同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第四六三話『好きなパンツ柄を言ったら即死会議』

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 地雷原に、立っていた。
 どこを踏んでも爆発すると分かっていながら、俺は今、そのど真ん中にいる。

「……さあ、答えて?」

 ルナがにやりと笑う。

「“好きなパンツ柄”って、なに?」

 ヒロイン全員の目が、殺意と好奇心と若干の変態性を込めて俺に注がれていた。

 花柄、レース、ボーダー、ドット、アニメキャラ、縞パン、無地、フリル、リボンつき、ハイレグ系まで。
 選べというのだ。命を賭けて。

「ちょ、ちょっと待とう!? 冷静に! これは趣味嗜好の話であって、誰かを優劣で選ぶとかそういうのじゃなくて……」

「いいから、言いなさい」

 碧純が低い声で詰めてくる。
 しかも、なぜか手にフライパンを持っている。怖い。

 すみれは柔らかく微笑んでいるが、目は笑っていない。
 ひよりはノートを構えて、「では記録開始」とか言ってる。
 ことねは……すでに履いていない前提でこちらを見ている。

 地獄だ。

「……あ、あああ、あの、その……」

 追い詰められた俺の口から、最悪の選択肢が飛び出した。

「キャ、キャラクターもの……かな」

 \時が止まった/

「……は?」

「え、なに?」「ロリ趣味ってこと?」「子供っぽいのが好きなんだ?」「小学生のパンツでも見てるの?」

「いやちがっ、ちがうんだ、あのね!? 可愛い系っていうか、その、ポップで元気な印象があって……!!」

「ふーん……」

 すみれが優しく微笑む。

「つまり“見た目が幼い方が萌える”ってことね」

「それが最悪の翻訳だあああああ!!」

 碧純が机をバンと叩く。
「で!? 誰がその“キャラパンツ”を履けば満足なの!? 妹ポジの私!? 小動物系のひより!? あ、それともことね!?」

「やめてくれ! やめてくれええええ!!!」

 だが、炎上は止まらなかった。

「……じゃあさ」
 ルナが低く言う。
「履いてない方がいいってこと?」

 その言葉を合図に、ヒロイン全員が一斉に腰に手をやる。

「ちょ、やめっ、やめて! 落ち着いて!? この騒動、そろそろ終わらせよう!? 理性的に話し合おう!? おい誰か俺を止めてくれ!!」

 ひより:「では記録名を『即死会議・第二段階:脱ぎかけフェーズ』に更新します」

「お願いだから観察しないでぇぇぇぇぇ!!」

 この日、俺は思った。

 柄なんて、どうでもいい。

 履いてくれてること自体が、もう最高なんだと……!
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