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第四〇九話 「それでも、描きたい。この“愛の物語”を」
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──編集会議は、爆発した。
R-15の限界どころか、法律と倫理のフェンスに片足乗りかけたネーム。
それでも誰も、「ボツ」とは言わなかった。
なぜか。
そこに確かに、“愛”があったからだ。
◆ ◆ ◆
その翌日。
神名寺いおり先生は、打ち合わせの帰り道でポツリと呟いた。
「実は、私も昔……“誰にも言えない想い”を描きたくて、漫画を始めたのよ」
弘弥「……誰にも、言えない想い?」
「そう。好きって気持ちが、汚いって言われた。
夢に出てきて、胸が苦しくなって、それを“変態”って笑われたの」
彼女の声は、いつになく低く、静かだった。
「だから……“夢精”を愛で描くあなたの物語に、私は惹かれたの。
これは、“過去の私”への救いなのかも、って思ってる」
◆ ◆ ◆
そして、物語は思わぬ方向へ──
美月「ということで、今週末。
“夢精の周辺環境”を、資料として再現します」
弘弥「えっ!?」
ことね「VTuber配信じゃないからね!?オフラインだから!」
碧純「布団はあたしが干す。スウェットも着せる。あと、好きなシャンプー何使ってる?」
すみれ「照明は“月明かり再現ランプ”があるわ。湿度と香りは私が調整しておきます」
ルナ「“夜の空気感再現BGM”も流すね♪」
ひより「夢精前後の呼吸パターンは、過去の記録から参考に……」
弘弥「なんか壮大すぎない!?!?」
◆ ◆ ◆
その夜。
布団に座る俺の前に、ヒロインたちがずらりと並ぶ。
「さて……じゃあ、“青春の再現実験”始めましょうか」
「いやいやいや、再現ってなに!? なにが!?
これドキュメンタリー!? 演劇!? ラブコメなのに!?」
「弘弥くんの物語を、ちゃんと世界に伝えるためよ」
「“夢精は愛”を証明するために、ね」
ルナがウィンクし、
ことねがカメラを構える。
「配信じゃない。これは記録用。“物語の中に宿る、本当の想い”を描くための──」
◆ ◆ ◆
その光景は──滑稽で、真剣で、あたたかかった。
俺はそっと、彼女たちを見渡す。
そして、静かに呟いた。
「……これはもう、俺ひとりの物語じゃない」
「みんなで作るんだ。“愛と夢精と青春”の、世界にひとつだけの物語を──」
R-15の限界どころか、法律と倫理のフェンスに片足乗りかけたネーム。
それでも誰も、「ボツ」とは言わなかった。
なぜか。
そこに確かに、“愛”があったからだ。
◆ ◆ ◆
その翌日。
神名寺いおり先生は、打ち合わせの帰り道でポツリと呟いた。
「実は、私も昔……“誰にも言えない想い”を描きたくて、漫画を始めたのよ」
弘弥「……誰にも、言えない想い?」
「そう。好きって気持ちが、汚いって言われた。
夢に出てきて、胸が苦しくなって、それを“変態”って笑われたの」
彼女の声は、いつになく低く、静かだった。
「だから……“夢精”を愛で描くあなたの物語に、私は惹かれたの。
これは、“過去の私”への救いなのかも、って思ってる」
◆ ◆ ◆
そして、物語は思わぬ方向へ──
美月「ということで、今週末。
“夢精の周辺環境”を、資料として再現します」
弘弥「えっ!?」
ことね「VTuber配信じゃないからね!?オフラインだから!」
碧純「布団はあたしが干す。スウェットも着せる。あと、好きなシャンプー何使ってる?」
すみれ「照明は“月明かり再現ランプ”があるわ。湿度と香りは私が調整しておきます」
ルナ「“夜の空気感再現BGM”も流すね♪」
ひより「夢精前後の呼吸パターンは、過去の記録から参考に……」
弘弥「なんか壮大すぎない!?!?」
◆ ◆ ◆
その夜。
布団に座る俺の前に、ヒロインたちがずらりと並ぶ。
「さて……じゃあ、“青春の再現実験”始めましょうか」
「いやいやいや、再現ってなに!? なにが!?
これドキュメンタリー!? 演劇!? ラブコメなのに!?」
「弘弥くんの物語を、ちゃんと世界に伝えるためよ」
「“夢精は愛”を証明するために、ね」
ルナがウィンクし、
ことねがカメラを構える。
「配信じゃない。これは記録用。“物語の中に宿る、本当の想い”を描くための──」
◆ ◆ ◆
その光景は──滑稽で、真剣で、あたたかかった。
俺はそっと、彼女たちを見渡す。
そして、静かに呟いた。
「……これはもう、俺ひとりの物語じゃない」
「みんなで作るんだ。“愛と夢精と青春”の、世界にひとつだけの物語を──」
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