同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

文字の大きさ
404 / 630

第三九七話 「敵は強大、だが“発射”すれば全て解決!?」

しおりを挟む
──執筆、二日目。

俺のPCにはすでに原稿用紙換算で150枚以上の“夢精”ファンタジーが積み上がっていた。

「俺、どこに向かってんだろう……いや、もう振り返らないって決めたんだった……!」

そんな俺の決意と共に、物語の第3章――
魔王軍襲来編が幕を開けた。

◆ ◆ ◆

《第3章:夜を裂く咆哮、夢精不足で絶体絶命》

「ユウマ様! 魔王軍が――東の塔に!」

「くっ……間に合わなかったか……!」

主人公・セミナリオ・ユウマ(※夢精で強くなる男)は、
直近三日、夢精ゼロという異常事態に直面していた。

その理由は単純。

「……夢に出てくるヒロインが、ずっと魔王なんですけど……!?怖くて出す気失せるんですけど!?」

夢の中でヒロインが襲ってくる、ではなく、夢の中で魔王が語りかけてくる。

『夢精で強くなる? ……愚かだな。精は命。命は私が喰らう』

「性癖もバグってるだろうがァァァ!!」

◆ ◆ ◆

その夜。

王都ルステリアは、魔王軍の魔獣たちに包囲されていた。

そして、前線に立つユウマは――

「レベル……下がってる!?」

※夢精しないと24時間後に1レベル減衰する世界

「このままじゃ負ける……!」

そのとき、背後から現れたのは、夢精管理官クラリッサ。

「ユウマ様……いよいよ、**“夜の奉仕支援”**の許可をいただくときかと」

「な、なんだその制度!? 聞いてないぞ!?」

「政庁許可済みです。第七条“夢精加護不足時の臨時奉仕支援”条項に基づき、
今から貴方を――眠りと快楽の世界に導きます」

「なんで法律で定められてんのその制度!?!」

◆ ◆ ◆

《読者コメント欄》

「R-18じゃなくてR-15ギリギリを攻める才能が異常」

「バカ設定すぎて読む手が止まらない」

「逆に健全なのでは?って思ってしまった」

「夢精=成長って、考えた人、天才か……」

◆ ◆ ◆

深夜。

クラリッサの“奉仕祈祷”により、ユウマは深い夢へと落ちていく――

『あなたは強くなる。夢の中で、あなたが欲したすべてが、あなたを強くする』

そして。

翌朝、彼は立ち上がった。

「レベルが……10上がってる……!」

\\\ 魔王軍、全滅。 ///

◆ ◆ ◆

編集部。

「……これ、売れてる。めっちゃ売れてる。
初版5万部、1週間で完売。
追加10万、かかってるわよ……!」

久遠美月は原稿を閉じながら呟いた。

「弘弥……あなたの夢精、世界が待ってたわ……!」

「そんな言い方やめてええええええ!!!!!」

◆ ◆ ◆

書店、ラノベ棚。

『夢精するたびレベルアップ!? 異世界セミナリオ勇者伝説』
【※この作品は妄想と創造力によるフィクションです】
【※医学的根拠は一切ありません】
【※夢精は個人差があります】

棚の上に貼られた注意書きは、なぜか日々長文化していく。

だが、物語は止まらない。

次回──ユウマの夢の中に、**新たな“謎の黒髪少女”**が現れる。

彼女は言う。

「私は……あなたの“本当の夢”なのかもしれない」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

処理中です...