同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第四三一話 「編集者VSヒロインズ──“性描写指導会”勃発」

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 ──翌朝。

「……ってことで、今日の午前中のカリキュラムは、**“ラブシーン指導”**です!」

「はあああああああああああ!?!?」

 旅館の朝食後、俺が味噌汁を噴き出したのも無理はない。

「ラ、ラブシーン……って、なんですかその教育的指導感ゼロの響き……!」

「ちゃんと聞きなさい、弘弥くん。これは創作のためなの」

 そう言ったのは――編集者、久遠美月。

 ロリ顔、身長139cm、見た目10歳、実年齢32歳。

「あなたの新連載、テーマが“本当の恋と性”なんだから」

「ここは一度、実地訓練が必要でしょう?」

「いやいやいや!そんな訓練、どこの学校にもないよ!?!?」

 ◆ ◆ ◆

「ということで、特別講師をお呼びしました~!」

 スライディング登場したのは、黒髪ロングにスーツ、ヒールでカツカツと歩く――

 神名寺いおり(かんなじ いおり)先生。
 エロティック青年漫画界のトップにして、俺のコミカライズ担当。

「お久しぶりね、弘弥くん。元気に……してた?」

「“してた”の語尾の圧が怖い!!」

 いおり先生がゆっくり近づき、俺の肩に手を置く。

「……童貞のまま、どこまで描けるか……
 その限界を、今こそ超えてみせなさい」

「限界突破ってそういう意味じゃねぇぇぇぇ!!」

「ちょ、ちょっと待って! なぜ“大人のプロ”が参戦してるの!?」

 ヒロインたち、即抗議。

 すみれ:「教育の場にふさわしくないかと!」

 碧純:「弘弥に近づきすぎです、この色気モンスター!」

 あゆむ:「本気で“奪いにきてる”視線……見逃しませんよ♡」

 ルナ:「まぁ、エロいけど……この人、ガチすぎて引く」

 ことね:「──では、記録開始しますね。第二期アニメの演出資料用に♡」

「お前も参戦者じゃなくて撮影者なのかよおおおおお!!!」

 ◆ ◆ ◆

【午前の講義:第一部「距離と呼吸の演出」】

 講師:いおり先生
 助手:美月編集(脚立の上から全体監視)

「恋愛描写には“間”が必要なの。タイミング、空気、そして呼吸」

「そこで今日は、二人一組で“壁ドンと耳元囁き”の練習をします」

「えぇぇぇぇえええええええええ!!??」

 ヒロインズ:「やります!!」「やらせてください!!」「わたしが一番得意です!!」

「お前らノリノリかぁぁぁあああ!!!」

 ◆ ◆ ◆

「では、最初のペア──弘弥くんと……すみれさん、お願いね」

「えっ、私が初手……!?」

 すみれが一歩前に出てくる。白浴衣。うなじが妙に艶っぽい。

「弘弥くん……ごめん、ちょっとだけ……抱きしめさせて」

「え、ちょ、すみれさん!?マジで!?!?」

 すっ……
 ふわりと香る、ラベンダーの匂い。

 俺の背中に、やわらかな腕が回される。

「……このくらい、リアルじゃないと……物語にならないよね?」

(あっ、これダメなやつだ……記憶に残る……いろんな意味で)

「お次は──ルナさん!」

「よっしゃあああ!!オレのターン!!」

「遊戯王かよ!!」

 ルナ、カラダをぐっと寄せて、俺の耳元で囁く。

「“今夜……起きててくれたら……続きを、しよ?”」

「ひええええええええ!!!」

 その瞬間、編集部の**“ラブシーンモニタリングカメラ”**に最大音量の心音が記録されたという。

 ◆ ◆ ◆

「次は私、あゆむの番ですよね♡」

「やめて!なんか怖いからその笑顔やめて!!」

 あゆむ:「“好き”っていうのは、ずっと一緒にいたいってことで──
 ……永遠に、ずっと、誰にも渡したくないって意味なんです」

「言葉の最後に“ナイフ音”ついてなかった!?!?」

 ◆ ◆ ◆

 結局、午前中だけで4回倒れそうになり、鼻血は2回、心拍数MAXは記録更新。

 いおり先生:「……うん、やっぱり弘弥くん、最高の主人公ね♡」

「もう誰か俺を保健室に連れていってくれぇぇぇ……」

 ことね:「はい、では午後は“同衾シーンにおける温度管理と体勢問題”です」

「午前だけで満身創痍なんですがぁぁぁ!!!!!」

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