同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第三九八話 「“夢精”が規制対象に!? 文壇VS倫理委員会バトル勃発」

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 ──事件は、突然だった。

 ラノベ業界だけでなく、文壇でも話題沸騰中の俺の新作、
『夢精するたびレベルアップ!? 異世界セミナリオ勇者伝説』。

 その反響が、とうとう“文芸”の枠を超えてしまったらしい。

「えっ、今朝の新聞……何これ……?」

 テレビの芸能ニュースも、朝のワイドショーも、ネットニュースまでもが取り上げていた。

【“夢精で世界を救う”異色ファンタジーに賛否】
【“性の表現”として許容範囲か? 倫理委員会が問題提起】
【文壇分裂!? 作家・評論家の“夢精擁護”VS“即時規制”論争】

「……俺、いったい何を創ってしまったんだ……」

 ◆ ◆ ◆

 出版社では、久遠美月が興奮気味に報告してきた。

「弘弥! 規制される前にテレビ出演のオファーきてるわ!」

「いや無理無理無理!! 夢精ってワードでテレビ出たくない!!!」

「“表現の自由の最前線”ってことで、現代文の教材候補にもなってるのよ!?」

「だからその評価軸どうなってんの!? 教科書で夢精出すな!!」

 ◆ ◆ ◆

 同日、ヒロインズ緊急会議@自宅リビング

 ちゃぶ台を囲んだヒロインたちは、なんと真剣な表情で“夢精擁護会議”を始めていた。

「でもさ、夢精って誰でもすることでしょ?」

「だよね。“自然現象”なんだから、隠す必要ないよ」

「むしろ弘弥くんは、それをちゃんと描いた。人間として、まっとうなことじゃん」

「“リアルを描くことが文学”なら、夢精は完全に文学じゃん」

「問題は“夢精”じゃなくて、それを“恥ずかしい”って言わせる空気なんじゃない?」

「これってもう、“夢精は罪か否か”っていう……思想の戦いじゃない?」

「哲学!? どこまで話広がるのこれ!?」

 ◆ ◆ ◆

 その夜、SNSでは「#夢精は罪か」というタグがトレンド入りしていた。

「夢精が悪いのではなく、夢精を笑う社会が悪い」

「真壁弘弥氏の作品は、性と成長の美学だ」

「夢精は羞恥じゃない。青春だ」

 ──一方で、

「性を軽々しく描きすぎ。思春期を“消費”するな」

「未成年に向けたコンテンツとして適切か?」

 という真っ当な(しかし重たい)反論も続出。

「これ完全に社会論争じゃねーかぁぁぁぁ!!!」

 ◆ ◆ ◆

 そして翌日。
 文科省・教育倫理委員会が正式コメントを出した。

「夢精をテーマとした作品の扱いについては、
 性教育との関係を精査のうえ、慎重に議論されるべき」

 ニュース番組では、評論家が真顔で語っていた。

「夢精は誰にでも起こる生理現象です。
 それを文学的な物語に取り込むのは、決して間違っていない――
 ただし、“その描き方”が問われているのです」

「夢精の“描き方”って、俺の人生初の規制ポイントがそこなの!?」

 ◆ ◆ ◆

 その晩。

 俺の部屋には、神妙な顔のヒロインたちがずらりと並んでいた。

「弘弥くん、信じてるからね」

「だいじょうぶ。あなたの物語は、間違ってない」

「たとえ“夢精”をめぐって世界が二分しても、私は弘弥の味方」

「……まぁ、正直“夜の事故”が文学になってんのはちょっと笑うけどね」

「次の作品、『夢精は罪ですか?』でいこう」

「絶対書かねええええええええ!!!!」

 ──だが、議論は続く。
 作品は売れ続ける。
 世界は、“夢精文学”にまだ夢中だ。

 次回──ついに、主人公の書いた夢精ファンタジーが世界進出!?
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