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水島信也、にゃんこのカフェなんかに行ったりする。以上。
しおりを挟む「僕、ユーチューバーなんですけど、もっと有名になろうと思っていて…」
水島信也は初対面の爽やか男子猫〈クロ〉に突然切り出された。
猫の島のカフェで水島信也と真面目猫〈チャー〉はアメリカン、爽やか男子猫〈クロ〉はカフェオレを飲んでいた。
レトロな雰囲気の純喫茶というような雰囲気の店舗はいいのだが、コーヒーがあまりにぬるい。
水島信也は今度はアイスコーヒーにしようと考えていた矢先だった。
「なんだって!?」
水島信也の素っ頓狂な声にダンディーないで立ちのエプロンをしたマスターの猫のひげがピクンと動いた。
猫がユーチューバーって…。何を考えてるんだ?
水島信也は爽やか男子猫<クロ>をガン見した。
「ユーチューバーって…。たしかに人間界では流行っているけど。そもそも猫がユーチューバなんて需要あるのか?」と水島信也は聞き返した。
「そりゃ、やっぱ、猫コンテンツですよ。知らないんですか?今猫ブームなんですよ。やっぱ、せっかく猫に生まれたんなら、猫で一発当てたいじゃないですか」
はあ。
「ええーと、具体的には?」
「そりゃ、やっぱ萌え萌えキュンキュン系ですね。僕って見た目、お目目ぱっちりのキュート系黒猫じゃないですかあ。意外と人間の女子に人気出ると思うんですよねえ。ほら、モフモフ感もばっちりでしょ」
そういって、スリスリしてきた。
やめい!男同時じゃ!
それにしても…。うーーん。たしかに猫が自分で演出して萌え萌えキュンキュンなコンテンツを作れば当たるかもしれない…ような…
水島信也は「で、俺に何でこんな話をするんだ」と心の片隅で思った。
「クロちゃん!」会話を遮るように甲高い声が店内に響いた。
「あ、ミーコちゃん、お久しぶり!」
店内に入ってきたのは女子力猫〈ミーコ〉だった。
「クロちゃん、もしかしてYouTube出てなかった?私いつもかわいい猫ランキング見てるんだけど、クロちゃんにそっくり猫がいたんだー」
「あ、見てくれたんですか?あれ僕です」
「えー!クロちゃんユーチューバーになったのね!素敵!」
「へへへ。思った以上に「いいね」が多くて、ちょっと真面目にこっちの道進もうかとも思ってるんですよ」
「へえ、すごい。この前の動画、自宅警備中に偶然虫を見つけて首を傾げている姿がとても可愛かった」
「ああ、ここだけの話ですが、あんなのやらせですよ。そんなうまく狙った瞬間なんて都合よく撮れるわけないですよ。量産考えたら釣らなくっちゃですよ」
「そうなんだ。クロちゃん、闇が深―い。でも、すこし画像が悪いよね」
「そうなんですよね…。ああ、この人!水島信也さん」
突然振られた水島信也は「…あぁ、うぃす」と短く答えた。
「この人、チャーちゃんちに居候しているんですよ。プロのカメラマンといううわさを聞き付けたのでちょっとお願いしたいことがあってきてもらったんです。YouTubeって意外とカメラワークで動画のクオリティっ左右されますから、誰かプロの人にとってもらいたいと思ったんですよ。素人臭く見えつつも、しっかりポイントよく映ってるっていう画像を水島信也さんに撮ってもらおうと思って。世界中でもっと見てもらえるようにするにはクリアでスタイリッシュな映像が必要なんでね」
「えー、そうなんだ。おもしろそう」
「そうだ、ミーコさんもユーチューバーになってみたらどうですか?JKニャンコのおしゃべりなんて、それだけでキモオタがファンとしてくっついてくるんじゃないですかね?」
「え、私?やりたーい」
「女子ニャンコトークは強いですからねえ。いいと思いますよ。ボク、プロデュースしてあげます」
「え、本当!私、ユーチューバーになって、インフルエンサーのなりたいの」
「一緒に頑張りましょう!!」
「クロちゃんサイコー!」
水島信也は目の前に繰り広げられている2匹の猫のマシンガントークに目が点になっていた。
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