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第一章 定食屋で育って
美容室 前田 1
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祥太のお母さんが経営している『美容室 前田』は、商店街のちょうど真ん中ぐらいにある。我が家よりも駅に近く、歩いて2分程度だ。
昨日カットの予約を入れた私は、昼の営業を終えて店に向かった。
携帯電話でメッセージを送ると、祥太は「大分伸びきってたもんなー」と返信してきた。本当は切った方が良いと思っていたんだろう。
こういう時の祥太は、他のお客さんと同じように美容師としての仕事を全うしてくれる。
外から見ると純喫茶のような雰囲気が漂う『美容室 前田』の入口。内照式のレトロな字体をした看板が路面に置かれ、ここが美容室だと分かる。
ナツさんがデザインした看板がなければ、商店街の一角にある昔からの喫茶店に見えてしまうかもしれない。
木製ドアについた銀色のドアノブをまわして入口を開ける。
あらゆる薬品の匂いとシャンプーの香りが複雑に混ざる美容室らしい空間には4人の美容師がいた。
「利津!」
「あら、りっちゃん」
いつも通りの祥太とおばさん。予想通りの笑顔を向けてくれる存在がいるというのは、なんというか心強い。
他の2人はまだ見習い美容師で、祥太について色々勉強しているらしい。2人とも、若い女の子だ。
本当はこの美容室にはもうひとりベテランの男性美容師がいた。
今は独立して、自分の店を持っている。その時にお客さんもごっそり連れて行ったらしい。
美容師っていうのは人に人がつく商売なんだなと思ったのを覚えている。
「いらっしゃいませ。お名前をお願いします」
カウンターに入った長い髪の女の子が私の名前を尋ねる。
自分の名前を言うと、「お待ちしておりました」とマニュアル通りらしい受け答えをして席を案内してくれた。
足置きがある美容室の椅子に腰かけると、最初に白いケープに腕を通して首の後ろでマジックテープで止められる。
もう逃げられないなと覚悟をする時間だ。
目の前の大きな鏡は、服すら隠されて首から上が露わに強調された姿になっている。
この自分と向き合う時間が、実は一番つらい。
もうちょっとメイクが上手くならないものかなあとか、こういう格好をしていても日葵さんはやっぱり美人なんだろうかとか、余計なことばかりが浮かんでしまう。
「おーっす。今日はどうされますか?」
「取ってつけたような敬語だなあ」
「だって、客だし」
「客だと思ってる感じがしないんですけど」
鏡越しに祥太と顔を合わせながら会話をする。
この先は祥太に自分の髪型を委ねることになるわけで、どちらかというと私の方がお願いだから可愛くしてくださいと敬語を使いたいところだ。
「ちょっと、雰囲気変えたい……かな」
櫛を手に持った祥太は、私の髪をいじりながら状態を確認している。
祥太の指が頭皮をなぞったり髪が引っ張られる感覚がする度に、実際問題、この伸びきった髪をどう思っているんだろうと気になってしまう。
「うーん、雰囲気変えたいなら、毛先で遊ぶ?」
「毛先で……遊ぶ」
言っている日本語が難解すぎて私は言葉を繰り返すことしかできない。
祥太はお店にあるヘアカタログを取りに行くと、パラパラとそれをめくりながら私に見せて来た。
「アレンジしやすいのは、この辺。あえて外ハネしやすい鎖骨位の長さに切って、レイヤー入れて流れを作る感じとか。時間ある時はコテで巻くとこんな感じのアレンジができて可愛いと思うよ」
ヘアカタログのモデルさんが可愛いので、やたら可愛く見えている気がする。私が外ハネのヘアスタイルなど、おかしくないのだろうか……。
「利津はあんまりクセがないから、動きを出したいならレイヤー入れた方が個人的には良いかなあと思うけど、重めのスタイルが好きなら入れない方が良いし……。あ、重めのスタイルだと、シルエットはこんな感じになる」
ヘアカタログをめくって違うスタイルを提示してくる祥太。
確かに重めのスタイルも可愛いけど、これだとあまりイメージは変わらない。私の現在の重めは伸びっぱなしってことではあるけれど。
