『お兄ちゃんのオタクを卒業させてみせるんだからね❤ ~ブラコン妹と幼馴染オタク姫の果てしなき戦い~』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第3章 推し活×友情×恋の三つ巴青春バトル、本格始動

【第30話『終わらない夏の続きを──誓いの夜』】

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 夜風が、頬を撫でた。

 私たちは、街外れの公園に集まっていた。

 妹連合軍──あやめ、こころ、ひなこ。

 オタク姫軍──紗季ちゃんとその仲間たち。

 そして、転校生のひより。

「なんでまた、こんな時間に集まったんだ?」

 ひなこが、手持ち無沙汰に空を仰ぐ。

「別に、いいじゃん。今日くらい」

 私は、へへっと笑った。

 夏が終わり、秋が近づき、それでもまだ、夜の空気には微かな夏の匂いが残っていた。

「終わらせたくなかったんだ」

 私は、小さく呟いた。

 夏休み。
 推し活。
 友情。
 恋。

 全部、ぐちゃぐちゃで、きらきらしていて、時々痛くて、それでも愛しくて。

 そんな日々が、もうすぐ本当に終わる気がして。

 だから。

「せめて、今日くらい」

「もう一度、みんなで──同じ気持ちになりたかった」

 言葉にするのは、少しだけ怖かった。

 でも、口に出した瞬間、心がすっと軽くなった。

「英梨らしいな」

 あやめが、肩をすくめる。

「……まったく」

 ひなこが笑う。

「でも、そういうの、好きだよ」

 こころがにこにこと微笑んだ。

「私も、賛成」

 紗季ちゃんが、穏やかに頷く。

「英梨ちゃんの、そういうとこ……ずっと羨ましかった」

 ひよりも、そっと言った。

 私は、胸がいっぱいになった。

 嬉しくて、泣きたかった。

 夜空には、小さな星が瞬いていた。

 夏の終わりの、静かな、でも確かな光。

「……なあ、みんな」

 私は、両手をぎゅっと握りしめた。

「これから先、いろんなことがあると思う」

「すれ違ったり、喧嘩したり、泣いたり……」

「それでも──」

「私は、みんなと一緒にいたい」

「好きなものを、好きって言える自分でいたい」

「だから──」

 私は、一歩踏み出した。

「これからも、よろしくお願いします!」

 頭を下げた。

 一瞬、静寂が降りた。

 そして。

「……っはは!なにそれ、マジで英梨らしすぎだろ!」

 ひなこが、大声で笑った。

「いいじゃん、もちろん!」

 こころが両手を広げて、にこにこ笑った。

「俺も、ま、悪くない」

 あやめが、ぼそっと言う。

「私も、負けないからね」

 紗季ちゃんが、にやっと笑った。

「私も……次は、もっと本気でぶつかる」

 ひよりも、静かに笑った。

 そして、最後に。

「──あぁ」

 利家お兄ちゃんが、みんなを見渡して、言った。

「英梨が、そんなに頑張ってんなら、俺も頑張るわ」

 その言葉に、胸が熱くなった。

(……よかった)

 あたし、ちゃんと、ここにいてよかった。

 星空の下、私たちは小さな輪になった。

 手を取り合ったわけでも、誓いの言葉を交わしたわけでもない。

 それでも、たしかに。

 心は、つながっていた。

(終わらない夏の続き──)

(私たちの物語は、これからだ)

 私は、そっと夜空を見上げた。

 新しい季節が、すぐそこまで来ている。

 でも、怖くない。

 だって、私はもう知っているから。

 好きなものを、
 好きな人を、
 信じる強さを。

 そして、誰かを応援することで、自分もまた、歩き出せるってことを。

 私は、笑った。

 未来へ向かって。

 ──つづく。
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