同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第四五七話『ブラサイズという現実──「カップ数って、どうやって選ぶの?」』

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 放課後。リビング。空気、異様。

 目の前には、五人のヒロインが正座。

 そして、テーブルの上には――なぜかサイズ表付きのブラジャーカタログと、メジャー。

 俺は思わず立ち上がりかけた。

「いや、ちょっと待って!? 今度は何!? マジでなんの会議なの!?」

「当然でしょ? 弘弥が“どのカップに一番ときめいたか”を、公式に測る回よ!」

 満面の笑みで言うのはルナ。 やめてくれ、そういう笑顔で“公開告白制度”みたいに言うのはやめてくれ。

 

 

「まず、ブラのカップ数ってどうやって決めると思う?」

 と問いかけてきたのは、なぜか白衣姿のひより。

「……白衣?」 「観察記録の信頼性のため、専門家風に仕上げました」

 ※彼女は“妹×科学”をテーマに観察を行っている謎の系女子である。

「カップ数は、アンダーバストとトップバストの差分で決まるのです」

 そう言って掲げたホワイトボードに、でかでかと書かれていたのは、

「A:10cm差」「B:12.5cm差」「C:15cm差」……(以下省略)

 俺:「うわ、なんか現実的……! 一気にロマン砕かれた感……!」

 

 

「ちなみに私は“Dカップ”だよ」

 さらりと爆弾を投下してきたのはルナ。

「……まさかとは思うけど、これって“カップ数カミングアウト大会”なのか?」

「違うよ。**“カップ戦争”**だよ」

 ああ、そうか。俺の部屋で今、サイズが戦争を呼ぶ時代が始まろうとしているのか。

 

 

「私……そういうの、言いたくないけど……」

 と小声で言うのは碧純。

「でも気になるんでしょ? お兄ちゃんが“どのカップ数が好きか”って」

「いや気になってないし! ていうかなんで俺の好みが公式ルールなんだよ!」

「じゃあ言ってみ? “何カップが好きか”って」

「……お、おれはその、なんだ、あんまり大きすぎてもバランスとか……えっと……」

「“D”ってことだね!」(※ルナの自爆により誘導完了)

 

 

「ちなみに私はBです」

 とキッパリ答えたのはすみれ。

「だがしかし」と彼女は眼鏡をくいっと上げて続けた。

「ブラの価値はサイズにあらず。支える技術と生地の快適性にあり」

「なんかプロがいる……!」

 

 

「ちなみに、これ“E”ね」

 と無言で、ことねが机に自分のブラをそっと置いた。

 黒レースで、どう見てもエロい。

「え、ちょ……ことね、それどこから持ってきた!?」

「……いつでも戦えるように、常に携帯している」

「お前、戦い方が異端なんだよ!!」

 

 

 そして――事件は起きた。

「じゃあ、私のサイズ、当ててみて」

 そう言って、碧純が――立ち上がった。

「え、ええええっ!? な、なに言ってんの!? それ無理無理無理無理!!」

「……本気で当ててよ。間違えたら、許さないから」

「ヒィイッッッ!!??」

 ヒロインズ全員、沈黙。静かに見守る。

 ……死んだら、ごめん。

 

 

 数分後。

「う、うーん……C、いやB……いや、でもさっき風呂上がりの感じだと……」

「風呂上がり!? 何を観察してるのよこの変態!!」

「ちがっ、事故だよ! 見ようと思って見たわけじゃないんだよ!!」

「……で、答えは?」

「……Cです!!(清き直感!!)」

 碧純、ゆっくりと口を開いた。

「……正解」

 ヒロインズ:「マジか!!」

 俺:「やったあああああ!!!!!」

 ひより:「精度高い……観察力が異常」

 ルナ:「いやでも弘弥、マジでCが好きなんだ……ちょっとブラ買い直してくるわ」

 すみれ:「ま、私は気にしませんけど」←やや目が笑ってない。

 ことね:「サイズ? 勝てば官軍」

 

 

 夜。

「……で、お兄ちゃん。結局、誰のが一番よかったの?」

「もうその話やめよう!? 平和な家庭に戻ろう!?」

「“D”って言ったじゃん。Dって誰のか分かってて言ったよね?」

「いや違っ……いやちょっとまってそれ誤解であって――」

 

 そして――また床で正座する夜が訪れるのだった。
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