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「アハハハッ。

アイラ様…

あなたときたら、本当に正直なのね。

益々、気に入ってしまったわ。

私も、友達がどのようなものか知らないのよ。

ふたりで友達とはどのような者なのか検証してみませんこと?

私が自由に友達作りが出来るのも限られた期間ですから…

状況によっては、学園を辞めて嫁ぐ事になる可能性もありますし…

うちの派閥に有利な者としか関わるなと父から言われる事も考えられますから…

比較的、自由に過ごせるのは今だけなのですわ」


いづれは王家に嫁ぐ事になっているパルミラには、残された時間が少ないのだ。


せめて、学園に通う間だけでも普通の女の子でいたいのだ。


その為にも、王太子派の令嬢や取り巻きではないアイラと友達になりたいと思っているのだ。


「なるほど…

私も、王都での新事業が全て軌道に乗ったら新しい拠点に移動するつもりなのです。

元々は、学園に入るつもりもなくてバイヤーをしている兄の下について学ぶか、父と世界各国の店舗を回るつもりだったのですが…

学園に入って今しか学べない事を学んで来いと言われまして、仕方なく入学したようなものなんです。

なので、いつ学園から去るかは分からないのですが…

それでも良ければ、私たちなりの友情を育みますか?

どんな形になるかは分かりませんが…

これまでの私は、家族や従業員以外はマイヤーズ商会の顧客であるのか、ないのかという括りでしか見ていなかったので…

友達とは、何をすればよいものかをこれからパルミラ様と学んでいこうと思います」


アイラは、何も飾らない本音をパルミラに分かりやすく伝えた。


「ありがとうアイラ様。

私たちなりに、友達とは何なのか考えながら距離を縮めていきましょうよ。

私もね、これまではトワイエ公爵家の敵なのか、味方なのか…

それだけを考えて、派閥を構築してきたのよ。

王太子派のトップであるトワイエ公爵家の娘として、王太子の婚約者として、誰と関わればよいのか…

それだけだったのよ。

私が誰を好きとか、嫌いとかなんて考えた事もなかったのよ。

それなのに…

何故かしらね。

あなたとは、友達になってみたいと思えたのよ。

生まれて初めてかもしれないわ…

こんなに、誰かに心を揺さぶられたのは…

あなたが異性ならば、これは恋だと勘違いしたのかもしれないわね。

良かったわ!

あなたが女性で…

あなたがマイヤーズ商会の娘で、何処の派閥にも入らない中立派の家系である事も私には良い事だわ。

何があっても、あなたは私の敵にはならないから…」


パルミラ様とアイラは、友達とはどういったものなのかをお互いの協力の下、学ぶ事になったようだ。

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