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11.彼の弱さ
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ジスランが目を開けて剣をとったのを確認したギル・ブトナは、血の流れる腕を抑えながら必死に逃げる。
「ビュケ卿! ギル・ブトナを止めてください!」
テントから出てきたルイス・ビュケは私の叫びに呼応し、ギル・ブトナを追った。
ギル・ブトナは腕を斬られていたにも関わらず、ルイス・ビュケを蹴り上げ剣を奪い一つのテントの天幕を開ける。
ロイ・ベルモンが横たわっているテントだ。
(しまった!)
私は起き上がったジスランを連れて、ロイ・ベルモンのテントに向かう。
天幕を開けると、剣で刺され息絶えたロイ・ベルモンと自害したギル・ブトナが重なっていた。
「ジスラン、すみません。油断していました」
ギル・ブトナに違和感を感じていたのに、私は何もできなかった。後悔の念が私を襲う。
「何を言ってるんだ。フェリシア! 君が僕を助けたんだろ」
ジスランが私を骨が折れるくらい強く抱きしめてくる。
私の体は自分でも驚くくらい震えていた。
恥ずかしいので震えを止めようとしても、自分の体なのに制御できない。
「僕が初めて人を切った時、その事実に気が狂いそうになって一週間眠れなかった。それをドートリッシュ王国のためだと言い聞かせて、やっと眠れるようになったよ」
ジスランの言葉に私は自分がギル・ブトナの腕を切り落とした感触を思い出す。守るべき夫の為にした行動なのに涙が溢れてくる。私は目に力を込め涙を気合いで止めながら口を開いた。
「守るべきもののために戦ってきた人間はいつだって存在します。人を傷つけたこと、その一つに気持ちを寄せてしまえば皆狂っていたでしょう。それが戦うと言うことです。ジスラン、貴方は私の夫。私は貴方を守るためなら身を賭して戦います」
歴史上、戦争というのは無意味で虚しいものだ。
それでも、殺したくもない相手を守るべきものの為に命を賭して戦ったものがいる。誰かのために戦う行為は尊く、簡単に批判されるべきものではない。それでも、人を傷つけたことで涙が出るのは本当は誰も傷つけたくないからだ。
「僕は君に危険なことをさせたくない。フェリシアが好きだ。僕が君を守りたい!」
ジスランは私の目元に溢れ落ちそうな涙を親指で拭ってくる。
私は首を振った。涙の雫が宙を舞う。
「残念ながら、私も守られるより守りたい派なんです」
口角を上げ笑顔を作るも、涙が溢れる。
守られるより守りたい。愛されるより愛したい。
私はジスランの愛を少しずつ感じても、自分が彼を信じ切って愛せないことに戸惑っている。
♢♢♢
翌朝、皆に昨晩の出来事を告げる。他にも裏切り者がいるかもしれないので、私は注意深く周囲を観察した。僅かな違和感も逃してはならない。
私たちはその後も三日間歩き続け、森の中での最後の夜を迎えていた。
手狭なテントで二人でいるせいか、私はジスランがこの三日間全く寝られていない事に気が付いている
「ジスラン、来てください」
私は足を崩して座って、膝を叩き彼を呼ぶ。
「膝枕?」
ジスランは嬉そうに目を輝かせると、私の膝に頭を乗せた。
「ジスラン、今晩はこのまま寝てください。明日の昼過ぎにはドートリッシュ王城に到着します」
彼は私の金糸のような髪を少し引っ張っりながら口を開いた。なんだか彼の仕草が子供っぽくて可愛らしい。
「フェリシア、僕を休ませようとしてるな。君も寝てないだろう。僕が膝枕するから、君が寝ろ」
腹筋を使って起き上がろうとする彼を寝かしつけようとなだめる。確かに私も寝られていない。ギル・ブトナの腕を切り落とした時の感触が、ずっと私の心を騒めかせている。
「私は大丈夫です。ジスラン、ドートリッシュ王城に戻ったら忙しくなります。今の内に休んでください」
心臓と同じ早さでゆっくりと鼓動を刻むようにジスランの胸を叩く。赤ちゃんはこのようにすると寝てくれると本で読んだが、眼下の男は目が爛々としている。
「そうだな⋯⋯まずはドリアーヌ王妃と裏切り者の家を潰す」
ジスランが口の端を上げながら、これからの復讐計画を語る。
私は黒幕がドリアーヌ王妃ではない可能性を考え始めていた。このまま戻ったら、ドリアーヌ王妃は第一王子暗殺容疑で窮地に陥る。
「ドリアーヌ王妃様は、黒幕ではないのかも知れませんわ」
