同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第八十五話 初夢で夢精!欲望全開!? 甘くて恥ずかしい寝起き地獄

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元日の夜。
 初詣の疲れが出て、風呂も入らず布団に潜った俺は、そのまま泥のように眠ってしまった。

 そして——夢を見た。

 それは、あまりにもリアルで、あまりにも“エッチ”だった。

 夢の中。
 俺はなぜか、薄暗い寝室の布団の中にいて、周囲にはヒロインたちがネグリジェ姿で囲んでいた。

「お兄ちゃん……今日は、私のことだけ見て」

 振り返ると、そこには碧純。
 ネグリジェの肩がずれて、艶やかな肌が覗いている。
 頬を染めながら、俺の上に跨がるようにして微笑んでいた。

「だ、だめだこれ、絶対に夢だ……!!」

 そう思っても、熱と香りと重さは、あまりにリアルすぎた。

「ふふ……真壁くん、私のことも構ってくれないと寂しいなぁ」

 すみれが、俺の首元にそっと唇を寄せてきた。

「“今夜は、全員で一緒に”……って、約束してたでしょ?」

 ルナが背中から抱きつき、胸の感触が背中越しに伝わる。

「落ち着きたまえ、真壁。こういう時は、まず誰から処理するか優先順位を——」

「処理って何!?」

 そして俺の体はもう、自分の意志でどうこうできる状態ではなかった。
 押し寄せる快感に、叫び声をあげそうになったその瞬間——

 ——びくっ。

「……っ!?」

 目を覚ました。
 息が乱れている。
 心臓がバクバクしている。

 そして、明らかに——やってしまっていた。

 ジャージの股間が、しっとりと濡れている。

 ……夢精だった。

「……う、嘘だろ……」

 顔から火が出そうなほど赤くなりながら、そっと布団をずらす——と。

「ん……お兄ちゃん? どうしたの?」

 隣で寝ていた碧純が、半分眠そうな目で俺を見た。

「な、な、なにも!!」

 だが彼女は、俺の顔と、布団の中をちらりと見比べて、すぐに何かに気づいた。

「……え?」

「ち、違うんだ! 夢で、ちょっと、その、不可抗力で……!」

 布団の外からも、他のヒロインたちの声が近づく。

「なに? 今、なんか騒いでなかった?」

「真壁くん、大丈夫? 顔、真っ赤……って、え?」

 ひとり、またひとりと目撃してしまった彼女たち。

 俺は、元日の朝から、布団の中で全方位土下座モードに突入したのだった。

(つづく)
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