「本音で言って欲しいんだけど。私に似合うのってどれ?」
「最初に提案したのは、それだけお薦めってことだよ」
「えー似合うかなあ……」
「いけると思うよ。骨格的に」
この間会った時と同じような金髪の祥太は、生え際に黒が薄っすらと出始めていた。もう少ししたら、またさっきの女の子の実験台になってブリーチされるのだろう。
頭皮に悪そうな仕事だなあ、美容師って。
「色は? そのまま?」
「どう思う?」
「どういうのが好きかだけど、まあ黒でも可愛いとは思う」
「美容室が儲からない提案だね」
「ばーか。信用商売だよ」
客に「ばーか」はないだろう。そんな態度の店員が偉そうに、と言い返したいけれど、本当に私のヘアスタイルのことを考えてくれているんだろうなあと思うから反論できない。
「じゃあ、黒のままで良いかな」
日葵さんが明るい色だから、そこが被るのもなんかなあと思ったりして。
向こうはそんなこと全く気にしないだろうけど。
「前髪の希望は?」
「んー……」
「利津は丸いシルエットに見えて面長だから、前髪は有った方が良いな。重いのより軽めにした方が良い気がするけど」
「軽い前髪か……」
「パーマもお薦めだけど、まあカットでもなんとかなるっちゃなる」
祥太は私の伸びきった前髪を持ち上げて、くるんと前髪を作るように持ってくる。
「っつーか静かだな。なに緊張してんの?」
「うるっさいなあ。美容室久々だと緊張するもんなの」
「へえ。利津でも緊張するんだ」
失礼な、と反論しかけて、これまで祥太の前で緊張をしてこなかったから当たり前かとも思う。
私は本来なら割と色々なところで緊張してしまうタイプだけれど、なぜなのか祥太の前で緊張したことはなかった。
「こんな町の美容室で緊張するやつなんか、利津くらいのもんだな」
櫛を入れられて、横に流していた前髪がだらりと目を塞ぐ。櫛で全体を梳かされたあとは、祥太の両手で毛先をいじられたり分け目を見られたりしながら、状態を確認されていた。
「ま、いーや。任せて」
「はい」
今までもこういうことはあった。私は自分に似合うヘアスタイルなんて想像がつかないから、もう任せるわ、と思考を放棄する。
それに呆れるわけではなく、いつだって祥太は期待以上の仕事をしてくれた。
昨日カットの予約を入れた私は、昼の営業を終えて店に向かった。
携帯電話でメッセージを送ると、祥太は「大分伸びきってたもんなー」と返信してきた。本当は切った方が良いと思っていたんだろう。
こういう時の祥太は、他のお客さんと同じように美容師としての仕事を全うしてくれる。
外から見ると純喫茶のような雰囲気が漂う『美容室 前田』の入口。内照式のレトロな字体をした看板が路面に置かれ、ここが美容室だと分かる。
ナツさんがデザインした看板がなければ、商店街の一角にある昔からの喫茶店に見えてしまうかもしれない。
木製ドアについた銀色のドアノブをまわして入口を開ける。
あらゆる薬品の匂いとシャンプーの香りが複雑に混ざる美容室らしい空間には4人の美容師がいた。
「利津!」
「あら、りっちゃん」
いつも通りの祥太とおばさん。予想通りの笑顔を向けてくれる存在がいるというのは、なんというか心強い。
他の2人はまだ見習い美容師で、祥太について色々勉強しているらしい。2人とも、若い女の子だ。
本当はこの美容室にはもうひとりベテランの男性美容師がいた。
今は独立して、自分の店を持っている。その時にお客さんもごっそり連れて行ったらしい。
美容師っていうのは人に人がつく商売なんだなと思ったのを覚えている。
「いらっしゃいませ。お名前をお願いします」
カウンターに入った長い髪の女の子が私の名前を尋ねる。
自分の名前を言うと、「お待ちしておりました」とマニュアル通りらしい受け答えをして席を案内してくれた。
足置きがある美容室の椅子に腰かけると、最初に白いケープに腕を通して首の後ろでマジックテープで止められる。
もう逃げられないなと覚悟をする時間だ。
目の前の大きな鏡は、服すら隠されて首から上が露わに強調された姿になっている。
この自分と向き合う時間が、実は一番つらい。
