46 / 77
第二章 夢なんかみなくても
真鍋利津 3
しおりを挟む
「じゃあ逆に聞くけど、利津はどうなりたいんだよ?」
「どうって……」
「俺にメイクを聞きに来るぐらいには、変わりたいってことだろ?」
ダックカールで止めていた場所を手櫛でほぐしながら、俺は利津に尋ねる。利津の髪のコンディションは良かった。ケアをしっかりしているみたいだ。
「変わりたいけど、自分以外の誰かになりたいとかではない」
「ほお」
「自分がもっと良く見せられるなら、見せたい」
「じゃあこの程度のメイクで良いんだろ」
利津の横顔を覗き込み、正面からじっと顔を見る。メイクを施す前よりもずっと美人度は上がった。
「……祥太はどう思う?」
「どうって……」
「その、かわいいとか、かわいくないとかさ……」
ああ、そういうことか。俺が褒めなかったから自信がないのか。
「そんなの、メイクした方がかわいいだろ」
「はいはい、祥太ってそういう男だよね」
「俺が本気でかわいいとか言ったら、困るくせに」
そこで利津は怪訝な顔をする。普通に褒められる位じゃ困らないんですけどって言いただけだ。
いや、お前は絶対に困る。ただでさえ、利津を支えたいとか言って距離感が前より近くなっているんだ。警戒するに違いない。
「祥太はさあ、女の子に気軽に『かわいい』を言うやつだったじゃん」
「……そうだったっけ?」
「小学校の頃には女子たちが騒いでたよ。あたしだって祥太にかわいいって言われたもんとか張り合ってた」
女子怖え……。記憶にないけど、髪型とか服装とか、良いなと思ったら普通に褒めていた気がする。そういうので張り合ったりするんだな。
「でも、私には言わなかったよね」
「そうだったっけ?」
「私、それでマウント取られたりしたんだよ。商店街で幼馴染っていうポジションに嫉妬してくる子が、私と祥太を男同士の友達と変わらないって」
「利津が男友達みたいに振舞って来たんじゃなかったっけ……?」
俺は利津を男として扱ったことはない。でも、利津の距離感は何となく女子特有のものと違っていた。だから楽だったというのもあるけど、それに今さらクレーム入れられてもなあ。
「私さ、あの頃は友達よりも家族が欲しくって……。祥太に家族を求めてたんだと思う」
「まあ、そうだよな」
小学校時代は兄弟がいる家庭が多くて、俺と利津は一人っ子同士だった。
そればかりか利津には母親もいなかったから、他の家庭に比べて極端に家族が少ない。
小学校時代、我が家には元美容師のよく喋るばーちゃんもいたし、美容室に来るお客さんもみんな優しかったし、一人っ子とはいえそれなりに家は賑やかだった。
利津は自分の顔を鏡でじっと見ている。過去を思い出しているのかもしれない。
「私が祥太を家族として失わずにいるためには、どうしたらいいんだろ」
「失わないだろ、生きてる限り」
俺と利津は、この商店街がある限りずっと一緒にいることができる。
「でも、お父さんがお店をやめるって決めたら、あの店を売ってここから引っ越すと思うよ」
「お店、やめるのか……?」
「私はね、それが最善だと思ってる」
いやなんで、と言いたかったけど理由なら分かる。
おじさんは……富雄さんは利津が心配で店を続けてた。利津さえ自立すれば、人に迷惑をかけてまで店を守る理由はない。
「もしかして……また就活すんの?」
「それが一番かなと思ってる」
「なんかやりたいことがあるのか?」
本当だったら、そうやって前を向いた利津を応援しなきゃいけない。
就活をするということは、外に向かって出て行こうと決めたんだ。
「『定食まなべ』を閉めるの、反対なんだけど……」
「大して食べに来ないくせに」
そりゃ、平日は昼休みの時間になったら「まなべ」は既にランチ営業が終わっているし、お店が終わって練習を見届け、閉店作業を終えてからだと閉まっている。
かといって火曜日の貴重な休みにこの商店街をうろつくほど、俺は閉じこもって生活するタイプでもなかった。
利津の顔をじっと見る。真剣な顔で鏡の中の自分を見ていた。
「おじさんは、辞めたがってんのか? 店」
「私次第なんじゃないかな。だけど、ずっと茜さんに甘え続けるわけにもいかないでしょ」
「ちゃんと話せよ、そういうことは」
こういう時、お互いに気を遣い合って勝手な行動を取るのはよくない。あの親子は、そういうところが不器用にできている。
おばさんが早くに亡くなっているから、その分だけお互いを思いやっているのは親子愛なんだと思うけど、家族っていうのはもっと図々しくていい。
いや、考えてみると図々しく甘えられる先は、俺の家だけなんじゃないか。
「利津。よく聞けよ」
鏡の中の自分を見ている利津に、視線を向けさせた。
「俺は、利津を本当の家族と同じように思ってる」
「……うん」
「だから、利津が我慢するような選択はして欲しくないんだ」
「ありがと」
