見た。
「彼女、今の彼とここで知り合ったらしいよ。麻希、あのこが店長と結婚すると思って勘違いしたんでしょ?」
慌てて「違うよ」と言ったら、なぜだろう涙が出てきた。
佐和子が「店長」と優くんを呼んだ。
優くんは来ると「麻希ちゃん、どうしたの?
」「さわちゃん、麻希ちゃんをいじめないでよ」と、佐和子と優くんが笑ってた。
私はどうしようもなく涙が止まらなかった。

 店を出た私は、佐和子に「ありがとう。なんかさあ、うまく言えないけど…ありがとう」
佐和子が「麻希は店長が好きなんだよ。素直に認めた方がいいよ」
佐和子の言葉を、素直に受け止めることができた。

 「もう、こんなに寒くなったんだね」佐和子が、そう言って夜空を見上げた。
「ほんとだね」私も立ち止まって夜空を見上げた。

 十二月も後半になり忘年会の日が来た。
二次会三次会まで行き、三次会ではカラオケで盛り上がった。
帰り道「終電、大丈夫かなぁ」と、佐和子と急いだ。

 「あさき」の前にさしかかったとき、大きな男の人が自転車に乗ってやってきた。
通り過ぎようとしたとき「あれ、麻希ちゃん、さわちゃん」と、声をかけてきた。
優くんだった。
佐和子が「店長、ごめんね、急いでいるから、またお店にいくね」と手を振った。
「あ、気をつけて」と、優くんも手を振った。
「自転車も、重いだろうね、気の毒に」
私が言うと、佐和子が「麻希の王子様は白馬じゃなくて、自転車に乗って来たね」と、笑った。
「私も白馬が良かったよ」と、いつの間にか私の中には、優くん「あさき」の店長がいた。

 でもあの日以来、優くんは、「良かったよ。とも、やっと会えたね。とも言ってくれない」
どのお客さんにも、私にも同じだ。
もしかして、冗談だったのかも知れない。
私一人、勝手に…。

 そのとき後ろから車のクラクションが鳴った。
振り向くと、車に乗った優くんだった。
「終電、大丈夫?送るよ。乗って」
すぐ近くに住んでるらしく、自転車をおいてすぐに、来てくれたらしい。

 佐和子が、「わー、店長ありがとう」
「麻希、良かったね、終電ギリギリだったから、これで間に合うね」
このときの私は、終電に間に合うのは嬉しいけど、優くんに対して、心が迷子になりそうだった。

 「若い乙女が終電に遅れて、途方に暮れたら大変だからね」と優くんは笑った。
そして「僕の大切な婚約者だからね」と言った。
佐和子が私を見ながら「店長、若い乙女が二人いるんですけど」
佐和子が言うと「さわちゃん、ごめんね。婚約者は一人だけど、さわちゃんも大切なお友達です」と二人で笑ってた。
「店長、麻希は、ちゃんと言葉で伝えないと、わかってないみたいよ」と、言いながら佐和子が私を見て、笑った。

優くんは、ハザードランプをつけて車をとめた。
そして運転席を降りて、私が座っている席のドアを開けた。
優くんはしゃがんで「麻希ちゃん、大きくなったら僕と結婚してくれる」
それは、幼稚園のときの優くんの言葉だった。
覚えていたんだ。紛れもなく、あの優くんがいた。
嬉しくて、涙が止まらなかった。
佐和子が隣でハンカチを渡してくれた。
「うん、いいよ」私もあのときの言葉で答えた。
そう言った後、佐和子に抱きついて泣いた。
「良かったね、おめでとう麻希」
「さわこ…」
「よし、よし」
すると、優くんが「そっち…?」「麻希ちゃん、どうぞ!」と、言って両手を広げて見せた。
優くんの言葉に三人で笑った。

 次の日、佐和子から「あさき」へ行こうと誘われた。
街路樹のケヤキの枯れ葉は全て落ちてしまい、いつの間にかイルミネーションが取り付けられていた。
何度も来ている「あさき」だけど、今日は少し違った。
ドアの向こうの優くん。
「麻希ちゃん、大きくなったら、僕と結婚してくれる」昨日の、優くんの言葉が、まだ耳に残っている。
佐和子を見ると、佐和子は笑って、私の背中を押した。
「いらっしゃいませ」
そこは、今までと違う「あさき」だった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件

水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」 結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。 出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。 愛を期待されないのなら、失望させることもない。 契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。 ただ「役に立ちたい」という一心だった。 ――その瞬間。 冷酷騎士の情緒が崩壊した。 「君は、自分の価値を分かっていない」 開始一分で愛さない宣言は撤回。 無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。 以後、 寝室は強制統合 常時抱っこ移動 一秒ごとに更新される溺愛 妻を傷つける者には容赦なし宣言 甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。 さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――? 自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。 溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

処理中です...