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第5章 フリージア=リークハルトの道先
第8話
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リークハルト侯爵家には日常が戻っていた。
勿論全く今まで通りというわけにはいかない。
町の人たちにはまだ戸惑いや恐れが見え、明らかに距離を取るものもいた。
だが混血だと明かした者たちはどこかすっきりとした顔をしていた。
「もうびくびくしなくていいわけですしね。グレイ様には感謝してます」
「何かあったらグレイ様に守ってもらえばいいし、この国を出ればいいんだし。そう思ったら気持ちが軽くなりました。今の場所にしがみつかなきゃと思ってたから息苦しかったんです、きっと」
そう笑った者もいた。
「もちろん、僕がみんなを守るよ。だから困っている人がいたら助けてあげてほしい。みんなで助け合っていこう。混血も、そうじゃない者も、みんなで」
グレイが言えば、安心したように、けれど決意を込めた目で誰もが頷いてくれた。
「フリージア様が竜の姿のグレイ様を愛しそうに見つめていらっしゃる姿を見て、勇気が出たんです。魔物の姿でも受け入れてくれる人はいる。そう思えて」
「それに、フリージア様が他に隠れ住んでる混血のことを気遣ってこの国を出て行こうとしてるってことがわかったから。グレイ様たちだけ犠牲にするわけにはいかないって」
そんな言葉に、フリージアは驚いて目を見開いた。
「あなたたちにも心の声が聞こえていたの?」
「いえいえ、まさか。でも、フリージア様が強くて優しい気持ちを持ってあの場に立っていらしたことはわかりました。力が強いわけでもないフリージア様までオレたちを守ろうとしてくれてるって思ったら、なんか、今動かなきゃいつ動くんだって思って」
力があろうがなかろうが、強い想いは届くのだ。
姿が違うとか。
特別な力があるとか。
目に見える違いも、目に見えない違いも人それぞれにある。
けれどその違いが意味を持たないこともあれば、人と人の間を繋ぐこともある。
違いがあるのは悪いことだと思わされてきたフリージアであったが、リークハルト侯爵家に来てからというもの、こうした人とのつながりによって、ありのままの自分を受け入れられるようになっていた。
それは邸の中に閉じこめられたままではわからなかったことだ。
連れ出してくれたグレイにも、受け入れてくれた人たちにも改めて感謝が湧いた。
それからリークハルト侯爵家の顔ぶれにも変化があった。
新たにアニーとその家族が雇われることになったのだ。
「混血の人がこんなに集まっている場所があったなんて、知りませんでした」
誰もが家族以外には知られないようにしていたから、他に混血がいることは知りようがなかった。
「リッカお姉ちゃん、こんにちはー! はいこれー!」
そういって手に何かを抱え走ってきたのはジェフリーだ。
「お母さんが、野菜持ってけって」
「まあ、ありがとうございます」
ジェフリーとその家族は、リークハルト侯爵家が危険ではないことを周囲に示すように、こうして遊びに来てくれる。
距離を置いてしまった人たちも、また少しずつ歩み寄ってくれればいいとフリージアは思う。
それからもう一人、この邸に滞在人が増えた。
リディだ。
「うっま。なにここの料理、めっちゃおいしいんですけど。いやアシェント伯爵家もおいしかったけどさ、なんていうか、ジャンルが違うっていうか」
リークハルト侯爵家では素材の味をいかした料理が多い。
自ら野菜を育てるブライアンなりのこだわりがあるのだろう。
シンプルでありながら考え抜かれ、手のかけられた料理は頬にしみるほどにおいしいとフリージアも思う。
だがリディがこの邸に居座るのはそれだけが理由ではないはずだ。
「リディ、帰らなくていいの?」
