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母の再婚
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新しい屋敷の門が重々しい音を立てて開かれると、石畳の先に左右に整列した使用人たちが一糸乱れぬ姿勢で頭を垂れている。その光景にエセルは思わず息を呑んだ。父のいた子爵家や母の実家の男爵家との格の違いを嫌でも思い知らされる。
「奥方様、そしてお嬢様。お待ち申し上げておりました」
家令と思しき初老の男性が一歩前に出て深く礼をする。その声はよく通り、感情を感じさせないほどに整っていた。続いて、使用人たちが一斉に口を開く。
「ようこそお越しくださいました」
その響きがどこか冷たく聞こえた。歓迎されていないのだなと嫌でも分かる。だが、気づいていないのか母は微笑み、軽く会釈を返していた。エセルもそれに倣い、頭を下げる。
格式ある門をくぐった瞬間からエセルは自分が客人以下の存在であると感じていた。使用人たちの視線は値踏みするようで居心地の悪さが肌にまとわりつく。玄関ホールへ足を踏み入れると、上質な衣服を身に纏った上品な男性が現れた。年の頃は母と同じくらいだろうか。落ち着いた足取りで近づき、母の前で立ち止まると柔らかな笑みを浮かべる。
「よく来てくれた。道中は疲れなかったか」
その声には労わりと誠実さがあった。母は安堵したように表情を緩める。
「ありがとうございます。こうして迎えていただき……」
男性は頷き、それからエセルへと視線を移した。エセルが挨拶をしようと頭を下げると、片手でそれを制し言葉をかける。
「よく来た。私がこの家の当主、ベネディクト伯爵グウェンだ。この家で不自由のないように、必要なものがあれば遠慮なく伝えなさい」
それは確かに歓迎の言葉だった。だが、母に対しての言葉よりも随分と距離を感じる。まるで家族としてではなく、保護すべき存在として迎えられているような……そんな響きだった。
使用人たちは再び頭を下げ、当主は母の手を取り屋敷の奥へと導いた。エセルはその少し後ろを歩く。言いようのない疎外感に包まれながらも、それでもそうするしかなかった。帰る場所はもうどこにも残されていないのだから。
当主が母を伴って屋敷の奥へ進もうとした、そのときだった。
「──失礼」
低く、よく通る声が広間に差し込む。
声のする方へ顔を向けると、階段の上に一人の青年が立っていた。
驚くほど華やかな美貌の青年は堂々とした態度でこちらに視線を向ける。長い睫毛の影が美しい瞳の上に落ち、結い上げられた淡い色の髪がわずかな動きに合わせて首筋をなぞる。唇にはかすかな微笑が浮かび、その表情には気品と貴族としての余裕が滲んでいた。
「遅くなりました、父上」
青年は言葉ではそう言いながらも、その態度には悪びれる様子はない。使用人たちは一瞬だけ視線を走らせ、すぐに何事もなかったかのように頭を下げた。その反応だけで彼がこの屋敷の空気を支配する存在だと分かる。
当主はそんな青年を咎めることもなく静かに頷いた。
「来たか」
青年は階段を下りながら母へと視線を移す。微笑みを浮かべ、優雅に一礼した。
「義母上。お越しをお待ちしておりました」
母をそう呼ぶということは、この青年は当主の息子なのだろうか。
しかし誰一人として彼を紹介しないためエセルには判断がつかなかった。
青年に向けられた母の微笑みは親しげで、二人が初対面ではないことが分かる。そこにますます疎外感を覚えた。
そして、青年の視線がエセルへと向く。まるで品定めするような視線に居心地の悪さを感じた。
「……はじめまして。エリザベートの娘、エセルでございます。以後、お見知りおきくださいませ」
エセルの挨拶に青年は「なるほど」と短く呟いただけで自ら名を明かすことはなかった。初対面で名を名乗らないという行為は不作法以外の何ものでもない。今までそのような態度を取られたことのないエセルは驚き、思わず顔を上げると青年の意地の悪い眼差しとぶつかる。
「義母上に比べると……随分と慎ましいな」
暗に”地味”だと言われたようなその言葉にエセルの頬は羞恥に燃えるように赤く染まった。
分かっている。自分が母に比べて華のない容姿をしていることくらい。
