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第一章 定食屋で育って
私たちの日常
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それから、私がナツさんのお店に行くことはなくなった。
恐らく、ブレンドコーヒーの提供も始まっているはずで、本来なら私はそれを確認したり、新メニューの話を聞いたりしていたに違いない。
ナツさんといえばすっかりこの商店街で頼れるデザイナーのようになっていて、あらゆるお店がナツさんに色んなデザインの発注をしている。
祥太曰く、商店会のお祭りに関してもナツさんが色々とアドバイスをしているらしく、すっかり会長や年配者に気に入られているよ、と嬉しそうだった。
祥太もナツさんに心酔しているようだ。そんな様子を横目に、私はずっとナツさんに会えずにいた。
何がナツさんを傷付けたのか、未だに私は分からない。
ナツさんは、私の毎日に刺激をくれると言ったのに。
私の日常は以前に戻っただけだった。隣にナツさんのお店はあるけれど、そちらとは関わらずに時間だけが過ぎて行く。
それが当たり前になり、もう私は隣の店の存在もなるべく考えないように過ごしていた。そんなある日のことだった。
夕食の営業を始めていた「定食まなべ」にいつかの3人がやって来た。
そう、ナツさんのお店に朝来ていたらしい、あの3人だ。
「いらっしゃいませ。3名様ですか?」
「そうでーす」
「お好きな席にどうぞ」
20代後半~30代くらいの3人は、空いているテーブル席に着く。
なんだか大きな黒いプラスチックケースのような鞄を持っていた。まるで、画材でも入りそうな……。
水を席に持って行くと、話をしているのが聞こえる。
「どうします? ナツさんの仕事が終わるまでどこかで待ちます?」
「あと1時間半くらいかかるって言ってましたけど」
「えっ……」
私は思わず声を上げてしまって、3人の男性に同時に見られた。
「あっ……すいません、話が聞こえてしまって。ナツさんて、お隣の店長さんですよね?」
「ああ、確かにお隣さんですもんね。そうっす。ナツさん、夏木さん。店終わるまで待てって言われちゃって。まあ、あの人厳しいんでそりゃそっかーって感じなんすけど」
ハンチング帽を被っていた、ほんのりふっくらした体形の男の人が頷いている。黒縁眼鏡に、黒髪短髪。この人も髭……。
「この辺、時間潰せるところもありませんし、閉店作業していても良ければ、座っていてもらっても構いませんよ?」
「まじっすか?」
「お姉さん! 神様ですか!」
いや、別に夜の営業は比較的空いているし、1時間半くらい3人の席を潰したところでなんてことはない。ランチ営業の場合はそうもいかないけれど。
キッチンにいるお父さんにもこの辺の話は聞こえているだろうに、別に何も言ってこないことから構わないってことだろう。
3人は、定食とドリンクを注文してくれた。飲み物無くなったらまた頼みますんで、と律儀なことを言いながら。
なかなか良さそうな人たちみたいだ。
本日の魚定食はぶりの照り焼き定食で、3人ともそれを注文した。全員魚っていうのは珍しいなとキッチンに向かう途中、「ナツさんは魚がお薦めって言ってたよな」と後ろから聞こえて来て、なるほどと思う。
肉も人気なんですけどね? ナツさん?
