同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

第四四四話 「文化祭用“靴下朗読劇”爆誕──ことね、演出爆走」

「文化祭用“靴下朗読劇”爆誕──ことね、演出爆走」

　──放課後の教室。

　蛍光灯の下で、何気ない日常のように進んでいたホームルームが、その瞬間、異質な空間へと変貌を遂げた。

「ということで、今年の文化祭──我ら2年A組は！」

　ことねが、ばばーんと紙を掲げる。

「靴下朗読劇をやりま～すっ！！」

「……」

「…………」

「ッハァ！？！？！？！？」

　◆　◆　◆

【地獄の演出会議──配役地雷源】

「タイトルは『靴下たちの愛と記憶～あなたに踏まれたあの日、わたしは恋をした～』！」

　弘弥：「なんで原作の副題まで勝手につけた！？」

　ことね：「弘弥くんの名作小説『青春と靴下と僕の罪』を原案に、脚色演出：私！構成演出：私！舞台装置：美月さん！」

　久遠美月（編集者）：「……いや勝手に巻き込まれた！？」

　ことね：「配役、いきま～す！　まず、すみれさんは“グレーのリブソックス役”」

　すみれ：「……靴下役？」

　ことね：「ルナさんは“厚底ギャルのスニーカーソックス”。最も蒸れてる設定で♡」

　ルナ：「よっしゃー！“ムレの覇者”の座、いただきだね！！」

　ことね：「碧純ちゃんは“洗い立ての白ソックス”。そして、あゆむちゃんは“黒ハイソ”。りあちゃんは“レースの黒ニーソ”。」

　りあ：「……なんでわたしだけ明らかに“地雷ソックス枠”なの？」

　ことね：「弘弥くんの性癖を反映してます♡」

　弘弥：「やめろぉぉぉぉぉぉぉ！！勝手に分類すんなぁあああ！！！」

　◆　◆　◆

【リハーサル：羞恥朗読地獄編】

「私は……あなたの足に、ずっと寄り添っていたい──」

「踏まれても……裏返されても……私は……あなたの、ソックスだから……」

「洗濯機に放り込まれても、忘れられても……香りが、あなたを追いかけるの……」

　弘弥（観覧中）：「だめだこれ……誰か止めてくれ。観てるこっちの理性が崩壊する……」

　カメラマン（見学）：「青春が……蒸れている……（ポエム調）」

　◆　◆　◆

【演出案ラスト：靴下脱ぎ投げフィナーレ】

　ことね：「フィナーレは“告白と靴下投擲”です！」

「ヒロイン全員が愛のセリフとともに、靴下を脱ぎ、弘弥くんに向かって投げます！」

　弘弥：「それ文化祭の倫理委員通らないどころかPTAで問題になるレベルじゃない！？」

　ことね：「では、練習いきまーす！」

　碧純：「“この香りで、わたしを思い出して”っ！……はいっ！」（靴下、投擲）

　すみれ：「“足元から始まる恋もあるのよ”……ふっ」（靴下、投擲）

　ルナ：「“弘弥の鼻で嗅いでくれ～っ☆”（びゅん）」

　弘弥：「ぎゃあああああああ！！！！避けろ！自分！！」

　あゆむ：「“あなたの汗とわたしの匂い、混ざって……恋になるといいな”……♡」

　りあ：「“……あなたが踏んでくれた瞬間、わたしは恋に落ちた”……ふふっ」

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【文化祭告知ポスター】

　《朗読劇『靴下たちの愛と記憶』
　～あなたに踏まれたあの日、わたしは恋をした～
　出演：2-A靴下ヒロインズ／原作：真壁弘弥》

　弘弥：「……夢精より恥ずかしいことって、本当に存在したんだな……（遠い目）」