金の髪に青い瞳の母に対し、焦げ茶色の髪とオリーブの瞳を持つエセルではいくら顔立ちが似ていようとも華やかさに欠けるのだと自覚はしていた。
だが、それをわざわざ指摘する必要がどこにあるというのか。しかも、初対面で。
青年のむきだしの悪意にエセルは怒りと困惑を感じずにはいられなかった。
母はそんな娘に気づかぬふりをして微笑んでおり、当主は何も言わない。
当主はともかくとして、母が自分の気持ちに寄り添ってくれないことにエセルはまた一つ失望を重ねた。
そんな空気は割くように、気まずそうな顔をした家令が母へと声をかける。
「奥方様、お荷物はすでに部屋へ運ばせております。長旅でお疲れでしょうから、すぐにお茶をご用意いたします」
母は少し戸惑いながらも微笑み、当主に視線を向ける。
「疲れただろう。まずはお茶でも飲んで休んでくれ」
そのやり取りはまるで長年連れ添った夫婦のように自然だった。
娘が馬鹿にされているというのに、気にも留めず新たな夫と睦まじくする母の姿にエセルの心はスーッと冷えていった。
「お嬢様はどうぞこちらへ。部屋へと案内いたします」
名も呼ばれず、ただそう促され、エセルは反対方向へと歩き出した。
背後で母を迎える声が聞こえる。
「奥方様、お疲れでしょう。お茶はいつものものでよろしいでしょうか」
“いつもの”。
その言葉が胸に響く。 “いつもの”と言われるほど母はこの屋敷に来ているのか。父が亡くなってそう月日は経っていないというのに……。
長い廊下を進みながらエセルは思った。優しかった“エセルの母”はもういないのだと。
ここにいるのは母ではない。 “ベネディクト伯爵夫人”なのだと。
そして──自分はこの屋敷では“客人”でしかないのだと。
案内された部屋は陽当たりが悪いのか、どことなく湿っていて黴臭い。
ベッドに腰を下ろした瞬間、張り詰めていた糸が切れた。
肩が震え、視界が滲む。
「……お父様……」
声に出した途端、エセルの瞳から涙がとめどなく溢れた。
この家に自分の居場所などない。歓迎されているのは母だけだ。自分は母のおまけでしかない。
「会いたい……。会いたいよ、お父様……」
いつも優しく、確かに家族を守ってくれていた父を思い出し、エセルはただ泣き続けた。
まるで、父を失ったあの日のように。
「奥方様、そしてお嬢様。お待ち申し上げておりました」
家令と思しき初老の男性が一歩前に出て深く礼をする。その声はよく通り、感情を感じさせないほどに整っていた。続いて、使用人たちが一斉に口を開く。
「ようこそお越しくださいました」
その響きがどこか冷たく聞こえた。歓迎されていないのだなと嫌でも分かる。だが、気づいていないのか母は微笑み、軽く会釈を返していた。エセルもそれに倣い、頭を下げる。
格式ある門をくぐった瞬間からエセルは自分が客人以下の存在であると感じていた。使用人たちの視線は値踏みするようで居心地の悪さが肌にまとわりつく。玄関ホールへ足を踏み入れると、上質な衣服を身に纏った上品な男性が現れた。年の頃は母と同じくらいだろうか。落ち着いた足取りで近づき、母の前で立ち止まると柔らかな笑みを浮かべる。
「よく来てくれた。道中は疲れなかったか」
その声には労わりと誠実さがあった。母は安堵したように表情を緩める。
「ありがとうございます。こうして迎えていただき……」
男性は頷き、それからエセルへと視線を移した。エセルが挨拶をしようと頭を下げると、片手でそれを制し言葉をかける。
「よく来た。私がこの家の当主、ベネディクト伯爵グウェンだ。この家で不自由のないように、必要なものがあれば遠慮なく伝えなさい」
それは確かに歓迎の言葉だった。だが、母に対しての言葉よりも随分と距離を感じる。まるで家族としてではなく、保護すべき存在として迎えられているような……そんな響きだった。
使用人たちは再び頭を下げ、当主は母の手を取り屋敷の奥へと導いた。エセルはその少し後ろを歩く。言いようのない疎外感に包まれながらも、それでもそうするしかなかった。帰る場所はもうどこにも残されていないのだから。
当主が母を伴って屋敷の奥へ進もうとした、そのときだった。
「──失礼」
低く、よく通る声が広間に差し込む。