でも、確かに魚定食の方がお薦めだ。なんだか嬉しい。
3人は、私の運んだ魚定食を見て、「こういうの食いたかったんだって思い出したー」とか言いながら嬉しそうにしている。
私が思わず笑いながら「ごゆっくり」と席を離れると、「うっま」という大袈裟な賞賛が上がった。
なんだか嬉しいなあと思わず頬をゆるめながら他の席の片づけをして、洗い物をキッチンに運ぶ。
「あれ、お前の知り合いか?」
お父さんは不思議そうに聞いてきた。確かに、私にしては親し気に話をした気がする。
「ああ、お隣さんの、コーヒーショップの店長さんのお客さん」
「へえ」
それ以上は何も言わず、お皿を洗い始めていた。
店内には他のお客さんはいなかったので、3人の話し声がよく響く。
「いやでも正直、ナツさんなしでプレゼン(※プレゼンテーションのこと)乗り切るのって無茶じゃないっすか? だからVコン(※ビデオコンテ、映像イメージで企画を伝える手法)作るってのは分かるにしても」
「まあ、先方にしてみたら、大好きなナツさんがいないってだけでも結構大ごとですよね」
「マジで、ナツさんなんでフリーランスのCDになってくれなかったかなー……」
話を聞いていて、ナツさんがコーヒーショップの店長さんになったので3人は困っているらしいことがうかがえる。
やっぱり、ナツさんには才能があるんだなあ……。
「いやでもさ、俺がナツさんだったらもう仕事続けられないってなるよ」
「まあ、そうですね……」
3人は、途端に暗くなった。急に話をするのを止めて、黙々と食事に専念している。ナツさんの過去に何かあるらしい発言に、気になった私はわざわざ近づいてコップの水を足しに行く。
3人は「すいません、でも飲み物頼むんで大丈夫ですよ」とか「あと1時間くらい居座らせてもらっちゃいますがすいません」と言って申し訳なさそうにする。
「あと30分くらいしたらお店を閉めるので、閉店作業中ですけど座っててくださいね」
私が水を足して席を離れたら、後ろからボソボソと「若いよね」「定食屋の女の子ってなんかぐっとくるの分かります?」「分かるよ、分かる」と居心地の悪いひそひそ話が漏れ聞こえてくる。
ああ、そうだ。男の人ってこういう話をよくするイメージ。
ナツさんがそうじゃないから忘れていた。ナツさんの仕事仲間だからといって、ナツさんと同じような人だとは限らない。
私は何となく落胆しながら、テーブルを拭いてまわる。いちいち、こんなことで落ちこんでいたって仕方がない。
けれど。やっぱりナツさんは他の人と違っていたんだなあと暫く会っていない顔をぼんやり思い出す。
そのうち、顔もよく思い出せなくなって、アゴ髭だけしか想像できなくなってしまうんだ、きっと。
そう思っていた時だった。
「やっぱ、人をひとり殺しかけてるってのは……相当な経験だよな」
3人のうちのひとりがそう言った。
私は耳を疑って、その後に続くと思っていた冗談を待った。
だけど、3人は黙ったきり重い空気を漂わせている。
予想に反し、それ以上の会話はされなかった。
恐らく、ブレンドコーヒーの提供も始まっているはずで、本来なら私はそれを確認したり、新メニューの話を聞いたりしていたに違いない。
ナツさんといえばすっかりこの商店街で頼れるデザイナーのようになっていて、あらゆるお店がナツさんに色んなデザインの発注をしている。
祥太曰く、商店会のお祭りに関してもナツさんが色々とアドバイスをしているらしく、すっかり会長や年配者に気に入られているよ、と嬉しそうだった。
祥太もナツさんに心酔しているようだ。そんな様子を横目に、私はずっとナツさんに会えずにいた。
何がナツさんを傷付けたのか、未だに私は分からない。
ナツさんは、私の毎日に刺激をくれると言ったのに。
私の日常は以前に戻っただけだった。隣にナツさんのお店はあるけれど、そちらとは関わらずに時間だけが過ぎて行く。
それが当たり前になり、もう私は隣の店の存在もなるべく考えないように過ごしていた。そんなある日のことだった。
夕食の営業を始めていた「定食まなべ」にいつかの3人がやって来た。
そう、ナツさんのお店に朝来ていたらしい、あの3人だ。
「いらっしゃいませ。3名様ですか?」
「そうでーす」
「お好きな席にどうぞ」
20代後半~30代くらいの3人は、空いているテーブル席に着く。
なんだか大きな黒いプラスチックケースのような鞄を持っていた。まるで、画材でも入りそうな……。
水を席に持って行くと、話をしているのが聞こえる。
「どうします? ナツさんの仕事が終わるまでどこかで待ちます?」
「あと1時間半くらいかかるって言ってましたけど」
「えっ……」
私は思わず声を上げてしまって、3人の男性に同時に見られた。
「あっ……すいません、話が聞こえてしまって。ナツさんて、お隣の店長さんですよね?」
「ああ、確かにお隣さんですもんね。そうっす。ナツさん、夏木さん。店終わるまで待てって言われちゃって。まあ、あの人厳しいんでそりゃそっかーって感じなんすけど」
ハンチング帽を被っていた、ほんのりふっくらした体形の男の人が頷いている。黒縁眼鏡に、黒髪短髪。この人も髭……。
「この辺、時間潰せるところもありませんし、閉店作業していても良ければ、座っていてもらっても構いませんよ?」
「まじっすか?」
「お姉さん! 神様ですか!」
いや、別に夜の営業は比較的空いているし、1時間半くらい3人の席を潰したところでなんてことはない。ランチ営業の場合はそうもいかないけれど。
キッチンにいるお父さんにもこの辺の話は聞こえているだろうに、別に何も言ってこないことから構わないってことだろう。
3人は、定食とドリンクを注文してくれた。飲み物無くなったらまた頼みますんで、と律儀なことを言いながら。
なかなか良さそうな人たちみたいだ。
本日の魚定食はぶりの照り焼き定食で、3人ともそれを注文した。全員魚っていうのは珍しいなとキッチンに向かう途中、「ナツさんは魚がお薦めって言ってたよな」と後ろから聞こえて来て、なるほどと思う。
肉も人気なんですけどね? ナツさん?