ジスランはドリアーヌ王妃に対して特段に敵意を抱いている。そして、ドリアーヌ王妃は当然、長子相続の原則を無視して自分の息子であるグレイアム王子に王位を継がせたいだろう。そんな二人の感情を利用して潰し合いをさせ利益を得る人間がいたとしたら⋯⋯。
「でも、あの女は母上も殺して!」
興奮気味になるジスランを宥めるように彼の艶やかな黒髪を撫でた。ジスランの母親ロランスはドリアーヌ王妃が祖国バルニエから連れて来た侍女。
艶やかな黒髪にエメラルドの瞳をした侍女ロランスは、すれ違う人が皆振り返る程に美しかった。
その類まれなる美貌に魅せられたギディオン国王は、あろう事か妻の侍女である彼女に手を出してしまう。
ロランスは程なくしてギディオン国王の子を身籠り、ジスランを出産した翌日に亡くなっている。ドリアーヌ王妃が嫉妬から彼女を殺めたという噂は二十年経った今も消えていない。
「ジスラン、出産の翌日亡くなったと言うことは、高血圧や産褥熱、妊娠高血圧症候群など原因は多く考えられます」
ジスランの唇が震えている。彼は生まれた時からドリアーヌ王妃が自分の母親を殺したと思っているのかもしれない。そして、彼は記憶にないだろう母親を思い続ける純粋さを未だに持っていた。
彼は母親の話になってから冷静さを保てなくなっている。ジスランが母親を思う純粋は気持ちと、ドリアーヌ王妃が自分の息子を想う気持ちを利用し作られた対立構造。
私は彼の震える唇を、人差し指でトントンと叩き続きを促した。ジスランは一瞬私の意図を計りかねてキョトンとしたが、柔らかく微笑むとゆっくりと口を開き続きを話してくれた。
「母上はドリアーヌ王妃に殺されたと、みんなが言った。そして、あの女は今度は僕を殺しに来た。グレイアムに王位を継がせる為に⋯⋯。こんな風に命を狙われ続けられるくらいなら王位など心底どうでも良い。今すぐにでも王位継承権を放棄して、安心して暮らしたい」
ジスランは感情が抑えられず絞り出すように本音を言った。
王位継承権を捨てたくなるくらいの苦境に、彼は何度も立たされて来たのだろう。長子である男児に継承されるドートリッシュ王国の玉座。それは建国以来六百年以上続いている当たり前の伝統で、それに対して異議を唱える人間は今までにいない。
「私はドリアーヌ王妃様がどのような方は直接話していないので分かりません。でもね、ジスラン。みんなが、そう言っていた。そういったことを信じてしまうのは危険です。加害者を勝手に作ってはいけませんわ。落ち度のない人間を疑うことはお互いの関係を悪化させます。誰かを疑い非難するのは一番最後に取る手段です」
穏やかに語りかける私に救いを求めるよう手を伸ばしてくるジスラン。私は目を瞑り彼が私の頬を愛撫するのを受け入れた。私の輪郭を確かめるように、めちゃくちゃに捏ねくり回してくる彼の手つきがくすぐったいが我慢した。
「だから、僕はギルに裏切られたのか。アイツは僕が初めて出征した時から七年も忠誠を誓ってくれてたのに⋯⋯」
震える声で呟くジスランは今にも泣きそうだ。
自爆技を使ったロイ・ベルモンは正常な判断を失い誰かに操られていたように見えた。家族に関わる後ろ暗いネタで黒幕に脅されたのかもしれない。彼を蘇生した時に彼の肉体は生きたいと叫んでいた。
しかしながら、ギル・ブトナは私がテントを出た後にジスラン一人を狙っている。故に私怨である可能性が非常に高い。
忠誠を誓った主君に疑われて今まで信じてたものが崩れ去ったのか、積もり積もった積年の恨みがあって爆発したのかは分からない。もう永遠に分からないギル・ブトナの気持ちを繰り返し考え苦しむジスラン。
軽薄そうに見えて、用意周到なしっかり者。
強靭な精神を持つ指揮官と評されているのに実は繊細。
知らなかったジスランを知る度に胸に愛おしさが込み上げてくる。
「ジスラン、人の感情を想像する優しさが貴方を苦しめています。今はただ眠ってください」
私はジスランの瞼にそっと指の腹で触れ、目を閉じるように促した。
触れた指先から、ジスランの後悔の念が伝わってきて苦しくなった。私にも後悔してもしきれない痛い記憶がある。
「ビュケ卿! ギル・ブトナを止めてください!」
テントから出てきたルイス・ビュケは私の叫びに呼応し、ギル・ブトナを追った。
ギル・ブトナは腕を斬られていたにも関わらず、ルイス・ビュケを蹴り上げ剣を奪い一つのテントの天幕を開ける。
ロイ・ベルモンが横たわっているテントだ。
(しまった!)