声のする方へ顔を向けると、階段の上に一人の青年が立っていた。
驚くほど華やかな美貌の青年は堂々とした態度でこちらに視線を向ける。長い睫毛の影が美しい瞳の上に落ち、結い上げられた淡い色の髪がわずかな動きに合わせて首筋をなぞる。唇にはかすかな微笑が浮かび、その表情には気品と貴族としての余裕が滲んでいた。
「遅くなりました、父上」
青年は言葉ではそう言いながらも、その態度には悪びれる様子はない。使用人たちは一瞬だけ視線を走らせ、すぐに何事もなかったかのように頭を下げた。その反応だけで彼がこの屋敷の空気を支配する存在だと分かる。
当主はそんな青年を咎めることもなく静かに頷いた。
「来たか」
青年は階段を下りながら母へと視線を移す。微笑みを浮かべ、優雅に一礼した。
「義母上。お越しをお待ちしておりました」
母をそう呼ぶということは、この青年は当主の息子なのだろうか。
しかし誰一人として彼を紹介しないためエセルには判断がつかなかった。
青年に向けられた母の微笑みは親しげで、二人が初対面ではないことが分かる。そこにますます疎外感を覚えた。
そして、青年の視線がエセルへと向く。まるで品定めするような視線に居心地の悪さを感じた。
「……はじめまして。エリザベートの娘、エセルでございます。以後、お見知りおきくださいませ」
エセルの挨拶に青年は「なるほど」と短く呟いただけで自ら名を明かすことはなかった。初対面で名を名乗らないという行為は不作法以外の何ものでもない。今までそのような態度を取られたことのないエセルは驚き、思わず顔を上げると青年の意地の悪い眼差しとぶつかる。
「義母上に比べると……随分と慎ましいな」
暗に”地味”だと言われたようなその言葉にエセルの頬は羞恥に燃えるように赤く染まった。
分かっている。自分が母に比べて華のない容姿をしていることくらい。
金の髪に青い瞳の母に対し、焦げ茶色の髪とオリーブの瞳を持つエセルではいくら顔立ちが似ていようとも華やかさに欠けるのだと自覚はしていた。
だが、それをわざわざ指摘する必要がどこにあるというのか。しかも、初対面で。
青年のむきだしの悪意にエセルは怒りと困惑を感じずにはいられなかった。
母はそんな娘に気づかぬふりをして微笑んでおり、当主は何も言わない。
当主はともかくとして、母が自分の気持ちに寄り添ってくれないことにエセルはまた一つ失望を重ねた。
そんな空気は割くように、気まずそうな顔をした家令が母へと声をかける。
「奥方様、お荷物はすでに部屋へ運ばせております。長旅でお疲れでしょうから、すぐにお茶をご用意いたします」
母は少し戸惑いながらも微笑み、当主に視線を向ける。
「疲れただろう。まずはお茶でも飲んで休んでくれ」
そのやり取りはまるで長年連れ添った夫婦のように自然だった。
娘が馬鹿にされているというのに、気にも留めず新たな夫と睦まじくする母の姿にエセルの心はスーッと冷えていった。
「お嬢様はどうぞこちらへ。部屋へと案内いたします」
名も呼ばれず、ただそう促され、エセルは反対方向へと歩き出した。
背後で母を迎える声が聞こえる。
「奥方様、お疲れでしょう。お茶はいつものものでよろしいでしょうか」
“いつもの”。
その言葉が胸に響く。 “いつもの”と言われるほど母はこの屋敷に来ているのか。父が亡くなってそう月日は経っていないというのに……。
長い廊下を進みながらエセルは思った。優しかった“エセルの母”はもういないのだと。
ここにいるのは母ではない。 “ベネディクト伯爵夫人”なのだと。
そして──自分はこの屋敷では“客人”でしかないのだと。
案内された部屋は陽当たりが悪いのか、どことなく湿っていて黴臭い。
ベッドに腰を下ろした瞬間、張り詰めていた糸が切れた。
肩が震え、視界が滲む。
「……お父様……」
声に出した途端、エセルの瞳から涙がとめどなく溢れた。
この家に自分の居場所などない。歓迎されているのは母だけだ。自分は母のおまけでしかない。
「会いたい……。会いたいよ、お父様……」
いつも優しく、確かに家族を守ってくれていた父を思い出し、エセルはただ泣き続けた。
まるで、父を失ったあの日のように。
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