もうちょっとメイクが上手くならないものかなあとか、こういう格好をしていても日葵さんはやっぱり美人なんだろうかとか、余計なことばかりが浮かんでしまう。
「おーっす。今日はどうされますか?」
「取ってつけたような敬語だなあ」
「だって、客だし」
「客だと思ってる感じがしないんですけど」
鏡越しに祥太と顔を合わせながら会話をする。
この先は祥太に自分の髪型を委ねることになるわけで、どちらかというと私の方がお願いだから可愛くしてくださいと敬語を使いたいところだ。
「ちょっと、雰囲気変えたい……かな」
櫛を手に持った祥太は、私の髪をいじりながら状態を確認している。
祥太の指が頭皮をなぞったり髪が引っ張られる感覚がする度に、実際問題、この伸びきった髪をどう思っているんだろうと気になってしまう。
「うーん、雰囲気変えたいなら、毛先で遊ぶ?」
「毛先で……遊ぶ」
言っている日本語が難解すぎて私は言葉を繰り返すことしかできない。
祥太はお店にあるヘアカタログを取りに行くと、パラパラとそれをめくりながら私に見せて来た。
「アレンジしやすいのは、この辺。あえて外ハネしやすい鎖骨位の長さに切って、レイヤー入れて流れを作る感じとか。時間ある時はコテで巻くとこんな感じのアレンジができて可愛いと思うよ」
ヘアカタログのモデルさんが可愛いので、やたら可愛く見えている気がする。私が外ハネのヘアスタイルなど、おかしくないのだろうか……。
「利津はあんまりクセがないから、動きを出したいならレイヤー入れた方が個人的には良いかなあと思うけど、重めのスタイルが好きなら入れない方が良いし……。あ、重めのスタイルだと、シルエットはこんな感じになる」
ヘアカタログをめくって違うスタイルを提示してくる祥太。
確かに重めのスタイルも可愛いけど、これだとあまりイメージは変わらない。私の現在の重めは伸びっぱなしってことではあるけれど。
「本音で言って欲しいんだけど。私に似合うのってどれ?」
「最初に提案したのは、それだけお薦めってことだよ」
「えー似合うかなあ……」
「いけると思うよ。骨格的に」
この間会った時と同じような金髪の祥太は、生え際に黒が薄っすらと出始めていた。もう少ししたら、またさっきの女の子の実験台になってブリーチされるのだろう。
頭皮に悪そうな仕事だなあ、美容師って。
「色は? そのまま?」
「どう思う?」
「どういうのが好きかだけど、まあ黒でも可愛いとは思う」
「美容室が儲からない提案だね」
「ばーか。信用商売だよ」
客に「ばーか」はないだろう。そんな態度の店員が偉そうに、と言い返したいけれど、本当に私のヘアスタイルのことを考えてくれているんだろうなあと思うから反論できない。
「じゃあ、黒のままで良いかな」
日葵さんが明るい色だから、そこが被るのもなんかなあと思ったりして。
向こうはそんなこと全く気にしないだろうけど。
「前髪の希望は?」
「んー……」
「利津は丸いシルエットに見えて面長だから、前髪は有った方が良いな。重いのより軽めにした方が良い気がするけど」
「軽い前髪か……」
「パーマもお薦めだけど、まあカットでもなんとかなるっちゃなる」
祥太は私の伸びきった前髪を持ち上げて、くるんと前髪を作るように持ってくる。
「っつーか静かだな。なに緊張してんの?」
「うるっさいなあ。美容室久々だと緊張するもんなの」
「へえ。利津でも緊張するんだ」
失礼な、と反論しかけて、これまで祥太の前で緊張をしてこなかったから当たり前かとも思う。
私は本来なら割と色々なところで緊張してしまうタイプだけれど、なぜなのか祥太の前で緊張したことはなかった。
「こんな町の美容室で緊張するやつなんか、利津くらいのもんだな」
櫛を入れられて、横に流していた前髪がだらりと目を塞ぐ。櫛で全体を梳かされたあとは、祥太の両手で毛先をいじられたり分け目を見られたりしながら、状態を確認されていた。
「ま、いーや。任せて」
「はい」
今までもこういうことはあった。私は自分に似合うヘアスタイルなんて想像がつかないから、もう任せるわ、と思考を放棄する。
それに呆れるわけではなく、いつだって祥太は期待以上の仕事をしてくれた。
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