同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第三〇三話 「精密検査と羞恥の嵐──僕の思春期カルテ」

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 翌日。

「やっぱり気になるなら、ちゃんと精密検査してもらった方がいいって」

 みつきが、白衣姿でカルテを片手に俺を見下ろす。

「いや……もう昨日ので十分だろ!? あんな公然自慰推奨、二度と聞きたくないってのに!」

「はーい、というわけで今日は“ホルモンバランスと夜間排精傾向”のチェックしまーす♡」

「聞きたくなかったーーーー!!」

 ◆ ◆ ◆

 案内されたのは、薄暗い検査室。

 ベッドに寝かされ、胸に心電図。
 そして、手にはなぜか“発汗計センサー”。

「いやこれ、何の意味が……」

「ちゃんと出すときに心拍と皮膚温変わるのよ」

「出すって言うな!!」

 そこへ、白衣の医師登場。

「では真壁さん、今回は“排精頻度”と“反応傾向”を見させていただきます」

「“反応傾向”って何ですか!?」

「具体的に言えば、“性的刺激に対する身体反応の速度と強度”ですね」

「どこの研究施設だここは!!」

 ◆ ◆ ◆

 さらに悪夢は続く。

「こちらのモニターには、リラックス用映像と一部医学教材が流れます」

 画面に映るのは、美少女が浴衣姿で風鈴の前で微笑んでいるカット。

(……それ、昨夜の俺の記憶とほぼ一致してるんですが)

「なお、みつきさんには記録補助をお願いしています」

「はいはーい♪ 精子量と回数、しっかりメモります♡」

「頼むから、やめてくれ!!」

 ◆ ◆ ◆

 検査終了後──

「結論から申し上げますと……」

 医師が真剣な顔で言う。

「あなたの体は……いたって健康。むしろ性欲の安定度、耐久度、すべて平均以上」

「……平均以上って、何の平均だよ……」

「まあ、つまり……理性で押さえてもダダ漏れしてるだけですね。体が正直すぎる」

「……褒めてないですよね?」

 ◆ ◆ ◆

 病院の廊下を歩きながら、みつきが言った。

「ま、元気なのはいいことだよ。青春は出すもんだ」

「名言みたいに言うな!」

「じゃあ今夜は自己観察してみる? ログ取ってあげようか?」

「しません! 二度と! 医療の名を借りた羞恥プレイ禁止!!」

 ──感動も恋も青春も、

 すべては“診察台”の上でひっくり返される。

 そんな夏の思い出が、またひとつ増えた。
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