私は起き上がったジスランを連れて、ロイ・ベルモンのテントに向かう。
天幕を開けると、剣で刺され息絶えたロイ・ベルモンと自害したギル・ブトナが重なっていた。
「ジスラン、すみません。油断していました」
ギル・ブトナに違和感を感じていたのに、私は何もできなかった。後悔の念が私を襲う。
「何を言ってるんだ。フェリシア! 君が僕を助けたんだろ」
ジスランが私を骨が折れるくらい強く抱きしめてくる。
私の体は自分でも驚くくらい震えていた。
恥ずかしいので震えを止めようとしても、自分の体なのに制御できない。
「僕が初めて人を切った時、その事実に気が狂いそうになって一週間眠れなかった。それをドートリッシュ王国のためだと言い聞かせて、やっと眠れるようになったよ」
ジスランの言葉に私は自分がギル・ブトナの腕を切り落とした感触を思い出す。守るべき夫の為にした行動なのに涙が溢れてくる。私は目に力を込め涙を気合いで止めながら口を開いた。
「守るべきもののために戦ってきた人間はいつだって存在します。人を傷つけたこと、その一つに気持ちを寄せてしまえば皆狂っていたでしょう。それが戦うと言うことです。ジスラン、貴方は私の夫。私は貴方を守るためなら身を賭して戦います」
歴史上、戦争というのは無意味で虚しいものだ。
それでも、殺したくもない相手を守るべきものの為に命を賭して戦ったものがいる。誰かのために戦う行為は尊く、簡単に批判されるべきものではない。それでも、人を傷つけたことで涙が出るのは本当は誰も傷つけたくないからだ。
「僕は君に危険なことをさせたくない。フェリシアが好きだ。僕が君を守りたい!」
ジスランは私の目元に溢れ落ちそうな涙を親指で拭ってくる。
私は首を振った。涙の雫が宙を舞う。
「残念ながら、私も守られるより守りたい派なんです」
口角を上げ笑顔を作るも、涙が溢れる。
守られるより守りたい。愛されるより愛したい。
私はジスランの愛を少しずつ感じても、自分が彼を信じ切って愛せないことに戸惑っている。
♢♢♢
翌朝、皆に昨晩の出来事を告げる。他にも裏切り者がいるかもしれないので、私は注意深く周囲を観察した。僅かな違和感も逃してはならない。
私たちはその後も三日間歩き続け、森の中での最後の夜を迎えていた。
手狭なテントで二人でいるせいか、私はジスランがこの三日間全く寝られていない事に気が付いている
「ジスラン、来てください」
私は足を崩して座って、膝を叩き彼を呼ぶ。
「膝枕?」
ジスランは嬉そうに目を輝かせると、私の膝に頭を乗せた。
「ジスラン、今晩はこのまま寝てください。明日の昼過ぎにはドートリッシュ王城に到着します」
彼は私の金糸のような髪を少し引っ張っりながら口を開いた。なんだか彼の仕草が子供っぽくて可愛らしい。
「フェリシア、僕を休ませようとしてるな。君も寝てないだろう。僕が膝枕するから、君が寝ろ」
腹筋を使って起き上がろうとする彼を寝かしつけようとなだめる。確かに私も寝られていない。ギル・ブトナの腕を切り落とした時の感触が、ずっと私の心を騒めかせている。
「私は大丈夫です。ジスラン、ドートリッシュ王城に戻ったら忙しくなります。今の内に休んでください」
心臓と同じ早さでゆっくりと鼓動を刻むようにジスランの胸を叩く。赤ちゃんはこのようにすると寝てくれると本で読んだが、眼下の男は目が爛々としている。
「そうだな⋯⋯まずはドリアーヌ王妃と裏切り者の家を潰す」
ジスランが口の端を上げながら、これからの復讐計画を語る。
私は黒幕がドリアーヌ王妃ではない可能性を考え始めていた。このまま戻ったら、ドリアーヌ王妃は第一王子暗殺容疑で窮地に陥る。
「ドリアーヌ王妃様は、黒幕ではないのかも知れませんわ」
ジスランはドリアーヌ王妃に対して特段に敵意を抱いている。そして、ドリアーヌ王妃は当然、長子相続の原則を無視して自分の息子であるグレイアム王子に王位を継がせたいだろう。そんな二人の感情を利用して潰し合いをさせ利益を得る人間がいたとしたら⋯⋯。