でも、確かに魚定食の方がお薦めだ。なんだか嬉しい。
3人は、私の運んだ魚定食を見て、「こういうの食いたかったんだって思い出したー」とか言いながら嬉しそうにしている。
私が思わず笑いながら「ごゆっくり」と席を離れると、「うっま」という大袈裟な賞賛が上がった。
なんだか嬉しいなあと思わず頬をゆるめながら他の席の片づけをして、洗い物をキッチンに運ぶ。
「あれ、お前の知り合いか?」
お父さんは不思議そうに聞いてきた。確かに、私にしては親し気に話をした気がする。
「ああ、お隣さんの、コーヒーショップの店長さんのお客さん」
「へえ」
それ以上は何も言わず、お皿を洗い始めていた。
店内には他のお客さんはいなかったので、3人の話し声がよく響く。
「いやでも正直、ナツさんなしでプレゼン(※プレゼンテーションのこと)乗り切るのって無茶じゃないっすか? だからVコン(※ビデオコンテ、映像イメージで企画を伝える手法)作るってのは分かるにしても」
「まあ、先方にしてみたら、大好きなナツさんがいないってだけでも結構大ごとですよね」
「マジで、ナツさんなんでフリーランスのCDになってくれなかったかなー……」
話を聞いていて、ナツさんがコーヒーショップの店長さんになったので3人は困っているらしいことがうかがえる。
やっぱり、ナツさんには才能があるんだなあ……。
「いやでもさ、俺がナツさんだったらもう仕事続けられないってなるよ」
「まあ、そうですね……」
3人は、途端に暗くなった。急に話をするのを止めて、黙々と食事に専念している。ナツさんの過去に何かあるらしい発言に、気になった私はわざわざ近づいてコップの水を足しに行く。
3人は「すいません、でも飲み物頼むんで大丈夫ですよ」とか「あと1時間くらい居座らせてもらっちゃいますがすいません」と言って申し訳なさそうにする。
「あと30分くらいしたらお店を閉めるので、閉店作業中ですけど座っててくださいね」
私が水を足して席を離れたら、後ろからボソボソと「若いよね」「定食屋の女の子ってなんかぐっとくるの分かります?」「分かるよ、分かる」と居心地の悪いひそひそ話が漏れ聞こえてくる。
ああ、そうだ。男の人ってこういう話をよくするイメージ。
ナツさんがそうじゃないから忘れていた。ナツさんの仕事仲間だからといって、ナツさんと同じような人だとは限らない。
私は何となく落胆しながら、テーブルを拭いてまわる。いちいち、こんなことで落ちこんでいたって仕方がない。
けれど。やっぱりナツさんは他の人と違っていたんだなあと暫く会っていない顔をぼんやり思い出す。
そのうち、顔もよく思い出せなくなって、アゴ髭だけしか想像できなくなってしまうんだ、きっと。
そう思っていた時だった。
「やっぱ、人をひとり殺しかけてるってのは……相当な経験だよな」
3人のうちのひとりがそう言った。
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