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 乃亜の服が、ヴィクトールの手によって胸の上にまでたくし上げられた。

 パジャマと同様に、乃亜は今も彼の衣服をワンピースのようにして着ている。

 下着をつけていない乳房が、ヴィクトールの前にさらされた。

 ショーツも身に着けていないため、そうするとほとんど裸に近い状態となる。むしろ、中途半端に着ている服が羞恥心を煽るほどだった。

 自身の胸を見ると、胸の先が――乳首が、赤く尖っている。

 いやらしい光景に、これは本当に自分の体なのかと、乃亜は疑いたくなった。

 ヴィクトールの大きな手が、長い指が、乳房を優しく揉む。

 揉まれることでそこが柔らかく形を変えて、赤い突起がさらにツンと尖った。

 そこへ、ヴィクトールが舌を這わせる。

「あっ……!」

 誰かにそんなところを舐められるという、初めての経験。なにもかもが淫らで、眩暈がしそうになる。

 彼の唾液に濡れた赤い舌が、同じく赤い尖りに絡みついた。

 粘膜に乳首が擦られて、腰のあたりからチカラが抜けていくのがわかる。

 乃亜を見たヴィクトールが、小さく笑った。

「……いやらしい顔だな」

 指摘に、顔が急激に熱くなる。
 乃亜は恥ずかしくなって、手で顔を隠した。

「隠すんじゃない」
「ふぁアッ!」

 彼に尖りを吸い上げられ、強い愉悦に四肢が震える。

 快感によって、体がひとりでにびくびくと反応した。

 顔を隠すことをやめても、ヴィクトールは敏感なそこを虐めることをやめてはくれない。

 乃亜は悶えてシーツを蹴り、枕にすがって、髪を振り乱した。

「ぁんッ、あ……ゃぁあっ……! やめっ……そんなにされたら、私……っ」

 徐々になにも考えられなくなっていき、思考回路が意味を無くす。

 それでいながら体はさらなる快感を求めて、いやらしく腰を揺らした。

 自然にひらいていく足を、どうすることも出来ない。

 イケナイこととわかっていながら、ヴィクトールの腿に秘部をこすりつけてしまう。

 体が少しも言うことを聞いてくれず、まるで自分のものではないようだった。

 体温も上がっていく一方で、肌には汗がにじみ、自身のひたいや首に髪が貼りついているのがわかる。

 荒い呼吸を繰り返しながら、乃亜は己の体が「女」のそれへと変えられていっているのを理解した。

 ――自分はヴィクトールに手によって、女になっていこうとしている。

 胸から顔をあげた彼が、指先で乳首をはじいた。

 真っ赤に染まり、ヴィクトールの唾液に濡れそぼったそこが、はじかれて卑猥に揺れる。

 自分の体のはずなのに、見てはいけないものを見ている気分になって、乃亜は目が眩んだ。

「ンぁ……あ……ッ」

「まったく……。今まで誰にも食われんかったのが、嘘のような娘だな」

 彼は微苦笑を零しながら呟く。

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