「無理して社会復帰しようとしなくていいんだぞ?」
「でもそれじゃ、前に進めないでしょ」
利津の顔が一段階怖くなった気がする。声にも棘がある。
「別に、いざとなったらうちに来てくれてもいいんだけど?」
「情で傍にいてくれるの、いまは嬉しくない」
利津はいつもより輪郭のはっきりした目をこっちに向けている。
情、と言われてそれの何が悪いんだよ、と正直思った。
「あんたっていつもそうだった。優しいのは分かるよ。でも、私のこと、ずっと『かわいそうな利津』だと思ってるでしょ」
「……え?」
「子どものころからずっとそうだった。母親がいなくてかわいそう、父親が忙しくてかわいそう、社会に馴染めなくてかわいそう、自立できなくてかわいそう、メイクすらマトモにできなくてかわいそう……」
頭が真っ白になる。俺は利津をかわいそうだとか、そんな感情で一緒にいたつもりはない。だけど、心のどこかでそういう気持ちがなかったかと言われれば、それは否定できなかった。
「祥太は家族みたいだし、兄妹として好きだけどさ。そういうのが無理」
利津は自分の荷物をまとめて俺の部屋を出た。そのあとすぐに、玄関の扉が開いた音と閉まった音が響く。
俺は、目の前に置かれたメイク道具をじっと見つめていた。
カラーのパレットが並んだ色とりどりのシャドウは、全然使われた形跡がない。結局俺は、人生で3回しかメイクを人に施したことが無い。
利津のことは、誰よりもよく知っている女の子だと思っていた。
さっきまでは、一番近い存在だと疑っていなかったのに。
思い上がりだったのだと、初めて知った。
「どうって……」
「俺にメイクを聞きに来るぐらいには、変わりたいってことだろ?」
ダックカールで止めていた場所を手櫛でほぐしながら、俺は利津に尋ねる。利津の髪のコンディションは良かった。ケアをしっかりしているみたいだ。
「変わりたいけど、自分以外の誰かになりたいとかではない」
「ほお」
「自分がもっと良く見せられるなら、見せたい」
「じゃあこの程度のメイクで良いんだろ」
利津の横顔を覗き込み、正面からじっと顔を見る。メイクを施す前よりもずっと美人度は上がった。
「……祥太はどう思う?」
「どうって……」
「その、かわいいとか、かわいくないとかさ……」
ああ、そういうことか。俺が褒めなかったから自信がないのか。
「そんなの、メイクした方がかわいいだろ」
「はいはい、祥太ってそういう男だよね」
「俺が本気でかわいいとか言ったら、困るくせに」
そこで利津は怪訝な顔をする。普通に褒められる位じゃ困らないんですけどって言いただけだ。
いや、お前は絶対に困る。ただでさえ、利津を支えたいとか言って距離感が前より近くなっているんだ。警戒するに違いない。
「祥太はさあ、女の子に気軽に『かわいい』を言うやつだったじゃん」
「……そうだったっけ?」
「小学校の頃には女子たちが騒いでたよ。あたしだって祥太にかわいいって言われたもんとか張り合ってた」
女子怖え……。記憶にないけど、髪型とか服装とか、良いなと思ったら普通に褒めていた気がする。そういうので張り合ったりするんだな。
「でも、私には言わなかったよね」
「そうだったっけ?」
「私、それでマウント取られたりしたんだよ。商店街で幼馴染っていうポジションに嫉妬してくる子が、私と祥太を男同士の友達と変わらないって」
「利津が男友達みたいに振舞って来たんじゃなかったっけ……?」
俺は利津を男として扱ったことはない。でも、利津の距離感は何となく女子特有のものと違っていた。だから楽だったというのもあるけど、それに今さらクレーム入れられてもなあ。
「私さ、あの頃は友達よりも家族が欲しくって……。祥太に家族を求めてたんだと思う」
「まあ、そうだよな」
小学校時代は兄弟がいる家庭が多くて、俺と利津は一人っ子同士だった。
そればかりか利津には母親もいなかったから、他の家庭に比べて極端に家族が少ない。
小学校時代、我が家には元美容師のよく喋るばーちゃんもいたし、美容室に来るお客さんもみんな優しかったし、一人っ子とはいえそれなりに家は賑やかだった。
利津は自分の顔を鏡でじっと見ている。過去を思い出しているのかもしれない。
「私が祥太を家族として失わずにいるためには、どうしたらいいんだろ」
「失わないだろ、生きてる限り」
俺と利津は、この商店街がある限りずっと一緒にいることができる。
「でも、お父さんがお店をやめるって決めたら、あの店を売ってここから引っ越すと思うよ」
「お店、やめるのか……?」
「私はね、それが最善だと思ってる」
いやなんで、と言いたかったけど理由なら分かる。
おじさんは……富雄さんは利津が心配で店を続けてた。利津さえ自立すれば、人に迷惑をかけてまで店を守る理由はない。
「もしかして……また就活すんの?」
「それが一番かなと思ってる」
「なんかやりたいことがあるのか?」
