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第二の能力

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 「貴方の話が信じられないって思ってる人が多いわ。どうしたらいいのかしら?」
 「前に言った親の嘘、怖い夢でも見たのね、夢みたいなことばっかり言ってないでちゃんとしなさいってやつ…自分の居場所が無くなる恐怖の為に、虐待、親に自己否定感を植え付けられた子供は自分の感覚を否定するようになる。こんな風に感じる自分がおかしいんだと。そういうのが精神病の原因なんだが、世間はそれを認めたくない為に、事実を捻じ曲げる。フロイトの話なんだが、今はもう…」
 「そうね。切りすとの話みたいに、ネットでは真実は伏せられて、もう確認は出来ないわ。」
 「…随分前に、本を読んだ時でも、記述してるものは少なかった。今の宇木先生が言うには…フロイトは、人間の心の『無意識』という世界を発見した…彼の理論に対しては生前から批判も絶えず…リビドーは、日常的には性的欲望または性衝動と同義に用いられる。世間一般的には、リビドーという言葉は抑えきれない性的欲求のようなものを指して使われる。特に男性の荒々しい露骨な性的欲求を表現する言葉としてしばしば使われ、また時には男性の性的欲望を軽蔑する意味合いの言葉としても使われる。 これはジークムント・フロイトが「性的衝動を発動させる力」とする解釈を当時心理学で使用されていた用語Libidoにあてたことを継承したものである。幼児性欲とは幼児の持つ性的傾向による性欲である。近親であろうと同性であろうと自分自身であろうとあらゆる対象が性的な対象とされる。5~6歳ごろの男子のリビドーは母親に向かい、母親の愛情を独り占めしようとします。その際に父親をじゃま者であると感じます。しかし、この願望は満たされないので母親への愛情と父親への憎しみは無意識の中へと抑圧されます…現在の宇木先生のお言葉は肝心な所が抜けていて、理解しにくいんだが、兎も角、フロイトは無意識を発見したんだが批判が絶えなかった。当初問題はリビドーにある、つまりこれは男性の荒々しい露骨な性的欲求だ。それが幼児性欲にすり替わってる。批判に耐えかねて主張を捻じ曲げたのでは、というのが当時読んだ本の解釈だ。俺もそう思う。大人の性的欲求を子供の幼児性欲のせいだとすり替えている。第二次性徴、つまり精通や生理があるまで人は性欲は持たない。親の性欲の投影だ。親が性的に子供に関わることは性虐待なんだが、世間はそれを認めたくない。これも、今は確認出来るものは少ないだろうが、1990年代、フェミニズム運動が活発だった頃、子供時代の虐待を裁判で訴えた人が居たが、カウンセラーが催眠術で嘘をつかせたとか言われて、事実自体が認められることは無かった。子供虐待防止プログラムという、子供の権利を守る考えもあるんだが、全く広まらない。多くの人間が認めたくない為に否定されている。あのフロイトも。そして、そのフロイトの精神分析が心理学の主流になってる。専門家に掛かって心の回復が出来るわけがない。」
 「分かったわ!ちょっと待ってね…!ヤマキから送られてきた情報で、貴方の暗示を解くわ!ヤマキに対する罪悪感で貴方の能力が眠らされていたの。ヤマキが少し自分のコントロールが出来るようになったのだわ…!」

 ’第六感ー具現化’

 
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