【R18】婚約破棄されたらおっとり系アラフォーを攻めることになりまして

チーズたると

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 いや、落ち着きをなくしていくばかりではない。考えてしまうのだ。――いけないことを。

 たとえば、ナミアに愛撫を施せば、いったいどんな顔をするのだろう、と。

 ひと回り以上も年下であるニアンナに攻められ、恥じらう彼の顔が見てみたい、と。

 そんなことを想像するのはイケナイのいうのに、一度考え始めてしまうと、止まらなくなった。

 頭の中で、ナミアが乱れていく。恥ずかしくてたまらないという表情で、ニアンナを見つめている。

 動悸が、胸を内側から激しく叩く。それは、まるでニアンナを催促するふうでもあった。

 とうとう我慢が出来なくなって、ニアンナは相手に近付き、ベッドに横たわっているナミアの脇に両腕をついて、彼に覆いかぶさる。
 ナミアが、不思議そうに見上げてきた。

「……ニアンナちゃん……?」

 官能にとろりとしながらも、純粋な瞳がニアンナを見つめる。己がニアンナの脳内で乱されているなど、予想もしていないのに違いなかった。

 だが、そんなところが、またニアンナを煽る。無垢な生き物をこれから汚す気分に、背徳的な心地がする。

 ニアンナは手を伸ばし、相手のシャツのボタンを、上から順に外していった。
 ナミアは戸惑い、いささか慌てた様子でニアンナの顔と手を交互に見やる。

「あ、あの……ァッ」

 するりと彼の鎖骨を撫でると、ナミアは微かに肩を震わせて控えめな声を漏らした。
 次いで、零れた自身の声にハッとして、恥ずかしそうに手でくちを塞ぐ。

 羞恥と戸惑いのみに揺れていた彼の双眸に、なにかを察する色が混じった。催淫効果のある煙を吸ったのはニアンナも同様なのだと、感付いたのかもしれない。

 ナミアは、弱々しくニアンナを押し返した。

「だ、だめだよ、ニアンナちゃん……こんな……」
「だめっていう顔には、見えませんよ」

 指摘をすると、彼は面持ちをさらに赤らめる。そういうところが虐めたくなる要因だという事実に、果たして本人は気が付いているだろうか。

 少し考えて、無自覚なのだろうなという結論に至る。ナミアのおっとりとした性質から考えて、自身をそんなふうに客観視できているとは考えづらかった。

 ニアンナの手は、シャツのボタンを外す動きを止めない。

 地下の小部屋を照らすやや心もとない明かりが、ナミアの肌を艶めかしく舐めた。

「ほら、体だってこんなに……いやらしい薄桃色です」

 火照った相手の上半身に指を這わせると、彼がぴくんと反応する。

 抑えられてくぐもったナミアの声は、それがもとは嬌声であった事実をニアンナに伝えた。煙の効果のせいで、肉体が過敏になっているのかもしれなかった。

 衣服のボタンをすべて外し終えたニアンナは、ゆっくりとシャツを左右にひらき、彼の上半身を剥き出しにする。そうすることで、いっそうナミアの羞恥心を煽りたかった。

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