本当だったら、そうやって前を向いた利津を応援しなきゃいけない。
就活をするということは、外に向かって出て行こうと決めたんだ。
「『定食まなべ』を閉めるの、反対なんだけど……」
「大して食べに来ないくせに」
そりゃ、平日は昼休みの時間になったら「まなべ」は既にランチ営業が終わっているし、お店が終わって練習を見届け、閉店作業を終えてからだと閉まっている。
かといって火曜日の貴重な休みにこの商店街をうろつくほど、俺は閉じこもって生活するタイプでもなかった。
利津の顔をじっと見る。真剣な顔で鏡の中の自分を見ていた。
「おじさんは、辞めたがってんのか? 店」
「私次第なんじゃないかな。だけど、ずっと茜さんに甘え続けるわけにもいかないでしょ」
「ちゃんと話せよ、そういうことは」
こういう時、お互いに気を遣い合って勝手な行動を取るのはよくない。あの親子は、そういうところが不器用にできている。
おばさんが早くに亡くなっているから、その分だけお互いを思いやっているのは親子愛なんだと思うけど、家族っていうのはもっと図々しくていい。
いや、考えてみると図々しく甘えられる先は、俺の家だけなんじゃないか。
「利津。よく聞けよ」
鏡の中の自分を見ている利津に、視線を向けさせた。
「俺は、利津を本当の家族と同じように思ってる」
「……うん」
「だから、利津が我慢するような選択はして欲しくないんだ」
「ありがと」
「無理して社会復帰しようとしなくていいんだぞ?」
「でもそれじゃ、前に進めないでしょ」
利津の顔が一段階怖くなった気がする。声にも棘がある。
「別に、いざとなったらうちに来てくれてもいいんだけど?」
「情で傍にいてくれるの、いまは嬉しくない」
利津はいつもより輪郭のはっきりした目をこっちに向けている。
情、と言われてそれの何が悪いんだよ、と正直思った。
「あんたっていつもそうだった。優しいのは分かるよ。でも、私のこと、ずっと『かわいそうな利津』だと思ってるでしょ」
「……え?」
「子どものころからずっとそうだった。母親がいなくてかわいそう、父親が忙しくてかわいそう、社会に馴染めなくてかわいそう、自立できなくてかわいそう、メイクすらマトモにできなくてかわいそう……」
頭が真っ白になる。俺は利津をかわいそうだとか、そんな感情で一緒にいたつもりはない。だけど、心のどこかでそういう気持ちがなかったかと言われれば、それは否定できなかった。
「祥太は家族みたいだし、兄妹として好きだけどさ。そういうのが無理」
利津は自分の荷物をまとめて俺の部屋を出た。そのあとすぐに、玄関の扉が開いた音と閉まった音が響く。
俺は、目の前に置かれたメイク道具をじっと見つめていた。
カラーのパレットが並んだ色とりどりのシャドウは、全然使われた形跡がない。結局俺は、人生で3回しかメイクを人に施したことが無い。
利津のことは、誰よりもよく知っている女の子だと思っていた。
さっきまでは、一番近い存在だと疑っていなかったのに。
思い上がりだったのだと、初めて知った。
0
あなたにおすすめの小説
紙の上の空
中谷ととこ
ライト文芸
小学六年生の夏、父が突然、兄を連れてきた。
容姿に恵まれて才色兼備、誰もが憧れてしまう女性でありながら、裏表のない竹を割ったような性格の八重嶋碧(31)は、幼い頃からどこにいても注目され、男女問わず人気がある。
欲しいものは何でも手に入りそうな彼女だが、本当に欲しいものは自分のものにはならない。欲しいすら言えない。長い長い片想いは成就する見込みはなく半分腐りかけているのだが、なかなか捨てることができずにいた。
血の繋がりはない、兄の八重嶋公亮(33)は、未婚だがとっくに独立し家を出ている。
公亮の親友で、碧とは幼い頃からの顔見知りでもある、斎木丈太郎(33)は、碧の会社の近くのフレンチ店で料理人をしている。お互いに好き勝手言える気心の知れた仲だが、こちらはこちらで本心は隠したまま碧の動向を見守っていた。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
追放聖女だってお茶したい!─セカンドライフはティーサロン経営を志望中─
石田空
ファンタジー
「ミーナ今までありがとう。聖女の座を降りてもらおう」
貴族の利権関係が原因でいきなり聖女をクビになった庶民出身のミーナ。その上あてがわれた婚約者のルカは甘味嫌いで食の趣味が合わない。
「嫌! 人の横暴に付き合うのはもうこりごり! 私は逃げます!」
かくしてミーナは神殿から脱走し、ティーサロン経営のために奔走しはじめた。
ときどき舞い込んでくるトラブル。
慌ててミーナを探しているルカ。
果たしてミーナは理想のセカンドライフを歩めるのか。
甘いお菓子とお茶。そしてちょっとの恋模様。
*サイトより転載になります。
【完結】言いつけ通り、夫となる人を自力で見つけました!