「ん? たんまりとお金はもらってるからしばらく働かなくてもいいし、もともとは私はこの家に嫁ぐ予定だったんだから、なんも問題ないわよ。別に、あたし一人がいなくたって――」
「そんなことはないわ。リディがいたら家の人も喜ぶでしょう。兄弟だっているんでしょう?」
そう返せば、リディが少々面食らった顔になった。
まるで、実家ではないどこかに帰ることを念頭に話していたと気づいたように。
リディは罰が悪そうにふいっとそっぽを向いた。
「今は帰りたくないの」
珍しくむくれたような顔のリディに、フリージアは小さく笑った。
アシェント伯爵家にいる時は、敵ではないながらもお互いに譲れぬものがあったから、心を許し合うことはなかった。
だからそんな素直な表情を見たことがなかったのだ。
「リディがアシェント伯爵家にずっといてくれたこと、私、感謝しているの。お義兄様のこと、あれこれと世話を焼いてくれたとアニーから聞いたわ」
「別に、気が向いてそうしてただけだし、お礼を言われることじゃないわ」
微妙な沈黙が落ちた。
だがリディが先にぽつりと口を開いた。
「もうあいつには愛想がつきた。ちょっとかわいそうかなと思って、とにかくご飯だけは食べさせなきゃって、なんか義務感に駆られてたけど。別に頼まれたことじゃないしね。恩に着せたいわけでもないし。それでもさー、誰かを基準に偽物だって言われてもね。私は『私』っていう本物だっつうの」
カーティスにそう言われたのだろう。
フリージアは思わず目を伏せた。
リディの人生を狂わせてしまった。それはフリージアに無関係ではない。
そう思ったのがわかったのだろう。
リディはすぐに言い足した。
「ああ、あんたが気に病まなくていいから。あたしのことはあいつが勝手に連れてきたんだし。ま、あいつの思い通りにいかなくてせいせいしてるわ」
そう言ってリディはからっと笑った。
けれどそれはすぐに静かな笑みに変わり、その目は遠く窓の外を見ていた。
まるで自分が欲しいものはここにはないことをわかっていて、それでも動けずにいるように。
フリージアのように誰かに捕われているわけでもないのに、そんなリディはとても不自由そうに見えた。
勿論全く今まで通りというわけにはいかない。
町の人たちにはまだ戸惑いや恐れが見え、明らかに距離を取るものもいた。
だが混血だと明かした者たちはどこかすっきりとした顔をしていた。
「もうびくびくしなくていいわけですしね。グレイ様には感謝してます」
「何かあったらグレイ様に守ってもらえばいいし、この国を出ればいいんだし。そう思ったら気持ちが軽くなりました。今の場所にしがみつかなきゃと思ってたから息苦しかったんです、きっと」
そう笑った者もいた。
「もちろん、僕がみんなを守るよ。だから困っている人がいたら助けてあげてほしい。みんなで助け合っていこう。混血も、そうじゃない者も、みんなで」
グレイが言えば、安心したように、けれど決意を込めた目で誰もが頷いてくれた。
「フリージア様が竜の姿のグレイ様を愛しそうに見つめていらっしゃる姿を見て、勇気が出たんです。魔物の姿でも受け入れてくれる人はいる。そう思えて」
「それに、フリージア様が他に隠れ住んでる混血のことを気遣ってこの国を出て行こうとしてるってことがわかったから。グレイ様たちだけ犠牲にするわけにはいかないって」
そんな言葉に、フリージアは驚いて目を見開いた。
「あなたたちにも心の声が聞こえていたの?」
「いえいえ、まさか。でも、フリージア様が強くて優しい気持ちを持ってあの場に立っていらしたことはわかりました。力が強いわけでもないフリージア様までオレたちを守ろうとしてくれてるって思ったら、なんか、今動かなきゃいつ動くんだって思って」
力があろうがなかろうが、強い想いは届くのだ。
姿が違うとか。
特別な力があるとか。
目に見える違いも、目に見えない違いも人それぞれにある。
けれどその違いが意味を持たないこともあれば、人と人の間を繋ぐこともある。
