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第七章 公爵の異世界生活

北村代官・オッカー・ダスケー、南村代官・トウヤー・キッシー

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「僕、見てきますね」

と、寒がりのハイトンが見に行ってくれた。
ミラがハイトンの寒がりを見かねてロングコートを作ってあげたようだ。
真っ赤なロングコート、似合うな~俺には無理。

「御主人様、なんか新年の挨拶だそうです」

ん~、年開けてたのね。
世捨人並、いや、ただただ引きこもってるので知りませんでした。
ハイトンが連れてきた人物は玄関先で深々と頭を下げ続けるので中に入ってもらった。
寒いから扉を閉めてくれ。

「失礼します。北の村代官・オッカー・ダスケーにございます」


「お初にお目にかかります、南の村代官・トウヤー・キッシーと申します」

大岡忠相?遠山金四郎?
違いますよね、はははっ。

オッカーは、オールバックに眼鏡、真面目なオヤジタイプ40前半?

トウヤーは、剃り込みの入ったリーゼント、ヤンチャなオヤジタイプ40前半?

「えっと、久慈政宗です、とりあえず、座ってください、立っていられると話ししずらいので、お二人はシュルリー王女が派遣している代官ですか?」

「はい、挨拶が遅れましたことお許しください」

「陛下から静かな生活をさせるよう命じられておりますもので」

うん、このまま現れなくて良かったんだけどな。
流石にそう思ってはダメ?
なりたくてなったわけではないけど、公爵失格?

「新年の挨拶を兼ねて参りました」

「あ、はい、新年あけましておめでとうございます」

と、人並みに挨拶をすると、オッカー、トウヤー、ミラとハイトンもポカーンと口を開いている。
挨拶間違ったかな?

「御主人様~、新年が開けるとめでたいんですか?」

ん~確かに新年が開けるとめでたいのかは、いまいちよくわからない。

「あ~俺の故郷の挨拶だから気にしないでくれ」

ちょっと、こっちが非常識人みたいじゃん。

「御主人様、ライトワールでは今年もよろしくお願いしますと、下の者が挨拶に来るのが一般的で」

ミラが教えてくれる。
うん、社会人時代に上司に挨拶に行く風習あったけど、途中から会社命令で新年の挨拶や、御歳暮、年賀葉書も禁止になったんだよなぁ~。
パワハラ防止らしいけど。
二人は、心ばかりの物ですがと、木箱を差し出してきた。
付け届け?賄賂?
それは困るし嫌なので、金など入っていないか開けさせて貰ったら塩漬けの鮭、おがくずに入った毛蟹だった。
このくらいなら一般的な御歳暮に近いし良いのかな?

「ミラ、ライトワールではこれは普通?」

と、確認するとこのくらいなら一般的に行われてる風習だから受け取っても大丈夫と、教えてくれた。

「ありがとうございます、ありがたくいただかせていただきます」

久々に海産物が食べられる。
こっちにきて野菜と干し肉の生活だから素直に嬉しい。

「すみません、本当なら新年の挨拶で仕事の話しは禁忌なんですが1つだけよろしいでしょうか?」

「構いませんよ」

「決めていただかねばいけない案件がありまして」

う~やっぱり統治に関わらないのは駄目なのか?
政治は嫌だよ。
外野がワーワー騒いで上げ足ばかり取る世界、建設的な話を出来ない世界見てきちゃったから。







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