「でも、あの女は母上も殺して!」
興奮気味になるジスランを宥めるように彼の艶やかな黒髪を撫でた。ジスランの母親ロランスはドリアーヌ王妃が祖国バルニエから連れて来た侍女。
艶やかな黒髪にエメラルドの瞳をした侍女ロランスは、すれ違う人が皆振り返る程に美しかった。
その類まれなる美貌に魅せられたギディオン国王は、あろう事か妻の侍女である彼女に手を出してしまう。
ロランスは程なくしてギディオン国王の子を身籠り、ジスランを出産した翌日に亡くなっている。ドリアーヌ王妃が嫉妬から彼女を殺めたという噂は二十年経った今も消えていない。
「ジスラン、出産の翌日亡くなったと言うことは、高血圧や産褥熱、妊娠高血圧症候群など原因は多く考えられます」
ジスランの唇が震えている。彼は生まれた時からドリアーヌ王妃が自分の母親を殺したと思っているのかもしれない。そして、彼は記憶にないだろう母親を思い続ける純粋さを未だに持っていた。
彼は母親の話になってから冷静さを保てなくなっている。ジスランが母親を思う純粋は気持ちと、ドリアーヌ王妃が自分の息子を想う気持ちを利用し作られた対立構造。
私は彼の震える唇を、人差し指でトントンと叩き続きを促した。ジスランは一瞬私の意図を計りかねてキョトンとしたが、柔らかく微笑むとゆっくりと口を開き続きを話してくれた。
「母上はドリアーヌ王妃に殺されたと、みんなが言った。そして、あの女は今度は僕を殺しに来た。グレイアムに王位を継がせる為に⋯⋯。こんな風に命を狙われ続けられるくらいなら王位など心底どうでも良い。今すぐにでも王位継承権を放棄して、安心して暮らしたい」
ジスランは感情が抑えられず絞り出すように本音を言った。
王位継承権を捨てたくなるくらいの苦境に、彼は何度も立たされて来たのだろう。長子である男児に継承されるドートリッシュ王国の玉座。それは建国以来六百年以上続いている当たり前の伝統で、それに対して異議を唱える人間は今までにいない。
「私はドリアーヌ王妃様がどのような方は直接話していないので分かりません。でもね、ジスラン。みんなが、そう言っていた。そういったことを信じてしまうのは危険です。加害者を勝手に作ってはいけませんわ。落ち度のない人間を疑うことはお互いの関係を悪化させます。誰かを疑い非難するのは一番最後に取る手段です」
穏やかに語りかける私に救いを求めるよう手を伸ばしてくるジスラン。私は目を瞑り彼が私の頬を愛撫するのを受け入れた。私の輪郭を確かめるように、めちゃくちゃに捏ねくり回してくる彼の手つきがくすぐったいが我慢した。
「だから、僕はギルに裏切られたのか。アイツは僕が初めて出征した時から七年も忠誠を誓ってくれてたのに⋯⋯」
震える声で呟くジスランは今にも泣きそうだ。
自爆技を使ったロイ・ベルモンは正常な判断を失い誰かに操られていたように見えた。家族に関わる後ろ暗いネタで黒幕に脅されたのかもしれない。彼を蘇生した時に彼の肉体は生きたいと叫んでいた。
しかしながら、ギル・ブトナは私がテントを出た後にジスラン一人を狙っている。故に私怨である可能性が非常に高い。
忠誠を誓った主君に疑われて今まで信じてたものが崩れ去ったのか、積もり積もった積年の恨みがあって爆発したのかは分からない。もう永遠に分からないギル・ブトナの気持ちを繰り返し考え苦しむジスラン。
軽薄そうに見えて、用意周到なしっかり者。
強靭な精神を持つ指揮官と評されているのに実は繊細。
知らなかったジスランを知る度に胸に愛おしさが込み上げてくる。
「ジスラン、人の感情を想像する優しさが貴方を苦しめています。今はただ眠ってください」
私はジスランの瞼にそっと指の腹で触れ、目を閉じるように促した。
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