違いがあるのは悪いことだと思わされてきたフリージアであったが、リークハルト侯爵家に来てからというもの、こうした人とのつながりによって、ありのままの自分を受け入れられるようになっていた。
それは邸の中に閉じこめられたままではわからなかったことだ。
連れ出してくれたグレイにも、受け入れてくれた人たちにも改めて感謝が湧いた。
それからリークハルト侯爵家の顔ぶれにも変化があった。
新たにアニーとその家族が雇われることになったのだ。
「混血の人がこんなに集まっている場所があったなんて、知りませんでした」
誰もが家族以外には知られないようにしていたから、他に混血がいることは知りようがなかった。
「リッカお姉ちゃん、こんにちはー! はいこれー!」
そういって手に何かを抱え走ってきたのはジェフリーだ。
「お母さんが、野菜持ってけって」
「まあ、ありがとうございます」
ジェフリーとその家族は、リークハルト侯爵家が危険ではないことを周囲に示すように、こうして遊びに来てくれる。
距離を置いてしまった人たちも、また少しずつ歩み寄ってくれればいいとフリージアは思う。
それからもう一人、この邸に滞在人が増えた。
リディだ。
「うっま。なにここの料理、めっちゃおいしいんですけど。いやアシェント伯爵家もおいしかったけどさ、なんていうか、ジャンルが違うっていうか」
リークハルト侯爵家では素材の味をいかした料理が多い。
自ら野菜を育てるブライアンなりのこだわりがあるのだろう。
シンプルでありながら考え抜かれ、手のかけられた料理は頬にしみるほどにおいしいとフリージアも思う。
だがリディがこの邸に居座るのはそれだけが理由ではないはずだ。
「リディ、帰らなくていいの?」
「ん? たんまりとお金はもらってるからしばらく働かなくてもいいし、もともとは私はこの家に嫁ぐ予定だったんだから、なんも問題ないわよ。別に、あたし一人がいなくたって――」
「そんなことはないわ。リディがいたら家の人も喜ぶでしょう。兄弟だっているんでしょう?」
そう返せば、リディが少々面食らった顔になった。
まるで、実家ではないどこかに帰ることを念頭に話していたと気づいたように。
リディは罰が悪そうにふいっとそっぽを向いた。
「今は帰りたくないの」
珍しくむくれたような顔のリディに、フリージアは小さく笑った。
アシェント伯爵家にいる時は、敵ではないながらもお互いに譲れぬものがあったから、心を許し合うことはなかった。
だからそんな素直な表情を見たことがなかったのだ。
「リディがアシェント伯爵家にずっといてくれたこと、私、感謝しているの。お義兄様のこと、あれこれと世話を焼いてくれたとアニーから聞いたわ」
「別に、気が向いてそうしてただけだし、お礼を言われることじゃないわ」
微妙な沈黙が落ちた。
だがリディが先にぽつりと口を開いた。
「もうあいつには愛想がつきた。ちょっとかわいそうかなと思って、とにかくご飯だけは食べさせなきゃって、なんか義務感に駆られてたけど。別に頼まれたことじゃないしね。恩に着せたいわけでもないし。それでもさー、誰かを基準に偽物だって言われてもね。私は『私』っていう本物だっつうの」
カーティスにそう言われたのだろう。
フリージアは思わず目を伏せた。
リディの人生を狂わせてしまった。それはフリージアに無関係ではない。
そう思ったのがわかったのだろう。
リディはすぐに言い足した。
「ああ、あんたが気に病まなくていいから。あたしのことはあいつが勝手に連れてきたんだし。ま、あいつの思い通りにいかなくてせいせいしてるわ」
そう言ってリディはからっと笑った。
けれどそれはすぐに静かな笑みに変わり、その目は遠く窓の外を見ていた。
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フリージアのように誰かに捕われているわけでもないのに、そんなリディはとても不自由そうに見えた。
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