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アフター・アフター・レイン・トーク
アフター・アフター・レイン・トーク<CXII>
しおりを挟む「え?♡ なになに、防御力って?♡♡ 鎧とか甲冑とかなら防御力高いのわかるけど、タオルで守り切るのは難しくない?♡ だって――……♡♡」
わたしの行動を勘違いしたと思われる彼は、身体の隙間に入り込ませた手で左の胸を覆い、むにゅんっと掴んできた。
「!? ひゃう……っっ♡♡」
「服と下着に守られてても、きみのここはこーんなに柔らかいんだからさ♡♡ ……癖になるな、これ……♡♡」
その一回きりで済めばよかったのだけれど、わたしが反射的に声を上げても彼の手は止まらない。長い指をバラバラに動かされ、パンツ内部の湿度が一気に高くなった。
「えっち…………!」
とろりとした蜜が滲み出したそこは、直接的な刺激を欲しがって切なく疼き出した。
「ごめんね。いまは触られたくなかった? それとも、許可なく触られたくなかった?」
しゅんとした彼は胸を揉むのをやめ、肩から二の腕にかけてを優しくさすってくれた。断りも入れずに胸を揉みしだいてきた人とは思えなかった。
「…………どっちでもないよ。びっくりしちゃっただけ。ちょっと触ってもらったら、もっとちゃんと触ってほしくなっちゃったと思ってるくらい……♡♡」
「なにそれ♡♡ おねだり上手でかわいいなぁ♡ もっとおっぱい触ってほしいんだ?♡♡ ……なのに、見せるのは恥ずかしいの?♡♡」
最初の質問に頷いて、次の質問にも頷いて、それからそっと手首を掴んでみた。
自分のそれとは異なり指が回らなかったところに、大きく出っ張った骨に、普段は特段意識していない彼の性別を感じてしまい、呼吸が浅くなった。
「見せなくても触ってもらうことはできるでしょ? む…………胸のところは乾燥しにくいと思うし、確認してもらわなくても問題ないんじゃないかなって思うんだけど……」
「見られるの、そんなに恥ずかしい?」
彼は目をぱちくりさせて尋ねてきた。その瞳は純粋そのものだけれど、先ほど揉まれた胸は彼のいやらしい手つきを記憶している。あの手つきは完全に欲情している男性のものだった。
いまはいつもどおりの女の子よりかわいくて王子様のように紳士的な彼に戻っているけれど、油断していたらおいしく食べられてしまうに違いない。だから、わたしは騙されるわけにはいかないのだ。決して。
「は、恥ずかしいよ…………! 服の上から見られるのだって恥ずかしいもん。なのに、裸なんて……! 君は結構わたしの身体見てることあるけど、ちゃんと気付いてるし毎回恥ずかしいんだからね?」
わたしが彼を警戒している理由は実はもうひとつあった。彼は誘惑には乗ってこないくせに、いま言ったとおり、全身に邪な視線を送ってくることが多々あったからだ。
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