まりぃべる
恋愛
エーファ=バルヒェットは、父から十七歳になったからお見合い話を持ってこようかと提案された。
人に決められた人とより、自分が見定めた人と結婚したい!
そう思ったエーファは考え抜いた結果、引き籠もっていた侯爵領から人の行き交いが多い王都へと出向く事とした。
そして、思わぬ形で友人が出来、様々な人と出会い結婚相手も無事に見つかって新しい生活をしていくエーファのお話。
☆まりぃべるの世界観です。現実世界とは似ているもの、違うものもあります。
☆現実世界で似たもしくは同じ人名、地名があるかもしれませんが、全く関係ありません。
☆現実世界とは似ているようで違う世界です。常識も現実世界と似ているようで違います。それをご理解いただいた上で、楽しんでいただけると幸いです。
☆この世界でも季節はありますが、現実世界と似ているところと少し違うところもあります。まりぃべるの世界だと思って楽しんでいただけると幸いです。
☆書き上げています。
その途中間違えて投稿してしまいました…すぐ取り下げたのですがお気に入り入れてくれた方、ありがとうございます。ずいぶんとお待たせいたしました。
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行「婚約破棄ですか? それなら昨日成立しましたよ、ご存知ありませんでしたか?」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
「アリシア・フィルタ貴様との婚約を破棄する!」
イエーガー公爵家の令息レイモンド様が言い放った。レイモンド様の腕には男爵家の令嬢ミランダ様がいた。ミランダ様はピンクのふわふわした髪に赤い大きな瞳、小柄な体躯で庇護欲をそそる美少女。
対する私は銀色の髪に紫の瞳、表情が表に出にくく能面姫と呼ばれています。
レイモンド様がミランダ様に惹かれても仕方ありませんね……ですが。
「貴様は俺が心優しく美しいミランダに好意を抱いたことに嫉妬し、ミランダの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を……」
「あの、ちょっとよろしいですか?」
「なんだ!」
レイモンド様が眉間にしわを寄せ私を睨む。
「婚約破棄ですか? 婚約破棄なら昨日成立しましたが、ご存知ありませんでしたか?」
私の言葉にレイモンド様とミランダ様は顔を見合わせ絶句した。
全31話、約43,000文字、完結済み。
他サイトにもアップしています。
小説家になろう、日間ランキング異世界恋愛2位!総合2位!
pixivウィークリーランキング2位に入った作品です。
アルファポリス、恋愛2位、総合2位、HOTランキング2位に入った作品です。
2021/10/23アルファポリス完結ランキング4位に入ってました。ありがとうございます。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
Blue Moon 〜小さな夜の奇跡〜
葉月 まい
恋愛
ーー私はあの夜、一生分の恋をしたーー
あなたとの思い出さえあれば、この先も生きていける。
見ると幸せになれるという
珍しい月 ブルームーン。
月の光に照らされた、たったひと晩の
それは奇跡みたいな恋だった。
‧₊˚✧ 登場人物 ✩˚。⋆
藤原 小夜(23歳) …楽器店勤務、夜はバーのピアニスト
来栖 想(26歳) …新進気鋭のシンガーソングライター
想のファンにケガをさせられた小夜は、
責任を感じた想にバーでのピアノ演奏の代役を頼む。
それは数年に一度の、ブルームーンの夜だった。
ひと晩だけの思い出のはずだったが……
十八歳で必ず死ぬ令嬢ですが、今日もまた目を覚ましました【完結】
藤原遊
恋愛
十八歳で、私はいつも死ぬ。
そしてなぜか、また目を覚ましてしまう。
記憶を抱えたまま、幼い頃に――。
どれほど愛されても、どれほど誰かを愛しても、
結末は変わらない。
何度生きても、十八歳のその日が、私の最後になる。
それでも私は今日も微笑む。
過去を知るのは、私だけ。
もう一度、大切な人たちと過ごすために。
もう一度、恋をするために。
「どうせ死ぬのなら、あなたにまた、恋をしたいの」
十一度目の人生。
これは、記憶を繰り返す令嬢が紡ぐ、優しくて、少しだけ残酷な物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる