51 / 77
第二章 夢なんかみなくても
江の島 1
しおりを挟む
朝になって、真樹ちゃんが起き上がる。
「うう……ん。体勢おかしかったのか、ちょっと身体の感じが変……」
布団から身体を起こして顔を歪めている女の子は、夜よりも瞼が重かった。
伸びをしているのをじっと見てしまい、慌てて目を逸らす。なんだか付き合いたての彼女を見ている気分だ。
「今日は、仕事?」
「あー……行きたくないなあ、仕事」
真樹ちゃんはがっくりとしていた。そういう気分の時ってあるよね。
「休もう休もう。精神的な不調も、体調不良みたいなもんだよ」
「祥太さんは? 一緒に休んでくれるなら休む」
じろっと真樹ちゃんに聞かれて、俺は側にある自分の携帯電話を掴む。
母さんに電話をした。
『何? 朝から電話してきて。家帰って来てないけど』
「いやーちょっと友達と飲みすぎちゃって。今日有給取っていい?」
『ったく、社会人なんだから飲み過ぎとか気を付けなさいよ。あんた指名のお客さんは?』
「今日は幸い、いませーん」
『指名客が少なくて助かったわね』
「そういうことを言わないでくれるかな」
『じゃ、二日酔いお大事に』
「はーい」
携帯電話を切って、ポカンとしている真樹ちゃんを見る。
「休んだ」
「ゆっる! 実家の家業ゆるっ!」
君のために休んだのにその言い分はなんだ、と俺は瞼の重い真樹ちゃんにクレームを入れる。真樹ちゃんは嬉しそうに歯を見せて笑うと、同じように職場に連絡を入れた。
「わあい! 休みサイコー!」
無邪気に喜んでいる顔を初めて見た。こんなに子どもっぽく、目が無くなる笑い方をするんだな。
「よし! 朝飯食ったら江の島だ!」
「なんで??」
「小田急線沿線じゃん、ここ」
「は?」
「俺、久しぶりに江の島行きたいーー」
「いや、沿線だけど遠いよ? 軽く旅行じゃん。それに祥太さん、服は?」
*
俺たちは江の島に向かう前に途中駅で下車して、町田に来ている。
真樹ちゃんの勤めるブランドの系列店があるから、そこで服を買ってからデートというわけだ。要するに、1日着た服で私の横を歩かないでと言われた。厳しいです。
「どれも30パーオフで買えるよ? 新作とか見たら?」
「新作はさー季節先取りしちゃうからなー」
俺は久しぶりのお洒落に気分が高揚している。なんだかんだ、ファッションも大好きだ。上質の布だなと分かるお高めの服を触りながら、普段からこういう服を売ってるからかみんな意識が高そうだなと店員さんを眺める。
隣にいる真樹ちゃんの髪は俺がセットした。ゆるいパーマに似合うハーフアップで、我ながら素晴らしい出来になっている。真樹ちゃんは自分の髪型を見て「美容師と同居とかいいかも」と怖いことを口走っていた。今も、割とご機嫌な様子だ。
「あ、祥太さんこれ似合いそう」
「販売員さんに言われちゃ、ちょっと試着したくなっちゃうなあ」
「ノリがいいね」
はしゃぎながら、俺は自分をモデルにファッションショーさながら色んな服を着た。トップスを着替えると何か思いついたように店内を走って行き、真樹ちゃんは「それ、このボトムスとか合わせたらいい!」と息巻く。
「さすがですね、お客様!」と俺が興奮すると、「店員だわ!」と突っ込んでくれた。真樹ちゃんもノリがいい。
買った服を着用したまま店を出て一緒にまた小田急線に乗る。真樹ちゃんと隣同士で席に座りながら、窓の外に映る何気ない景色を見て会話を続けた。
片瀬江ノ島駅に着くと、ぐっと観光地の雰囲気が増す。
江の島は平日だけど観光客がいる。この駅は竜宮城を模していて、駅だというのに異世界感がする。日常と離れた感覚がして気分がいい。
「えーうそー! 駅から見えてるの、あれ、海ー!?」
「いや、残念ながらそれは川だね」
すぐそこに海水浴場があるけど、駅から見えているのは川だ。
真樹ちゃんは「ちえ」と面白くなさそうに俺を見て、すぐに気持ちを切り替えたのか腕を組んでくる。
「どこ行く? なに見る?」
「江の島大橋を渡ります」
「歩いて?」
「海の上を渡れるよ」
真樹ちゃんは嬉しそうに、足取り軽く歩いていた。
俺も真樹ちゃんも立ち仕事だからか、歩くのは苦にならない。
「ちょっとヒールついてるけど、平気?」と尋ねても、「5㎝にしたから平気。ヒールは全く無いのよりもこの位あった方がかえって楽」と言っていた。
そういや、最後に付き合った子はちょっと歩いたら休憩を何度も取らないとダメな子だったっけ。歩くスピードやペースを気にしないで一緒にいられるって、ストレスが少ない。
江の島大橋は、江の島と繋がる唯一の道だ。
橋の距離はそこそこあるけど、海風に吹かれながら空に浮かぶ雲と一緒に歩いているような、そんな感覚になれて気持ちがいい。
「なにこれーー! 風つよっ!!」
腕にしがみついたままの真樹ちゃんが、風になびく髪を押さえている。
もうヘアセットどころじゃない髪になっているのを笑いながら、「また直してあげるから大丈夫だって」と声をかけると嬉しそうに前を向いた。
向かい風も追い風も一緒になって吹いているような、そんな訳の分からない風の中を歩く。江の島がどんどん目の前に迫って来た。
「よし、江の島に上陸だ!」
「なになに? 江の島って何があるの?」
「まあまあ」
そんな話をしながら、江の島に着く。真っ先に江島(えのしま)神社に向かった。
「江島神社ってさ、弁才天をまつってるんだけど。厳島神社(いつくしまじんじゃ)と都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ)に並ぶ日本三大弁天なんだって」
「弁才天って、何の神様だっけ?」
「この辺では、音楽や芸事の神様として有名かなあ」
鳥居をくぐって最初に、片瀬江ノ島駅の竜宮城のような門がある。
カップルの姿も多く、くっついて歩いている俺と真樹ちゃんはどう見てもデートだ。
一緒にお参りをして、江の島内を歩いた。恋人同士が鐘を鳴らすところとか南京錠を付けるスポットもあったけど、カップルでもない俺たちは参加せずに展望台に向かう。
白くて存在感のある展望台の螺旋階段を上ると、海が一望できた。
「うわあああ! 綺麗! 水平線が見えるよ!」
うん、そりゃ見えるだろうねと思ったけど、あまりにもかわいいので「ほんとだね」と合わせた。
今日の真樹ちゃんはテンションが高い。
「うう……ん。体勢おかしかったのか、ちょっと身体の感じが変……」
布団から身体を起こして顔を歪めている女の子は、夜よりも瞼が重かった。
伸びをしているのをじっと見てしまい、慌てて目を逸らす。なんだか付き合いたての彼女を見ている気分だ。
「今日は、仕事?」
「あー……行きたくないなあ、仕事」
真樹ちゃんはがっくりとしていた。そういう気分の時ってあるよね。
「休もう休もう。精神的な不調も、体調不良みたいなもんだよ」
「祥太さんは? 一緒に休んでくれるなら休む」
じろっと真樹ちゃんに聞かれて、俺は側にある自分の携帯電話を掴む。
母さんに電話をした。
『何? 朝から電話してきて。家帰って来てないけど』
「いやーちょっと友達と飲みすぎちゃって。今日有給取っていい?」
『ったく、社会人なんだから飲み過ぎとか気を付けなさいよ。あんた指名のお客さんは?』
「今日は幸い、いませーん」
『指名客が少なくて助かったわね』
「そういうことを言わないでくれるかな」
『じゃ、二日酔いお大事に』
「はーい」
携帯電話を切って、ポカンとしている真樹ちゃんを見る。
「休んだ」
「ゆっる! 実家の家業ゆるっ!」
君のために休んだのにその言い分はなんだ、と俺は瞼の重い真樹ちゃんにクレームを入れる。真樹ちゃんは嬉しそうに歯を見せて笑うと、同じように職場に連絡を入れた。
「わあい! 休みサイコー!」
無邪気に喜んでいる顔を初めて見た。こんなに子どもっぽく、目が無くなる笑い方をするんだな。
「よし! 朝飯食ったら江の島だ!」
「なんで??」
「小田急線沿線じゃん、ここ」
「は?」
「俺、久しぶりに江の島行きたいーー」
「いや、沿線だけど遠いよ? 軽く旅行じゃん。それに祥太さん、服は?」
*
俺たちは江の島に向かう前に途中駅で下車して、町田に来ている。
真樹ちゃんの勤めるブランドの系列店があるから、そこで服を買ってからデートというわけだ。要するに、1日着た服で私の横を歩かないでと言われた。厳しいです。
「どれも30パーオフで買えるよ? 新作とか見たら?」
「新作はさー季節先取りしちゃうからなー」
俺は久しぶりのお洒落に気分が高揚している。なんだかんだ、ファッションも大好きだ。上質の布だなと分かるお高めの服を触りながら、普段からこういう服を売ってるからかみんな意識が高そうだなと店員さんを眺める。
隣にいる真樹ちゃんの髪は俺がセットした。ゆるいパーマに似合うハーフアップで、我ながら素晴らしい出来になっている。真樹ちゃんは自分の髪型を見て「美容師と同居とかいいかも」と怖いことを口走っていた。今も、割とご機嫌な様子だ。
「あ、祥太さんこれ似合いそう」
「販売員さんに言われちゃ、ちょっと試着したくなっちゃうなあ」
「ノリがいいね」
はしゃぎながら、俺は自分をモデルにファッションショーさながら色んな服を着た。トップスを着替えると何か思いついたように店内を走って行き、真樹ちゃんは「それ、このボトムスとか合わせたらいい!」と息巻く。
「さすがですね、お客様!」と俺が興奮すると、「店員だわ!」と突っ込んでくれた。真樹ちゃんもノリがいい。
買った服を着用したまま店を出て一緒にまた小田急線に乗る。真樹ちゃんと隣同士で席に座りながら、窓の外に映る何気ない景色を見て会話を続けた。
片瀬江ノ島駅に着くと、ぐっと観光地の雰囲気が増す。
江の島は平日だけど観光客がいる。この駅は竜宮城を模していて、駅だというのに異世界感がする。日常と離れた感覚がして気分がいい。
「えーうそー! 駅から見えてるの、あれ、海ー!?」
「いや、残念ながらそれは川だね」
すぐそこに海水浴場があるけど、駅から見えているのは川だ。
真樹ちゃんは「ちえ」と面白くなさそうに俺を見て、すぐに気持ちを切り替えたのか腕を組んでくる。
「どこ行く? なに見る?」
「江の島大橋を渡ります」
「歩いて?」
「海の上を渡れるよ」
真樹ちゃんは嬉しそうに、足取り軽く歩いていた。
俺も真樹ちゃんも立ち仕事だからか、歩くのは苦にならない。
「ちょっとヒールついてるけど、平気?」と尋ねても、「5㎝にしたから平気。ヒールは全く無いのよりもこの位あった方がかえって楽」と言っていた。
そういや、最後に付き合った子はちょっと歩いたら休憩を何度も取らないとダメな子だったっけ。歩くスピードやペースを気にしないで一緒にいられるって、ストレスが少ない。
江の島大橋は、江の島と繋がる唯一の道だ。
橋の距離はそこそこあるけど、海風に吹かれながら空に浮かぶ雲と一緒に歩いているような、そんな感覚になれて気持ちがいい。
「なにこれーー! 風つよっ!!」
腕にしがみついたままの真樹ちゃんが、風になびく髪を押さえている。
もうヘアセットどころじゃない髪になっているのを笑いながら、「また直してあげるから大丈夫だって」と声をかけると嬉しそうに前を向いた。
向かい風も追い風も一緒になって吹いているような、そんな訳の分からない風の中を歩く。江の島がどんどん目の前に迫って来た。
「よし、江の島に上陸だ!」
「なになに? 江の島って何があるの?」
「まあまあ」
そんな話をしながら、江の島に着く。真っ先に江島(えのしま)神社に向かった。
「江島神社ってさ、弁才天をまつってるんだけど。厳島神社(いつくしまじんじゃ)と都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ)に並ぶ日本三大弁天なんだって」
「弁才天って、何の神様だっけ?」
「この辺では、音楽や芸事の神様として有名かなあ」
鳥居をくぐって最初に、片瀬江ノ島駅の竜宮城のような門がある。
カップルの姿も多く、くっついて歩いている俺と真樹ちゃんはどう見てもデートだ。
一緒にお参りをして、江の島内を歩いた。恋人同士が鐘を鳴らすところとか南京錠を付けるスポットもあったけど、カップルでもない俺たちは参加せずに展望台に向かう。
白くて存在感のある展望台の螺旋階段を上ると、海が一望できた。
「うわあああ! 綺麗! 水平線が見えるよ!」
うん、そりゃ見えるだろうねと思ったけど、あまりにもかわいいので「ほんとだね」と合わせた。
今日の真樹ちゃんはテンションが高い。
0
あなたにおすすめの小説
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる